漢陽を舞台に、物語は始まる。カン・ハンスは、庶民のための法律相談所「外知部」を開設し、一儲けしようと目論んでいた。

一方、イ・ヨンジュ公主は身分を隠し、貧しい人々への貸付を行う宿屋を営んでいた。ある日、宿屋の酒場で梅花酒の味が悪いと騒ぎが起こり、張家商団の手下が現れ、営業妨害と称して金銭を要求する。そこに居合わせたカン・ハンスは、わざと手下たちに騒ぎを起こした男の居場所を教え、男は暴行を受ける。駆けつけた洪女将、イ・ヨンジュ、チェ・ユンは手下たちを追い払うが、張家商団の調査に乗り出す。

落胆した酒屋の店主は、カン・ハンスを恨み、全ての酒を捨ててしまう。店主は張家商団に対抗できる外知部を探すが、誰も引き受けようとしない。途方に暮れた店主は漢陽を去ろうとする。イ・ヨンジュは弟である王に助けを求めるも、朝廷の役人たちは無関心だった。

ある夜、店主に放火事件が発生し、イ・ヨンジュは犯人の姿を確認する。店主は仕方なくカン・ハンスに訴訟を依頼。イ・ヨンジュはカン・ハンスが放火に関わっているのではと疑うが、王でさえ頼りにならない現状に、依頼を黙認する。裁判でカン・ハンスは巧みな話術と法典の知識で逆転勝利を収めるが、店主は訴訟費用を払えず、家財道具を差し押さえられる。イ・ヨンジュはカン・ハンスが老婆のかんざしを盗むのを目撃し、同時にカン・ハンスは放火の罪で捕まる。

牢獄でカン・ハンスは、店主を助けるために自ら放火したことを認める。店主に感謝されたカン・ハンスは、自らも父親を亡くし、母が命を絶った過去を思い出す。

翌日、イ・ヨンジュはカン・ハンスが法で人の運命を変えたことに感銘を受け、「国を治めるのは律法であり、王ではない」という先王の言葉を思い出す。カン・ハンスを助けようとするが、彼は既に脱獄し、傷を癒すために妓楼へ向かっていた。チャン・デバンはカン・ハンスの関与を知り、彼を尾行させる。そこに謝罪に来たイ・ヨンジュが現れ、二人は一緒に捕まってしまう。

実はカン・ハンスは最初からチャン・デバンを狙っていた。彼は張家商団が渡しの利権を握っていることに目をつけ、わざと捕まることでチャン・デバンと直接交渉し、危機を回避する方法があると持ちかける。これは漢陽の権力構造に挑戦するカン・ハンスの周到な計画の始まりだった。

第1話の感想

『朝鮮弁護士カン・ハンス~誓いの法典~』第1話は、痛快な法廷劇の幕開けを感じさせる、引き込まれる展開でした。主人公カン・ハンスは一見金儲け主義の軽薄な男に見えますが、その裏に緻密な計算と熱い正義感を隠し持っていることが徐々に明らかになり、今後の展開への期待が高まります。

特に印象的だったのは、法廷シーン。カン・ハンスが巧みな弁舌と法の知識を駆使して、弱者を救う姿はまさに痛快。彼がどのように不利な状況を覆していくのか、手に汗握る展開に目が離せませんでした。また、放火という手段を選んだ彼の真意が明かされる場面では、彼の複雑な内面が垣間見え、単なるヒーローではない人間味を感じさせます。

一方、イ・ヨンジュ公主は正義感あふれる女性として描かれています。身分を隠して民衆を助けようとする彼女の行動は、王や役人たちの無関心さと対比され、より一層彼女の誠実さが際立っていました。カン・ハンスとの出会いを通して、彼女がどのように成長していくのかも見どころの一つです。

つづく