運転手ソクウォンは病院で手当を受け、母親とチョン・ハヨンは医師から検査結果を聞きました。ソクウォンは昨夜、血液中のドーパミンが過剰分泌され幻覚を見ていましたが、今朝は回復したとのこと。安心したのも束の間、チョン・ハヨンはキム・ジュンサから応援要請の電話を受けますが、すぐに通話が途絶えてしまいます。

現場は大混乱。スジンは途方に暮れ、多くの人が犠牲になっています。この惨状を見て興奮したヨンジュは階下に駆け下り、郡守は逃げようとしますが、鍵がないことに気づきます。傍らの女性職員が突然発狂し、人を刺したため、郡守は慌てて逃げ出しました。興奮状態のヨンジュは人々を襲い始め、鎌を持った男をハンマーで殺害します。

混乱の中、スジンは正気の人物に助けられ、ホールへ避難します。ホールでドギュンと合流し、皆はなんとか安全を確保。発狂した人物がホールへ入ろうとしますが、ヨンジュが外で倒し、彼もホールへ入ります。ヨンジュは扉を封鎖するよう提案し、郡守も同意。人々は物を積み上げて入り口を塞ぎ始めます。スジンは未だに配達員の幻覚を見て怯え、ドギュンがスジンに触れると、彼女は逃げ出し、過去の記憶、亡くなった娘の姿がフラッシュバックします。

全員の携帯に災害速報が届きます。震えるスジンを郡守が落ち著かせようと、政府からの連絡があれば大丈夫だと励まします。政府は晋陽を災害区域に指定し封鎖。チョン・ギフンとチョン・ハヨンも封鎖線の外に取り残され、何を言っても兵士は通してくれません。

過去の記憶に囚われたスジンは気を失ってしまいます。ヨンジュはスジンも発狂すると決めつけ、殺そうとします。ドギュンはヨンジュの手下と戦い、スジンを守ろうとしますが、多勢に無勢。ヨンジュが木棒でスジンを襲おうとした瞬間、ドギュンは彼に飛びかかり、足を抱えて阻止します。その時、スジンの携帯が鳴り響きます。ヨンジュはドギュンを見て、攻撃の手を止めます。ドギュンが電話に出ると、相手はチョン・ギフンでした。チョン・ギフンの声を聞いたチョン・ハヨンも電話を代わり、郡守とも話します。電話を切った後、チョン・ハヨンはチョン・ギフンに、車があれば村へ入れる裏道を知っていると伝えます。

ヨンジュは雨に濡れた人間は発狂すると言い出し、彼らを拘束するよう指示します。郡守は弱腰でヨンジュに従い、ヨンジュが実質的なリーダーとなります。ドギュンは雨に濡れた人々が次々と縛られていく様子を目の当たりにします。

第3話の感想

第3話は、緊迫感と不気味さが増し、物語が大きく動き出したと言えるでしょう。冒頭、ソクウォンの幻覚症状を通して、この異常事態がただの事件ではないことが改めて示唆されます。ドーパミンの過剰分泌という科学的な説明が、逆に不気味さを増幅させている点が巧妙です。

そして、晋陽での惨劇は目を覆うばかり。人々が次々と発狂していく様子は、まさに地獄絵図です。特に、鎌を持った男とハンマーを持ったヨンジュの対峙シーンは、暴力的な描写ながらも、異様な興奮と狂気を孕んでおり、強く印象に残ります。

スジンの視点を通して描かれる恐怖も効果的です。彼女は、ただただ混乱し、怯え、過去のトラウマに苛まれる姿が痛々しい。配達員の幻覚が繰り返し現れることで、彼女の精神状態が限界に達していることが見て取れます。

一方、チョン・ギフンとチョン・ハヨンは封鎖線の外で足止めを食らい、もどかしさが募ります。外部との連絡が絶たれた晋陽は、完全に孤立無援の状態。この閉鎖空間の中で、人々は疑心暗鬼に陥り、事態はさらに悪化していくことが予想されます。

ヨンジュの台頭も不気味です。彼は混乱に乗じてリーダーシップを発揮しようとしますが、その方法は恐怖と暴力による支配。郡守の弱腰な態度も相まって、晋陽はまさに独裁政権下に置かれたかのようです。

最後に、ドギュンの勇気ある行動には胸を打たれます。多勢に無勢ながらも、スジンを守ろうとする彼の姿は、この絶望的な状況における一筋の光と言えるでしょう。今後の展開で、彼がどのように活躍するのか、期待が高まります。

つづく