物語は、美食家で腕のいい職人でもある弘文館の副手、ラ・イオンが主人公。ひょんなことから科挙に合格し状元となった彼は、おばあ様に無理やり科挙を受けさせられたという過去を持つ。ある日、暗行御史が行方不明となり、後任選びが始まる。新人の自分は選ばれないだろうと思っていたラ・イオンだったが、他の役人たちが「病気」「妻の妊娠」「祖父の死」など、様々な言い訳で次々と辞退したため、面倒な役目が彼に回ってきてしまう。おまけに、家僕のユクチルとクパルまでもが、あの手この手でラ・イオンとの出巡を避けようとする。

仕方なく聖旨に従い、都に近い場所への出巡を祈るラ・イオン一行だったが、配属先はなんと遠い忠清道。落胆する一行は、せめてもの慰めに、美食探訪の旅だと自分に言い聞かせながら旅に出る。忠清道へ向かう途中、ラ・イオンは渓流で水を飲むが、その直後、ユクチルとクパルが同じ川で足を洗い、物を洗っているのを見て、飲み込んだ水を吐き出しそうになる。

一方、キム・ジョイは役所に赴き、夫との離婚を求めるが、姑に邪魔されてしまう。夫が賭博好きである証拠をつかむため、友人のビリョンに証人になってもらおうとするが、ビリョンは裁判に現れず、川で死体となって発見される。ラ・イオン一行は、ビリョンが営んでいた食堂に著くが、店は閉まっており、ビリョンが溺死したことを知る。当初は事件に関わるつもりはなかったラ・イオンだが、キム・ジョイが役所の門前で訴えるのを見て、事態が尋常ではないと感じ、調査に乗り出す。その後、前任の暗行御史の死体も発見され、事件はますます複雑さを増していく。

第二話では、ビリョンの遺品を燃やしていたキム・ジョイが、家の外で物音を聞き、ラ・イオン、クパル、ユクチルの姿を見つける。彼らを貴族のふりをする詐欺師だと勘違いし、三人を懲らしめてしまう。その後、彼らが本当に都から来た役人だと気づき、家の中に招き入れ、食事を用意する。実はキム・ジョイは、役人に離婚訴状の書き直しを手伝ってもらおうと考えていたのだ。ラ・イオンは身分を隠すため、クパルに役人のふりをさせる。そのため、キム・ジョイはクパルにご機嫌取りをする。

クパルが主人気取りでラ・イオンに説教をしていると、ラ・イオンが不満を漏らし、キム・ジョイに平手打ちを食らってしまう。ラ・イオンは驚き、仕返しをしようと立ち上がった際に天井の梁に頭をぶつけて倒れてしまう。キム・ジョイは同情したような目でラ・イオンに「あら、この病気は重症みたいね!」と言い放ち、ラ・イオンは怒り心頭する。

その後、キム・ジョイはビリョンの燃やされた遺品の中から役所の印が押された帳簿を見つけ、守令に取引を持ちかける。離婚を認めれば帳簿を返すというのだ。守令が離婚を宣告しようとしたその時、白い服を著たラ・イオンが暗行御史として登場する。守令が牢屋に入れられると聞き、離婚が認められないことを恐れたキム・ジョイは、慌てて止めに入る。

ラ・イオンもキム・ジョイの登場に驚くが、役人としてキム・ジョイの離婚を成立させる。思いがけない助け舟に、キム・ジョイはラ・イオンへの印象を変える。事件の捜査が進むにつれ、ラ・イオンとキム・ジョイはビリョンの死の真相、そして背後に隠された官僚の腐敗に気づき始める。二人は協力し、幾重にも重なった謎を解き明かし、正義の道を進んでいく。

『御史とジョイ~朝鮮捜査ショー~』第1-2話 感想

『御史とジョイ~朝鮮捜査ショー~』の第1-2話は、軽快なコメディとシリアスな事件捜査が絶妙に絡み合い、視聴者をあっという間に物語の世界へ引き込む魅力的なスタートを切りました。

主人公のラ・イオンは、ひょんなことから暗行御史という重責を担うことになった美食家で、どこか抜けているようで鋭い観察眼を持つ憎めないキャラクターです。玉澤演のコミカルな演技が光り、ラ・イオンの飄々とした雰囲気と真面目な一面のギャップが面白さを増幅させています。

一方、夫との離婚を望むキム・ジョイは、明るく行動的な女性として描かれています。金恵奫の溌剌とした演技は、芯の強さを持つキム・ジョイというキャラクターにぴったりです。ラ・イオンとの出会いは最悪でしたが、徐々に信頼関係を築いていく二人の今後の展開に期待が高まります。

物語は、コミカルなシーンで笑いを誘いつつ、ビリョンの死というミステリアスな事件を軸に展開していきます。前任の暗行御史の死体も発見され、事件は想像以上に複雑な様相を呈してきました。ラ・イオンとキム・ジョイ、正仮対の性格を持つ二人がどのように事件の真相に迫っていくのか、今後の展開が非常に楽しみです。

つづく