ト・ギュジンはソ・ヨンミンの前で携帯電話を破壊し、カン・ジヒョンの失踪にソ・ヨンミンは深く悲しみます。その後、ト・ギュジンは警察に逮捕され、怪我をしたソ・ヨンミンは病院へ搬送されます。カン・ヒョンスは悲嘆に暮れるソ・ヨンミンを、昏睡状態のカン・ジヒョンが入院している別の病院へ連れて行きます。ソ・ヨンミンはカン・ジヒョンの傍らで付き添い、やがて彼女は目を覚まします。
警察の取り調べに対し、ト・ギュジンは全ての容疑を否認します。そこへキム・ヒヨンが現れ、全ての罪は自分とキム・ジョンウによるものだと自首し、ト・ギュジンの身代わりとなります。その後、キム・ヒヨンは獄中で自殺し、事件は幕を閉じます。
何食わぬ顔で病院に戻ったト・ギュジンですが、カン・ジヒョンが生きており、大薫病院に移送されたことを知ります。口封じのため再びカン・ジヒョンを殺害しようとしますが、ソ・ヨンミンが間一髪で守り、彼女は無事でした。計画が露見することを恐れたト・ギュジンは、ユン・ソリを人質に取って車で逃走します。しかし、ソ・ヨンミンの卓越した運転技術により追いつかれ、自殺を図ろうとするト・ギュジンを止めます。ソ・ヨンミンは、ト・ギュジンには生きて罪を償うべきだと主張します。
実は、意識を取り戻したカン・ジヒョンはすぐにソ・ヨンミンだと気づき、二人は共謀してト・ギュジンを罠に嵌めました。再び逮捕されたト・ギュジンは、獄中で毎日、幽霊に復讐される恐怖に怯える日々を送ります。回復したカン・ジヒョンは警察に復職し、ソ・ヨンミンとの仲も深まり、二人はよくデートをするなど甘い時間を過ごします。
ソ・ヨンミンはカン・ジヒョンと共に清潭洞花公子を訪ね、母の魂について尋ねます。手がかりを辿るうちに、ソ・ヨンミンは母がある場所で自分を待っていることに気づきます。そして、かつて食事の約束をした場所に行くと、そこには母の彷徨う魂がありました。ソ・ヨンミンとカン・ジヒョンはキム・ジンスクと共に食事をし、母に別れを告げます。ソ・ヨンミンが彼女を連れて家に帰ると、祖母は大喜びします。
ソ・ヨンミンは今でも時々幽霊を見ますが、もう恐れることはありません。彼はカン・ジヒョンと共に、無念を晴らし、正義を果たすことを誓います。
第12話の感想
「デリバリーマン~幽霊専門タクシー始めました~」の最終話、第12話は、様々な感情が渦巻く、感動的な結末を迎えた。これまで数々の幽霊たちの無念を晴らしてきたソ・ヨンミンと、彼を支え続けてきたカン・ジヒョンの関係性が、ついに恋人として結実したことが何より嬉しかった。事件解決のため、時には命の危険に晒されながらも、互いを信じ、共に困難を乗り越えてきた二人の姿は、真の愛と勇気を示していたと言えるだろう。
特に印象的だったのは、ト・ギュジンの逮捕劇。自身の罪を認めず、最後まで悪あがきを続ける彼の姿は、人間の弱さと愚かさを象徴しているようだった。一方で、キム・ヒヨンの自己犠牲には、複雑な感情を抱かざるを得ない。彼女の行動は決して許されるものではないが、そこには歪んだ愛情と罪悪感が垣間見え、人間の心の奥深さを改めて感じさせられた。
最終的に、ソ・ヨンミンは母の魂と再会し、心からの別れを告げることができた。このシーンは、本作のテーマである「癒し」と「救済」を強く印象づけるものだった。幽霊たちの無念を晴らすだけでなく、ソ・ヨンミン自身もまた、過去のトラウマから解放され、新たな一歩を踏み出すことができたのだ。