第5話では、ユ・ジソン、ヨンジュ、そしてカン・ハンスの三人が中心となり、物語が展開します。同時に、勲旧派と腐敗官吏の秘密がさらに明らかになります。
ユ・ジソンはヨンジュが民間の訴訟に関わっていることを知り、それが邸下との関係に影響することを心配します。ヨンジュは民衆を助け続けたいと思っていますが、かつての婚約のこともあり、ユ・ジソンは放っておくことができません。提調大人が自殺に見せかけて殺されたことを知ったユ・ジソンは、自分の父親が関わっているのではないかと疑います。ユ・ジェセは冷静に、提調は死ぬべきだったと言い、提調が勲旧派にとって不利な情報を知っていたことを示唆します。しかし、カン・ハンスは提調の死で復讐の喜びを感じません。真の黒幕はまだ捕まっていないと感じているからです。
捜査の中で、カン・ハンスとトンチは提調の家を捜索し、提調が勲旧派の不正資金洗浄の鍵となる人物だった可能性があること、そして以前ユ・ジェセに濡れ衣を著せようとした玉龍の包みを見つけます。さらに調べると、玉龍は清山県監から来ていることが分かります。真相を究明するため、カン・ハンスとヨンジュは暗行御史に扮して清山県監を訪ね、玉龍を餌に県監の信頼を得て、パク・ヨインが賄賂を渡した人物の一人であることを暴きます。
清山で、カン・ハンスは過去の家族との生活を思い出し、今は廃墟となっている故郷を嘆きます。同時に、二人はヨンシルがパク・ヨインを殺害した事件に遭遇します。現場検証から、カン・ハンスは強い恨みによる殺人だと判断します。ヨンシルは、パク・ヨインに陥れられ、夫を亡くした経緯を語り、命をかけて復讐することを決意したと明かします。この状況に、カン・ハンスはヨンシルの弁護を引き受け、無罪放免にすると約束します。国法では殺人には死をもって償うのが鉄則であるにも関わらず。しかし、村人たちは訴訟を支持しません。さらなる冤罪で生活がさらに苦しくなることを恐れているからです。
事態は転機を迎えます。ヨンシルが妊娠していることが分かると、彼女は逃げるのをやめ、子供のために自由に生きてほしいと、法に立ち向かうことを決意します。一方、カン・ハンスとヨンジュたちは村で村人たちに拒絶され、縛り上げられますが、ホンおかみに助けられます。裏長はカン・ハンスの正体に気づき、ヨンシルの事件に関わるなと警告します。そして、もしカン・ハンスが村を去れば、彼の父親に関する重要な情報を教えると告げ、証拠として玉龍についていた赤い珠を渡します。
第5話感想
第5話は、陰謀渦巻く展開に息を呑む、見応えのあるエピソードでした。特に印象的だったのは、カン・ハンスの正義感と、彼が抱える過去の傷の対比です。復讐心から弁護士になった彼が、真の正義とは何かを模索し、苦悩する姿が胸を打ちます。提調の死の真相、そして玉龍を巡る不正…次々と明らかになる事実は、物語に深みを与え、今後の展開への期待を高めます。
清山での出来事は、このドラマの根底にあるテーマを浮き彫りにしました。権力者による不正、虐げられる民衆、そしてその中で抗う人々の姿。ヨンシルの悲痛な叫びは、当時の社会の闇を象徴しているかのようでした。カン・ハンスは、国法と正義の間で葛藤しながらも、ヨンシルのために戦うことを決意します。彼の強い信念と優しさに触れ、改めて彼の弁護士としての成長を感じました。
また、ユ・ジソンとヨンジュの関係性も注目すべき点です。二人の間には、過去の婚約という複雑な事情があり、それが二人の行動に微妙な影を落としています。ヨンジュの民衆を助けたいという純粋な気持ちと、ユ・ジソンの彼女への複雑な想いが交錯し、今後の展開にどう影響していくのか、目が離せません。
つづく