丸刈りの恋愛

ストーリー

26歳、幼稚園の先生として働くジユルは、人生のまさにこれからという時に脳腫瘍が再発。一年前に手術を受けたものの、再び病魔に襲われ、生きる希望を失っていました。そんな彼女が、全てを剃り落とした頭にウィッグも被らず、絶望の淵に沈んでいた時、ペク・チファンという青年と出会います。

チファンは容姿端麗で社交術にも長けた青年。ある販売ノルマを達成するため、ジユルが勤める幼稚園の園長に接近し、その過程でジユルと知り合います。当初、チファンにとってジユルは園長に取り入るための手段でしかありませんでした。

しかし、ジユルと接するうちに、彼女の心の優しさ、病気と闘う強さ、そして病魔に侵蝕される苦悩や悲しみを目の当たりにし、チファンの心は揺れ動きます。彼女への同情は、いつしか深い愛情へと変わっていきます。チファンはジユルのために、彼女がずっとやりたかったけれどできなかったことを一緒にしようとします。海を見に行ったり、夜の街を散歩したり…。ジユルもまた、チファンとの触れ合いの中で、忘れかけていた温もりや喜びを感じ、閉ざしていた心を開いていきます。二人の距離は急速に縮まっていきました。

やがて、チファンにとってジユルは、もはや仕事上の取引相手でも、同情の対象でもなく、心から守りたい、幸せにしたいと願うかけがえのない存在となります。ジユルもまた、残された時間が少ないことを知りながらも、チファンへの愛を募らせていきます。二人は限られた時間の中で、たくさんの思い出を共有し、人生の喜びも悲しみも分かち合い、かけがえのない時間を過ごします。

しかし、幸せな時間は長くは続きません。ジユルの病状は悪化の一途を辿ります。チファンは最後までジユルに寄り添い、励まし続けましたが、最期の時が訪れます。チファンはジユルの手を握りしめ、二人は互いの瞳を見つめ合います。そこには、深い愛情と別れの悲しみが溢れていました。ジユルは静かに息を引き取り、チファンの腕の中で永遠の眠りにつきます。

ジユルの死は、チファンの人生観を大きく変えました。かつては外見や物質的な豊かさを重視していた彼が、命の尊さ、愛の力、そして本当に大切なものに気付かされます。ジルへの想いを胸に、チファンは新たな人生を歩み始めた。そして、より意味のある人生を送ろうと決意する。

登場人物

ユ・ジユル(カン・ヨンジョン): 若くして脳腫瘍を患った26歳の幼稚園教諭。1年前に手術を受けたものの再発し、模範的で前向きだった人生に絶望していた。そんな彼女の人生に変化をもたらしたのが、チファンとの出会いだった。

ペク・チファン(キム・ジョンヒョン):端正なルックスと社交性を武器に生きる青年。ジユルとの出会いをきっかけに、彼女を利用しようとしていた気持ちが憐れみに変わり、やがて愛情へと発展していく。愛によって人生が大きく変わっていく様を描く。