嵐の前の静けさ

母との会話の後、キム・ジョイは火薬の取引記録を燃やすか、調査のために御史に渡すか悩む。彼女はドクボンを守りたい一方で、母の関与についても真実を知りたいと思っていた。

記録を火にくべたジョイだったが、すぐに考えを変え、火中から記録を取り出し、イオンに渡した。

出発前、イオンはジョイに料理を振る舞うことを申し出る。ジョイは喜んで受け入れ、共に料理の準備をする。ユクチルとクパルは、再び楽しそうなイオンの姿を見て、自分たちも二人だけの時間を楽しむことにした。

食事の後、イオンとジョイは満天の星空の下で語り合う。ジョイはイオンに様々な星座を指し示しながら教えていく。

権力に目がくらんで

翌日、パク・テソ、パク・ドス、チャ・マルチョン、チ・メンスの尋問が始まる。イオンはシム・テソンと共に尋問を指揮し、王が見守る中、まずはマルチョンから情報を得ようとする。証人としてビリョンを呼び、苦痛への恐怖と真実から逃れられない状況の中、マルチョンは自らの罪を告白する。

しかし、マルチョンが更なる情報を明かそうとしたその時、パク・スンが現れ、イオンとテソンを驚かせる。彼らは王自身がパク・スンを釈放したことを知り、王がパク・スン側についていることを悟る。

その瞬間、マルチョンはパク・スンの罪と、自身がそれに加担していたことを認める。彼は漢陽の亭に隠した証拠の存在を明かす。

イオンは、パク・スンを捕らえるための更なる証拠を集めるため、尋問を中断することを決意する。そして、王太子殺害へのパク・スンの関与を王に納得させようとする。

二人の護衛がマルチョンを連れ、証拠の隠し場所へ案内させる。しかしマルチョンは、その二人がパク・スンに送り込まれた刺客であり、記録を奪い、自分を始末するために来たのだと気付く。

この事件の後、イオンは激怒し、パク・スンの屋敷へ詰め寄る。しかしそこで、王が息子の死に関与している可能性があることを知り、愕然とする。パク・スンは、王が王太子を妬み、「弱い」自分を感じ、王太子の治世が自分の治世を超えることを恐れていたことを明かす。

第12話の感想

第12話は、嵐の前の静けさと、権力に翻弄される人々の姿が印象的な回でした。イオンとジョイの穏やかな星空のシーンは、今後の波乱を予感させるようで、切ない美しさがありました。二人の関係性が深まっている様子が丁寧に描かれており、見ているこちらも心が温まりました。

しかし、その穏やかな時間は長くは続きません。パク・スンの登場により、物語は一気に緊張感を増していきます。王がパク・スンを釈放したという事実は、イオンにとって大きな衝撃だったでしょう。権力という巨大な壁の前に、イオンの正義は試練の時を迎えます。

マルチョンの尋問シーンは、緊迫感に満ち溢れていました。ビリョンの登場や、パク・スンの突然の出現など、息つく暇もない展開に目が離せませんでした。マルチョンが真実を語る中にも、保身のために情報を隠そうとする狡猾さが見え隠れし、人間の複雑な心理が巧みに描かれていました。

つづく