ソ・ヨンミンは普通のタクシー運転手。心優しく、困っている人を助けようとする性格だが、生活は苦しく、高齢の祖母を介護しながら、重い住宅ローンを抱えている。最近、銀行から月末までに2000万元の利息を支払わなければ家が競売にかけられると通告された。
ある深夜、借金返済のため、ソ・ヨンミンは働き続けていた。女の幽霊の扮装をした乗客グループを乗せた後、また別の「女幽霊」が乗車してきた。同じ悪ふざけだと思ったソ・ヨンミンは降りるように言ったが、その「女幽霊」はなんとドアをすり抜けて出て行った。明らかに人間ではない。ソ・ヨンミンは恐怖で気を失ってしまう。目を覚ますと、女幽霊はソ・ヨンミンから離れず、彼は困惑する。
翌日、車内に女幽霊がいるため、乗客は皆、車に乗ると腹痛を訴え、誰も乗ってくれなくなった。一日中客を拾えず焦ったソ・ヨンミンは、女幽霊に料金を払うか消えるかの選択を突きつける。しかし、女幽霊は記憶喪失で、自分が誰なのか、どこに行くべきなのかも分からず、ソ・ヨンミンは頭を抱える。
顔なじみのト医師を病院の救急室へ送る途中、ソ・ヨンミンは母の事故を思い出し、落ち込む。女幽霊はソ・ヨンミンとト医師の関係が気になり、病院の中を見ようとするが、車から離れられないことに気づく。ソ・ヨンミンは女幽霊が暗闇を怖がることに気づき、遠くではなく家の前の明るい場所に車を停める。この行動に女幽霊は感謝する。
次の日、女幽霊はソ・ヨンミンの仕事の手伝いを始める。しかし、今度は男の幽霊が乗客として現れる。ソ・ヨンミンは最初は怒るが、男幽霊の助けで車内から大量の金の指輪を見つけ、指示通り病院へ行き、ある子供の治療費を支払う。お礼として、子供から金の指輪を一枚もらう。
その後、また別の幽霊が乗車し、ソ・ヨンミンに2000万元払うので願い事を葉えてほしいと言う。女幽霊はソ・ヨンミンに幽霊専門のタクシー運転手になれば借金返済ができると提案し、ソ・ヨンミンはその提案に心が揺らぐ。
物語は進み、ソ・ヨンミンはこの未知の世界に足を踏み入れるべきか悩む。女幽霊は新たな仲間となり、共に様々な試練に立ち向かうことになる。幽霊専門のタクシー運転手になれば、多くの困難と未知の出来事が待ち受けていることをソ・ヨンミンは覚悟する。しかし同時に、今の苦境を脱するチャンスでもあると気づく。女幽霊の存在は厄介な仮面、思いがけない助けや支えとなっている。ソ・ヨンミンは、日々の仕事と新たな役割のバランス、そして自身の安全と利益を守る方法を考え始める。同時に、女幽霊の記憶を取り戻し、彼女が自分の居場所を見つけられるようにと願う。
第1話感想
「デリバリーマン ~幽霊専門タクシー始めました~」第1話は、不思議な世界への入り口を垣間見せる、魅力的なスタートを切りました。主人公・ソ・ヨンミンの置かれた状況は、重すぎる借金と家族への責任に押しつぶされそうな、現実的な苦しさに満ちています。しかし、そんな彼の人生に突如現れた「女幽霊」の存在が、物語に非日常的な彩りを添え、視聴者の心を掴みます。
幽霊を乗せるタクシー運転手という奇抜な設定でありながら、ソ・ヨンミンの優しさや誠実さが、幽霊たちとの交流を通して丁寧に描かれています。金儲けに目がくらむのではなく、困っている人を助けたいという彼の純粋な思いは、幽霊にも人間にも向けられています。特に、記憶喪失の女幽霊に対する彼の態度は、最初は戸惑いながらも、徐々に彼女を受け入れ、共に困難を乗り越えようとする温かさを感じさせます。
また、幽霊の存在によって、ソ・ヨンミンの過去や内面も少しずつ明らかになっていく点も興味深いです。ト医師との関係や、亡くなった母親への思いなど、彼の抱える背景が、物語に深みを与えています。
つづく