チョン・ハヨンはチョン・ギフンに鬼仏の処理を任せ、ドギュンの元へ向かう。ドギュンは既に外へ出ようとしていたが、チョン・ハヨンに呼び止められ、匕首で母親を刺そうとする。揉み合いになり、チョン・ハヨンはドギュンを押さえつけ、頭に銃を突きつける。
一方、チョン・ギフンは目を閉じ、鬼仏の目に触れながら、水に浸した雑誌をその目に貼り付ける。その後、鬼仏の額にチベット文字を刻み、イルジュに終わったことを告げ、目を開ける。鬼仏の呪いは解け、チョン・ハヨンとドギュンの目は正常な色に戻り、チョン・ギフンは妻の姿を見る。彼はスジンを抱きしめ、名前を呼ぶ。その時、火災の影響でスプリンクラーが作動し、鬼仏の目に貼られた雑誌が剝がれ始める。チョン・ギフンはスジンに鬼仏の目を見るなと叫び、目を覆いに行こうとするが、自分もその目を見てしまう。
回復したばかりのチョン・ハヨンとドギュンの目は再び変色する。チョン・ハヨンは残った理性で銃を捨て、自分とドギュンの手を手錠で繋ぐ。ドギュンの脳裏には、かつてヨンジュとバイクに乗っていた時の記憶が蘇る。母親に率いられた警察に追われ、バイクが転倒。ヨンジュと共に逃げるも、再び母親に見つかり、ヨンジュが母親を刺して逃走する。母子は取っ組み合いになり、倒れ込む。
チョン・ギフンは幻覚を見始める。正気に戻ったスジンは、彼の目の色が変わったのを見て、幻覚を見ていることに気づく。チョン・ギフンの携帯からイルジュの声が聞こえ、スジンは自ら鬼仏の目を覆うことを決意する。彼女は鬼仏の目を覆っていた経文の布を裂き、自分の目に当て、残りの雑誌で鬼仏の目を覆い始める。もう少しで覆い終わるという時、チョン・ギフンが駆け寄り、スジンの喉を掴む。幻覚の中で、彼はスジンと喧嘩をしていたのだ。揉み合ううちに、ハヨンがチョン・ギフンにプレゼントした録音人形が壊れ、ハヨンの声が流れる。スジンはチョン・ギフンを車から突き落とし、自分も降りる。鬼仏の像は車に覆いかぶさり、地下室へ落下する。
その後、全員が正気に戻る。ドギュンは自分が刺した母親を見て後悔し、母子は抱き合う。我に返ったチョン・ギフンとスジンも抱き合い、娘の声を聞く。録音人形は鬼仏の像の上に落ちて消滅し、像は粉々に砕ける。
チョン・ギフンとスジンはチベットへ行くことを決意し、YouTubeチャンネルを開設して不思議な出来事を探求することにする。
一年後、二人は荒涼としたビニールハウスの中で、正体不明の死体を発見する。
第6話の感想
「怪異」最終話となる第6話は、息詰まる緊張感と感動的な結末が交錯する、見応えのあるエピソードでした。呪いの解明、家族の再生、そして新たな旅立ちという、これまでの伏線が回収されつつも、新たな謎を残す終わり方は、視聴者に深い余韻を残します。
特に印象的だったのは、スジンの勇敢な行動です。愛する夫と娘を守るため、自らの危険を顧みず鬼仏に立ち向かう姿は、母としての強さを改めて感じさせました。また、幻覚の中でさえも家族への愛を叫び続けるハヨンの存在も、物語に温かさを添えています。
一方で、呪いが解けた後のあっけない解決や、一年後の新たな謎の提示は、やや駆け足な印象も否めません。もう少し丁寧に描写することで、より深い感動と恐怖を与えられたのではないでしょうか。しかし、全体としては、怪異というテーマを通して人間の弱さと強さ、そして家族の絆を描き切った秀作と言えるでしょう。