第6話、ヨンシルは夫、ソ・チャンスの死の真相を明らかにするため、県衙に訴え出る決意をする。当初、県監は取り合おうとしなかったが、ホン尚宮の存在に押され、渋々ヨンシルの訴えを聞くことに。一方、カン・ハンスは裏長から、村を出て行けば真実を教えると持ちかけられるも、裏長のような人間になりたくないと、ヨンシルの訴訟を助けることを選ぶ。

真相究明のため、カン・ハンスとトンチはソ・チャンスの遺体を掘り起こし、検死を行う。緻命傷は胸にあることが判明。その後、カン・ハンスは漢陽の役人に事件を監督させるよう手配し、県監に正式な受理を迫る。県監は裏長にヨンシルを“消す”ことを提案するが、失敗に終わる。

カン・ハンスは事件の分析を始め、親の仇討ちは認められるものの、殺人事件の判決権は王にあると指摘。暴行犯が実際にソ・チャンスを殴打した事実、そして事件の発端がパク・ヨインの流言蜚語であることを証明する必要がある。トンチは暴行犯の一人を懐柔しようと試みるが、効果は薄い。ユ・ジソンは提調殺害の犯人が捕まったと聞き、兵を率いて現れる。

カン・ハンスは、裏長が事件をもみ消そうとして駅騎を襲わせたと推測し、ヨンシルが危険にさらされていると気づく。案の定、裏長はヨンシルを連れ去り私刑を加えようとするが、カン・ハンスが間一髪で阻止する。裏長は村の掟だと主張するが、カン・ハンスはなぜパク・ヨインには行動を起こさないのかと問いただす。そして、裏長がヨンシルの苦境を無視し、村民が八卦話に興じているだけで、公正な判断をしていないことを暴く。チェ・ジェシクの名前を出した時、彼の妻が慌てて否定したことで、真犯人が間接的に明らかになり、カン・ハンスの心理作戦が成功する。

到著したユ・ジソンはヨンシルを許すことなく、関係者全員を拘束し、再捜査を開始する。実はこれは、カン・ハンスが手紙でユ・ジソンを呼び寄せ、公正な人物の協力を得るための作戦だった。ユ・ジソンはカン・ハンスを唯一信頼できる人物と考え、提調殺害事件の捜査継続を約束する。

ユ・ジソンとカン・ハンスは県監を問い詰め、ヨンシルの訴えを無視した理由を追求。県監はパク・ヨインから賄賂の玉龍を受け取り、事実を隠蔽しようとしていたことを自白し、これが決定的な証拠となる。県監は逮捕され、事件はユ・ジソンによって朝廷に報告される。最終的に、殿下はカン・ハンスの報告とヨンジュの嘆願を受け、ヨンシルが妊娠中であることを考慮し、子の成人まで罪を問わないという公正な判決を下す。

カン・ハンスは拘束された裏長を訪ね、裏長の息子、クァンシクが殿下への書状を運ぶ役目を担っていたこと、そしてある日書状が奪われ、カン・ヨノンシクが賄賂の濡れ衣を著せられたことを知る。裏長は再び沈黙を選ぶことを恐れている。放火犯については、裏長は誰なのか知らないと答える。

王宮では、イ・ヒュルが2通の詔書について言及する。1通は清山県の役人、ソン・ジュンソクの提調への昇進に関するもので、ユ・ジェセが殺人事件に関する詔書を隠蔽した可能性を示唆している。イ・ヒュルはこれを交換条件に、新しい提調の人選をユ・ジェセに要求する。

カン・ハンスは一人で実家に戻り、深い悲しみに暮れる。ヨンジュは酔って一人になったカン・ハンスを見つけ、カン・ハンスは彼女に「公主」と呼びかけ、家族を守れなかったことを謝罪する。この光景を見て、ヨンジュはカン・ハンスがどれほど辛い思いをしてきたかを理解する。

第6話の感想

第6話は、カン・ハンスの弁護士としての成長と、彼が抱える深い苦悩が描かれた、非常に重厚なエピソードでした。事件の真相究明のため、遺体の掘り起こしや検死を行うなど、手段を選ばないカン・ハンスの強い意誌が印象的でした。また、心理作戦を用いて真犯人を追い詰めるシーンは、彼の知略の鋭さを改めて感じさせました。

特に印象的だったのは、裏長との対峙です。村の掟を盾にする裏長に対し、カン・ハンスは鋭い洞察力で矛盾を突き、真実に迫っていきます。このシーンは、単なる事件解決だけでなく、不正を許さないカン・ハンスの強い正義感も描かれており、彼の魅力を改めて認識させられました。

一方、事件解決の裏で描かれるカン・ハンスの個人的な苦悩も胸を締め付けます。家族を失った悲しみ、そしてヨンジュへの謝罪のシーンは、彼の心の傷の深さを物語っています。事件解決の喜びとは裏腹に、彼の表情には拭いきれない影が落ちており、今後の展開がますます気になります。

つづく