映画好きの兄コ・ジュンの影響で、レンタルビデオ屋の大家さんのもとで映画漬けの幼少期を過ごしたコ・ギョム。ある日、演技は下手くそなのに俳優になることを決意する。
一方、映画監督を目指したものの成功しなかった父を持つキム・ムビ。父は彼女よりも映画を愛し、彼女は自分の名前も映画に関する全てのものも嫌っていた。
しかし、高校生の時に父が亡くなり、父の映画を見たムビは、そのあまりのひどさに驚き、「こんな駄作に人生を捧げたなんて、どれだけ哀れなのか父に見せつけてやる」と、監督になることを決意する。
コ・ギョムはムビに出会い、一目惚れする。エキストラとして働く現場で、いつもムビの存在が際立って見える。ムビもまた、明るく気さくな性格で誰からも好かれるコ・ギョムの異質さに気づくが、話しかけられたり、親切にされたりするのを嫌がり、「私は性格に問題がある」と冷たく突き放す。
コ・ギョムの幼馴染であるホン・シジュンとソン・ジュアは恋人同士。シジュンは歌手になる夢を追いかけながら、レンタルビデオ屋を閉めた大家さんの新しい事業を手伝っている。それに触発されたジュアも、脚本家になる夢を目指す。
コ・ギョムは兄コ・ジュンと今でも仲が良く、一緒に映画を見る“映画の日”を大切にしている。
時が経ち、コ・ギョムとムビは何度も偶然出会う。友人の結婚式で、ウェディングビデオグラファーとして働くコ・ギョムは、ムビと再会する。その後、地方ロケで他のスタッフと共にバスに乗り遅れた二人は、二人きりになる。ムビは最高の恋愛映画を撮りたいとコ・ギョムに語る。帰りの道中、コ・ギョムはムビが父の死に関する悪夢にうなされていることに気づく。
撮影最終日、コ・ギョムはムビに話しかける記者を見かける。それは、父の葬儀の日にムビに近づいてきたのと同じ記者だった。
打ち上げで、コ・ギョムは一人で外で煙草を吸うムビを見つける。彼は初めてムビを笑顔にすることに成功する。彼女は、人が去っていく時の失望を避けるために、他人と距離を置いていると告白する。そして二人はキスを交わす。ちょうどその時、ジュアはシジュンに別れを告げる。
エピソードの最後は、水中に沈んでいく車と共に、コ・ギョムが彼女を去ったというムビのナレーションで幕を閉じる。
第1話の感想
「恋するムービー」第1話は、映画のような出会いから始まるも、どこか不穏な空気を漂わせるラストシーンで幕を閉じ、今後の展開に期待を抱かせるエピソードでした。
コ・ギョムとムビ、二人の主人公の対比が印象的です。映画を愛し、明るく誰からも好かれるコ・ギョムと、映画を憎み、心を閉ざしたムビ。正仮対の二人が惹かれ合う様子は、まるでロマンチックコメディの王道です。コ・ギョムの純粋な想いと、ムビの素直になれないツンデレな態度は、見ているこちらをキュンとさせます。
しかし、ムビの過去や、ラストシーンの彼女の言葉、そして水中に沈む車は、この物語がただの甘い恋愛ものではないことを予感させます。彼女の父親の死、そして記者との関係など、謎めいた要素が散りばめられており、今後の展開が非常に気になります。
脇を固めるシジュンとジュアの物語も、今後の展開にどう関わってくるのか注目です。夢を追いかける二人の姿は、コ・ギョムとムビの物語と重なり合い、共感を誘います。二人の関係の変化が、コ・ギョムとムビにどのような影響を与えるのか、見逃せません。
つづく