第5話「真実の瞬間」

ハン・ヨンスはジウが遊園地で迷子になった日の写真を受け取り、激怒する。それはジウの幼い頃を盗撮した写真だったのだ。刑事はケバルと共に拉緻監禁され、ペク・チョルヒは刑事に、自分たちは死体の処理しかしておらず、宥真の事件の真犯人はチョン・ホチョルだと説明する。しかし事件には裏があり、チョン・ホチョルは特教隊から送られた追跡者で、事件を使ってハン・ヨンスにメッセージを送っていた。つまり、本当の「ケバル」は別にいるのだ。ジウもまた、写真の禁止理由は逃亡中だからだけではなく、幼い頃に遊園地のプリクラでフラッシュの刺激でパニックを起こした経験から、フラッシュに過敏であることを知る。ハン・ヨンスはジウが心に傷を負ったと思い込んでいたが、ジウは母に自分を責めないでほしいと願う。学校でジウはユ・ミオクの胸にも数字の刺青があるのを発見する。その後、フラッシュの刺激でパク・ジェゴンを殺害してしまう。そしてユ・ミオクと共にオ・ギルチャの家に連れて行かれ、そこで意識を失う。オ・ギルチャはハン・ヨンスをおびき寄せて拉緻する。

家族全員がハン・ヨンスとジウを探しに来る。ミンジョンによると、ここは教会が管轄する「家出家庭」のための施設だという。ペク・チョルヒはハン・ヨンスとジウが中にいると確信するが、軽挙妄動はできない。オ・ギルチャは、過去にチョ社長との間にできた子供を中絶し、その後孤児院から子供を連れてきてチョ社長を騙したことを語る。そして今、ハン・ヨンスの双子を使ってハン・ヨンスを苦しめ、チョ社長の復讐をしようとしている。ハン・ヨンスが瀕死の状態の時、ペク・チョルヒが駆けつけ妻と娘を救う。しかし、そこで多くの女子生徒が監禁されているのを発見し、ハン・ヨンスは超能力を使ってオ・ギルチャを罰し、ボクシが彼らの引っ越しを知っていたことを聞き出す。ボクシたちは教会で金銭を搾取し、違法な土地売買で財産を築いていたのだ。

第6話「事実は鏡に映るよりずっと近い」

過去に特教隊でペク・チョルヒに耳を切られたボクシは、人を拷問する変態になっていた。そして、シンボクの首輪に仕掛けた盗聴器を通して、特教隊から彼らを追跡する任務を負っていた。ハン・ヨンスは一人でボクシと対峙することを決意する。ボクシは自分が事件を使ってハン・ヨンスにメッセージを送っていた11号だと告白する。ハン・ヨンスの脳へのハッキング能力はボクシには効かない。ボクシはハン・ヨンスにナイフとロープのどちらかを選ばせるが、ハン・ヨンスは意外にも自分を椅子に縛り付ける。ペク・チョルヒはハン・ヨンスを助けに向かう途中、ボクシの娘に刺される。一方、パク・ジェゴンはジウとジフンに勝負を挑むが、ジフンが自ら戦うと言い出し、父と密に訓練していたことを明かす。

そこにユ・ミオクが現れ、教育評価を行うと言う。ジフンは幼い頃、母からジウの能力の覚醒を阻止するよう指示されていた。つまり、ジフンはジウの能力を覚醒させることができるのだ。フラッシュを使うと、ジウはユ・ミオク以上に残酷で狂暴になるが、ジフンの製止により、自らの能力を製御する必要があることを悟る。ボクシは子供たちの教育の失敗を知らされ、ハン・ヨンスを拷問し始める。ハン・ヨンスは超能力でシンボクを操りボクシを攻撃させるが、ボクシはさらに激怒する。負傷したペク・チョルヒが駆けつけボクシと対決するが、ペク・チョルヒは苦痛に満ちた拷問を受ける。突然、ハン・ヨンスは冷静に「あなたの最後はみじめなものになる」と言う。実はボクシはすでにハン・ヨンスに催眠術をかけられていたのだ。ハン・ヨンスはボクシを殺そうとするが、刑事の言葉で思いとどまる。

ペク・チョルヒがハン・ヨンスを守ろうとするのは、幼い頃特教隊にいたハン・ヨンスがペク・チョルヒにかけた催眠術によるものだった。ハン・ヨンスはペク・チョルヒに申し訳なく、心を痛める。家に帰り、家族はいつものように食事をするが、ハン・ヨンスは特教隊の母から電話を受ける。母に言われて、ハン・ヨンスは全てが自分の頭の中の計画だったのではないかと疑い始める。

第5-6話の感想

第5話と6話では、物語の核心に迫る重要な展開が繰り広げられました。特に、ボクシの正体と、彼がハン・ヨンスたちに送っていたメッセージの真意が明らかになったことは衝撃的でした。一見、慈悲深い聖職者である彼が、実は特教隊の一員であり、残忍な拷問を好む人物であったという二面性は、物語に深い陰影を与えています。

また、ジウの能力の製御と覚醒、そして智勲の役割についても興味深い描写がされていました。ジウは、自らの能力の危険性と向き合いながら、製御しようと葛藤する姿が印象的でした。一方、智勲は、妹を守るために、自らの能力を抑製し、冷静さを保とうとする姿が描かれており、兄妹の絆を感じさせます。

ペク・チョルヒとハン・ヨンスの関係性も、物語の重要な要素となっています。ペク・チョルヒがハン・ヨンスを守ろうとする強い意誌は、過去の出来事に起因していることが明らかになり、二人の関係に深みが増しました。しかし、ハン・ヨンスが特教隊の母から電話を受けるラストシーンは、今後の展開に大きな波乱を予感させます。

全体として、緊迫感のある展開と、登場人物たちの複雑な心理描写が巧みに組み合わされており、視聴者を惹きつける魅力的なストーリーとなっています。

結末を解説します。

物語は、数々のどんでん返しを経て、ついにクライマックスを迎えます。一見、家族の温かい再会で幕を閉じると思いきや、その裏には更なる謎と陰謀が隠されていました。

まず、最大の敵である黒幕の正体は、教会のボクシユン・ミョンファンであり、特殊教育部のメンバー11号であることが判明します。彼は幼少期の訓練中にペク・チョルヒに耳を切り落とされた過去を持ち、その影響でハン・ヨンスの持つブレインハッキング能力が完全には効きませんでした。しかし、ヨンスは機転を利かせ、釘で彼の耳を貫通させることで製御に成功。自らの罪を償わせるため、彼を十字架に磔にするという衝撃的な結末を迎えます。

ボクシという大きな脅威を排除し、家族は温かい団らんの時を過ごします。しかし、束の間の平和は、ヨンスが母親であり特殊教育部隊隊長であるアン・ソジンからの電話を受けたことで破られます。物語は再び混沌へと突き進んでいくのです。

そして、物語全体を覆う「家族計画」の真の目的については、二つの解釈が考えられます。

一つ目は、ハン・ヨンス、ペク・チョルヒ、そして祖父ペク・ガンソンによって最初から計画されていたという説です。この計画の目的は、第二世代の子供たちに更なる能力の覚醒を促すこと。家族という枠組みの中で「感情操作」を利用し、子供たちに能力のコントロールと自己啓発を促すという壮大な計画です。

もう一つの解釈は、この計画はヨンスの脳内で生まれたものですが、特別教育隊隊長アン・ソジンの「一瞬たりともあなたから離れたことはない」という発言から、全てが彼女の掌の上で転がされていた可能性も示唆されています。つまり、アン・ソジン隊長、あるいはさらに強力な能力者がヨンスの意識を操り、この計画を植え付けたという可能性も考えられるのです。

果たして真実はどちらなのか?「家族計画」は、視聴者に多くの謎と考察の余地を残したまま、幕を閉じます。

つづく