宮殿を後にしたカン・ハンスは、泣き止まない子供を抱えたチュサルに出会う。チュサルから、兄の雨殺と荒地を開墾し、小作農から抜け出そうと誓った過去を聞く。しかし、開墾は過酷で、チュサルは逃げ出し、雨殺は足を負傷しながらも作業を続けた。

ところが、収穫間近の土地を元大韓に狙われる。元大韓は先に開墾したと偽り、土地を奪おうとする。結果、雨殺は命を落とし、妻は牢獄に入れられてしまう。元大韓の提出した文書が偽造だと確信したハンスは、チュサルのために戦う決意をする。ハンスの挑戦を受けた元大韓は、ユ・ジェセに助けを求める。ユ・ジェセはハンスの証人の家族を捕らえ、証言を変えさせようと圧力をかける。

ハンスがユ・ジェセと戦うと聞いたイ・ヨンジュは心配し、ユ・ジェセの元へ行き、彼の注意を逸らそうとする。しかし、ユ・ジェセはハンスも家に呼び、ヨンジュ、ハンス、そしてユ・ジソンを同席させ、三人で話をするように仕向け、その隙に偽造文書の日付を改ざんする。

ハンスはヨンジュの以前の嘘が原因で、彼女と激しい言い争いになる。日付が変更されていることに気付いたハンスだが、諦めずにチュサルを励まし、奮起を促す。チュサルの苦労を理解するため、ハンス自ら荒地を開墾し、息を切らし、怪我を負う。ヨンジュがチュサルに土地を内需司に売却し、小作農に戻ることを提案したのを聞き、ハンスは再びヨンジュと対立する。

実は、ハンスは訴訟を諦めたふりをし、夜間にチュサルたちに指示を出し、土地を元の状態に戻させた。元大韓に自分で開墾させようと考えたのだ。自分の土地を見に来た元大韓は、そこが池になっているのを見て土地を諦める。ハンスの策略に全く気づいていない。苦労なく土地を取り戻したチュサルはハンスに感謝し、兄の子にハンスと名付けると言い、ハンスは苦笑する。

ヨンジュは陰ながらハンスを心配するが、彼女の好意はハンスに届かない。一方、カン・ウンスも兄の様子を気にしているが、兄だと名乗り出る勇気はない。

第12話の感想

第12話は、カン・ハンスの弁護士としての成長と、彼を取り巻く複雑な人間関係が描かれた見応えのあるエピソードでした。特に印象的だったのは、ハンスが弱者のために戦う強い意誌と、そのために知略を尽くす賢さです。偽造文書の改竄を見破りながらも、正面からぶつかるのではなく、土地を池に戻すという奇策を用いて元大韓を退ける展開は痛快でした。一見すると飄々としたハンスですが、緻密な計算に基づいて行動していることが窺え、彼の弁護士としての力量が改めて示されました。

また、このエピソードでは、ハンスと周囲の人々との関係性も深く掘り下げられています。イ・ヨンジュとの衝突は、互いを思いやるが故のすれ違いであり、二人の関係の複雑さを浮き彫りにしています。ヨンジュの立場も理解できるだけに、二人のぎくしゃくした関係がもどかしく感じられました。さらに、妹のカン・ウンスの存在も気になるところです。兄を思いながらも、名乗り出ることができないウンスの葛藤は、今後の展開に大きく影響していくのではないでしょうか。

つづく