ユ・ジェセは密かにチュ・ヨンウを殺害した。宮廷では、イ・ヒュルが元相大会の横暴な人材登用と腐敗に怒り、その廃止を決断する。意外にもユ・ジェセは仮対せず、辞任の意まで示す。大臣たちは元相を擁護し、チュ・デソンとチュ・ヨンウの事件の展開があまりにも早く、ユ・ジェセが動く暇もなかったため、彼とチュ・ヨンウの間に私的な繋がりはなかったと主張する。しかし、イ・ヒュルはそれを信じず、ユ・ジェセを朝廷から追放するのは容易ではないことを理解しており、今回の行動はユ・ジェセの権力が揺るぎないものではないことを示すための第一歩に過ぎないと考えている。

イ・ヒュルはユ・ジェセ自身に追放の理由を作らせる計画を立てる。ウンスは酒場で忠遠君を誘惑するが、これは実は誰かの指示によるものだった。翌日、チュ・ヨンウの遺体が発見され、カン・ハンスはすぐにユ・ジソンを疑うが、より親しい人物も調査すべきだと示唆する。同時に、ユ・ジソンはカン・ハンスに所願閣から早く立ち去るよう警告し、カン・ハンスは緊張するが、結局は杞憂に終わる。

ユ・ジソンから現状の敵の強大さを聞かされたヨンジュは、解雇を受け入れる。ユ・ジソンは事態収束後に再会を約束する。カン・ハンスはイ・ヒュルに近づくため、大きな事件を探して訴えようとするが、うまくいかない。しかし、イ・ヒュルの方からカン・ハンスに近づき、友好的に友達になろうと提案し、カン・ハンスを驚かせる。

イ・ヒュルは司県府の役人がクォン・ミョンウの新任提調への任命を延期するように要請したことを話す。クォン・ミョンウの兄、クォン・クムジが殺害され、クォン・ミョンウが最大の容疑者となっているためだ。この事件はイ・ヒュルの威信を落とすための意図的なものと思われた。カン・ハンスは分析し、イ・ヒュルの意図はクォン・ミョンウを真犯人にしてはならないことだと理解する。その後、カン・ハンスは宮廷に出入りできる令牌を手に入れる。

イ・ヒュルはカン・ハンスと接触後、より安心感を持つ。ヨンジュはイ・ヒュルに、カン・ハンスに頼るのではなく、彼を守ってほしいと願う。カン・ハンスの存在はユ・ジェセの勢力を弱めるために重要であり、イ・ヒュルにも民を守る君主となる可能性がある。カン・ハンスはイ・ヒュルがどのように自分が会いたがっていることを知ったのか疑問に思う。

チュ・ヨンウ殺害の凶器は現在、チョ・チョルジュの手元にある。これはユ・ジェセが彼に処理を指示したものだ。一方、カン・ハンスとトンチはクォン・クムジの死を調査するため現場へ向かう。彼らは権夫人が夫の死に冷静すぎることに気づき、また、長工がチョンスンの証言で侍従の不審な点を指摘する。侍従は煙草の匂いがするが煙草は吸わない。これは彼が賭場に行った可能性を示唆するが、彼の不在証明と矛盾する。

ヨンジュはユ・ジソンが所願閣を支援する慈善家の一人であることを発見し、彼に特別な感情を持つ必要はないと伝える。ユ・ジソンがヨンジュへの手紙を燃やそうとして手を火傷した際、ウンスが駆け寄り、二人の過去における主従関係が明らかになる。ユ・ジソンはヨンジュへの想いを自覚し、たとえヨンジュを利用してユ・ジェセを揺さぶることになっても、彼女を助け続けると決意する。二人のやり取りをカン・ハンスが目撃する。

第9話の感想

第9話は、宮廷内の権力闘争が激化し、様々な陰謀が渦巻く展開に息を呑みました。イ・ヒュルのユ・ジェセ排除の計画が著実に進んでいるように見えつつも、ユ・ジェセのしたたかさと底知れぬ怖さが際立ち、今後の展開が全く読めません。特に、チュ・ヨンウ殺害を密かに実行し、それを隠蔽しようとする周到さは恐ろしい限りです。イ・ヒュルはユ・ジェセを追い詰めるために巧妙な罠を仕掛けていますが、ユ・ジェセもまた一枚上手である可能性を捨てきれません。

カン・ハンスは、クォン・クムジの事件を通してイ・ヒュルに近づき、宮廷内部の陰謀に深く関わっていくことになります。イ・ヒュルとの友情を深めながらも、彼はどのような選択をするのでしょうか。また、ヨンジュとユ・ジソンの関係、そしてそれを目撃したカン・ハンスの仮応など、それぞれの登場人物の感情の揺れ動きも丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。特に、ユ・ジソンがヨンジュへの想いを自覚するシーンは印象的で、彼の今後の行動が気になります。

つづく