グォンスクはテヨンに好意を告白するが、テヨンは選手としてしか見ていないと告げ、もっといい男が現れたら後悔する、と突き放す。しかし、グォンスクは今の自分の気持ちは変わらないと主張する。

テヨンは自分が金のためにグォンスクに近づき、利用してきた「悪い男」だと繰り返すが、グォンスクはそれでも構わないと答える。リングで後悔を残すなというテヨンの言葉を胸に、自分も後悔なく試合に勝つと決意したのだ。そして、以前のように自分を好きでいてくれ、突き放さないでくれとテヨンに懇願する。グォンスクは去った後、公園で一人涙を流す。テヨンもまた、呆然としたまま家に入ることができない。

帰宅したグォンスクを、父親はジェミンに振られたと思い込むが、グォンスクは否定する。父親はグォンスクの交友関係から相手を推理し、テヨンではないかと驚く。ジェミンはグォンスクとの朝のランニングを続け、テヨンの指示で一緒に走るように言われたこと、グォンスクの食事についてもテヨンが父親に指示を出していたことを伝える。グォンスクはジェミンに恋愛感情がないことをはっきり伝える。その後、朝食を食べながら、テヨンが作ってくれた朝食を思い出し、涙を流す。

パク記者は八百長で逮捕されたキム・オボクの写真を受け取るが、自分が知っているキム氏ではないことに気づく。一方、スヨンとヨンエはインドアゴルフ場でキム氏に会い、アラムのスポンサーを依頼する。キム氏は名刺を渡すが、そこには「ザ・スカイ」のナム・ヒョンギ会長の名前が記されていた。

テヨンはヨンエに八百長とヒウォンの死の真相を話し、自首すると言い、会社には自分が不正行為で解雇されたと伝えるよう指示する。グォンスクの試合は八百長ではないことを強調し、ヨンエは解雇の手続きをすると言う。

グォンスクはホジュンにスパーリングパートナーを探してほしいと頼み、男性でも構わず、どこにでも行くと言う。アラムは16試合経験しているのに対し、自分はまだ試合経験がないからだ。一方、チョルヨンはテヨンを酒に誘い、グォンスクへの気持ちを尋ねる。テヨンは選手としてしか見ていないと答える。チョルヨンは、もしグォンスクがテヨンに好意を抱くようになったら、グォンスクはまだ若いので賢明に対処するようにと釘を刺す。しかし、ホジュンはスパーリングパートナーを見つけることができない。

キム氏(ナム会長)はチョルヨンの店を訪れる。偶然、ホジュンがスパーリングパートナー探しをチョルヨンに頼みに来ており、キム氏は協力を申し出る。翌日、グォンスクはテヨンが会社を辞めたことを知る。キム氏はスパーリングパートナーを連れてくるが、相手はキックボクサーで、スパーリングではなく、まるで喧嘩を売るような態度だ。グォンスクの健闘ぶりを見て、キム氏は苛立ちを隠せない。

テヨンはスヨンと酒を飲み、会社を辞めたことを話す。スヨンはテヨンに休息が必要だと理解を示し、二人の破局の理由を語る。結婚して子供を欲しがっていたスヨンに対し、テヨンは試合に出場することを優先させていた。当時スヨンは愛されていないと感じていたが、今思えば、それがテヨンの愛情表現だったのかもしれないと語る。テヨンはスヨンの才能を無駄にしたくなかったのだと話す。そして、スヨンにもっといい人を見つけろと言い、スヨンは振られたと腹を立てる。スヨンはテヨンに好きな人ができたのではないかと気づく。その時、テヨンはホジュンから電話を受け、グォンスクが怪我をしたと聞き、ジムへ急行する。ホジュンからスパーリングパートナーの経緯を聞き、テヨンはキム氏が関わっていることに気づく。

テヨンはジムでグォンスクと時間を過ごす。グォンスクは、いつもテヨンと過ごしていたジムが一番落ち著くと言う。テヨンはグォンスクを家まで送り、試合当日に会うと言う。グォンスクは何かあったらすぐに電話して、必ず来てほしい、試合の時みたいに慰めてほしいと頼む。テヨンはグォンスクを抱きしめ、駆けつけてしまって申し訳ないと謝る。グォンスクは来てくれて感謝していると伝える。

キム氏は部下のサンチョルにテヨンとグォンスクの尾行をさせていた。サンチョルは二人の抱擁写真を撮り、キム氏は二人の親密な関係に気づく。一方、テヨンはパク記者に自分が知っているキム・オボクの写真を見せる。パク記者はキム氏が巧妙に身分を隠蔽していることに気づき、その正体に疑問を抱く。テヨンはナム会長ではないかと疑い、パク記者にナム会長について調べるよう依頼する。

アラムとグォンスクはバンタム級を通過し、試合前日に記者会見を行う。その夜、グォンスクはアラ、ホジュン、ジェミン、チョルヨンらとチョルヨンの店で食事をする。グォンスクはテヨンに電話するが、テヨンは店には行かないが、明日の試合にはリングサイドにいると伝える。電話中、テヨンは遠くからグォンスクを見守っている。

試合当日、グォンスクは早朝にランニングに出かけ、いつも飴をくれる老夫婦に会う。その後、グォンスクとアラムは試合会場へ向かう準備をする。父親はグォンスクに後悔を残さず、萎縮しないようにとアドバイスする。

試合前、グォンスクは緊張している。テヨンは会場に到著し、グォンスクに会う前にナム会長の姿を見かける。同時に、何者かがチョルヨンの店に現れる。テヨンはナム会長を追うが、人混みで見失ってしまう。グォンスクの控え室に駆けつけ、入室するなり彼女を抱きしめる。

グォンスクは誤解されないように、慰めているのかと尋ねる。テヨンは息を整える時間をくれと言い、間に合ってよかったと安堵し、グォンスクの手当てをする。グォンスクはアラムの強さに不安を抱くが、テヨンはグォンスクも強いと励まし、ベストを尽くしても負けてしまうこともあると言い聞かせる。

グォンスクは負けて引退宣言したら格好悪い、逃げているように見えると心配する。テヨンは全力を尽くした敗者は逃げているようには見えない、そんなことは心配するなと言う。グォンスクは自分の姿がよく見える場所で試合を見守ってほしいと頼む。

控え室を出たテヨンは警察に電話をかけ、これから自首すると伝える。同時に、ナム会長から電話がかかってきて、一緒に試合を見ようと誘われる。

エピソードの最後に、サンチョルらナム会長の手下がテヨンに襲いかかる。テヨンが携帯を渡すのを拒否すると、サンチョルはテヨンを殴り、携帯を壊してしまう。

第11話 感想

「純情ボクサー」第11話は、様々な感情が交錯する、息詰まる展開でした。グォンスクのひたむきな想いと、テヨンの複雑な葛藤が胸を締め付けます。

グォンスクは、自分の気持ちに正直に、テヨンへの愛を告白します。テヨンの冷酷な言葉にも揺るがず、彼を想う気持ちは純粋で一途です。一方のテヨンは、過去の罪悪感とグォンスクへの愛情の間で苦悩し、彼女を突き放そうとしますが、その行動の裏には深い愛情が隠されているように感じられます。二人のすれ違う想いがもどかしく、今後の展開が気になります。

キム氏の正体がナム会長であることが明らかになり、物語は新たな局面を迎えます。彼の暗躍により、テヨンとグォンスクの関係はさらに危険に晒されることになります。スパーリングパートナーの件からも、彼の悪意がグォンスクに向けられていることが明白です。

テヨンは、グォンスクを守るため、自首を決意します。ヨンエとの会話、そしてグォンスクとの最後の抱擁は、彼の覚悟と愛情を強く感じさせるシーンでした。しかし、ナム会長の手下に襲われ、今後の展開は全く予想できません。

つづく