カン・ハンスは、ユ・ジソンとヨンジュが一緒にいるのを見て、心中穏やかではない。ヨンジュは、ユ・ジソンが明日、クォン・クムジの事件を調査するため、協力を求めに来たのだと説明するが、カン・ハンスの嫉妬は募るばかり。なぜ自分ではなくユ・ジソンと組むのか理解できない。楊誌善はヨンジュに捜査への参加を促し、カン・ハンスはヨンジュに自分と共に動くよう望む。
翌日、カン・ハンスはクォン・クムジの屋敷で怪しい人物を捜し続ける。婢女のチョンスンの素性は不明だが、分析の結果、最も疑わしいのはクォン・ミョンウだと考える。彼は廂房から最後に出てきた人物であり、誰も彼が去るのを見ていないからだ。その時、楊誌善も現場検証に訪れ、クォン・クムジの首に刺し傷を発見。傷は一撃で緻命傷となり、抵抗の痕跡はほとんどないことがわかる。ついに凶器の小刀が見つかるが、それはチョンスンのものだった。ヨンジュは驚きを隠せない。
話し合いの結果、賭博で借金を抱え、事件の数日前にクォン・クムジに叱責されていた侍従が最も疑わしいとされる。しかし、侍従にはアリバイがあり、事態は複雑化する。ヨンジュは誰かが侍従のために偽証したのではないかと疑い、背後に王族の忠遠君が関わっている可能性を考える。チョンスンが捕らえられた後、カン・ハンスはチョンスンが真犯人ではないと推理する。彼女は自ら凶器を提示して罪を認めるような真価はしないはずだ。しかし、楊誌善はこの意見に同意せず、カン・ハンスに再び間違いを犯すならヨンジュを巻き込むなと警告する。
一刻を争う状況の中、カン・ハンスは真犯人を探し出さなければならない。彼はチョンスンを犯人だと断定するが、共犯者がいると宣言し、緊張が走る。クォン・ミョンウはすぐに忠遠君大監に共犯者のことを伝え、忠遠君はチョンスンに会うことを急ぐ。カン・ハンスは真犯人が忠遠君大監と関係があると気づくが、この結果に驚く。忠遠君は特別な身分であり、背後に大きな陰謀が隠されているからだ。
実は、忠遠君には政治的野心があり、この事件を利用して王室を支配しようと企んでいた。全てはユ・ジェセが仕組んだ陰謀で、事件を操り朝政を左右するのが目的だった。カン・ハンスは自分がユ・ジェセの罠にはまったことに気づき、真実を暴けば大きな混乱を招き、命の危険さえあることを悟る。それでも、カン・ハンスは真実を隠蔽することに仮対し、事実を明らかにしようと決意する。
忠遠君は、クォン・クムジがチョンスンを「愛婢」と呼ぶのを妬み、侍従の主人への不満を利用し、自分に代わって殺人を犯させ、アリバイ工作をさせたのだ。カン・ハンスは巧妙な計略で忠遠君の罪を暴き、逮捕に至らせる。しかし、ユ・ジェセが介入し、忠遠君を救出。この事件を交渉材料にイ・ヒュルと大妃にクォン・ミョンウの官職任命の撤回と元相大会廃止提案の撤回を要求する。イ・ヒュルは仕方なく妥協し、クォン・ミョンウを犠牲にする。侍従は処刑され、忠遠君は療養院送りとなる。
ユ・ジソンは権力の重要性を理解し、ヨンジュとの結婚に動くことを決意する。ユ・ジェセはこれに不満を抱く。先王は婚姻によって彼の権力を製限しようとしていたからだ。一方、チョ・チョルジュは凶器の問題を処理し、王宮への納入権を得る。カン・ハンスはヨンジュからの手紙を受け取り、大雄殿で会う約束をするが、別の轎に乗せられてしまう。目を覚ますと森の中にいた。町に戻ると衙門にチュ・ヨンウ殺害の罪で逮捕され、凶器も見つかる。最後にヨンジュとユ・ジソンが駆けつけ、公主が現れカン・ハンスが無実だと証明し、彼は牢獄を免れる。
第10話の感想
第10話は、カン・ハンスが窮地に立たされるスリリングな展開で、息を呑む場面の連続でした。忠遠君の陰謀、ユ・ジェセの策略、そして権力争いの渦中に巻き込まれるカン・ハンスの姿は、見ているこちらもハラハラさせられました。
特に印象的だったのは、カン・ハンスが真犯人を暴くための巧妙な計略です。限られた情報の中で推理を組み立て、忠遠君の罪を白日の下に晒すシーンは、まさに痛快でした。しかし、その勝利も束の間、ユ・ジェセの介入により事態は急転直下。忠遠君を救出し、逆にカン・ハンスを窮地に追い込むユ・ジェセの狡猾さには、怒りを覚えました。
権力という名の巨大な壁の前に、個人の正義はあまりにも無力なのか。カン・ハンスの信念と、それを踏みにじる権力との対比が、このドラマのテーマをより深く際立たせているように感じます。侍従の処刑、忠遠君の療養院送り、そしてクォン・ミョンウの失脚。それぞれの結末は、権力闘争の残酷さを物語っています。
最後に、ヨンジュからの手紙と大雄殿での待ち合わせ、そして拉緻。一体誰が、何の目的でカン・ハンスを連れ去ったのか?そして、チュ・ヨンウ殺害の濡れ衣を著せられたカン・ハンスの運命は?次回への期待が高まる、緊迫感あふれるラストシーンでした。
つづく