数週間、ソヌとジュニョンの関係は、ジュニョンが卒業まで今の学校に残ることを決めたことで、より親密になっていました。息子の選択を、ソヌは全力で支えます。彼女にとって、ジュニョンが周りの噂に耐える勇気は賞賛に値するものでした。
一方、ジュニョンは父・テオへの複雑な感情を抱え、部屋で父との写真を眺めながら、全てを断ち切るように写真を消すべきか迷っていました。しかし、心の奥底では、まだ父への想いを捨てきれませんでした。
ある日、ソヌはジュニョンの服を買うためデパートへ行き、そこで偶然にもヘガンの母親に会います。かつて子供同士のトラブルで気まずくなっていた二人ですが、この再会で過去のわだかまりを解き、和解することができました。一方、ジュニョンは喬伊と図書館へ行き、これからの勉強に備えて参考書を選んでいました。
夜、家に帰ったジュニョンは、母が買ってくれた服を著て、「今度からは自分で服を買う」と冗談を言います。そして、来週から学校へ行くことを告げ、ソヌを安心させます。息子の安全のため、ソヌはジュニョンの送り迎えをすることにします。ある日の帰宅後、ソヌは差出人不明の手紙を受け取ります。中には、家族写真が破られたものが同封されていました。このことで、ジュニョンはソヌがテオと連絡を取っていると誤解し、家族に緊張が走ります。
一方、ジェヒョクは、イェリムに拒絶されたことで一人でバーへ行き、酒に溺れます。そこで、テオの姿を見かけたような気がしますが、追いかけても結局見つけることはできませんでした。この一件で、ジェヒョクとイェリムは一時的に距離を置きますが、イェリムからジェヒョクへの想いが伝えられ、二人は仲直りします。
時が経ち、ソヌはジュニョンと共に、イェリムとジェヒョクの再婚を祝うパーティーに出席します。パーティーでは皆が笑顔で、ミョンスクたちもソヌとジュニョンのコサンでの生活の再出発を祝福します。しかし、遠くから彼らを見つめる謎の人影が…それは、イ・テオでした。ソヌは彼の存在をなんとなく感じますが、確信は持てません。
その後、テオはこっそりジュニョンを連れ出し、ソヌをひどく不安にさせます。ソヌが二人を見つけると、テオはジュニョンに伝えたいことがあったと説明し、やり直すチャンスを乞います。ソヌは関係を整理するため、テオを食事に誘いますが、復縁を考えているわけではないことをはっきりと伝えます。両親の複雑な関係に、ジュニョンは深く悲しみます。
最後に、テオは自殺未遂を起こしますが、一命を取り留め、ジュニョンとソヌから離れることを決意します。一年後、それぞれが新しい生活に適応しようと努力していました。テオは仕事を探し、ソヌは医療の仕事を続けながら息子の帰りを待ち、イェリムは一人で小さな店を切り盛りし、ジェヒョクには新しい恋人ができ、ダギョンは学校生活に少しずつ戻っていました。
そして何より、ソヌは家出していたジュニョンとの再会を果たします。それは、息子の帰還であると同時に、ソヌ自身の救いでもありました。彼女は、夫婦の問題はどちらか一方のせいではなく、二人で向き合い解決していくべきだと理解したのです。
第16話の感想
『夫婦の世界』もついに最終話。様々な感情が渦巻く、重厚な結末でした。ソヌとジュニョンの親子の絆、そしてそれぞれの登場人物の再生への道のりが丁寧に描かれていたと思います。
特に印象的だったのは、ジュニョンの苦悩です。両親の離婚、そして再婚、周囲の目…思春期の少年にとってどれほどの負担だったか想像もつきません。父との写真を消そうとするも踏み切れず、最終的に家出を選んでしまうジュニョンの姿は、胸が締め付けられるようでした。それでも、最終的に母親の元へ戻ってきたことは、希望を感じさせるラストでした。
全体を通して、このドラマは単なる復讐劇ではなく、人間の弱さや脆さ、そして再生への希望を描いた作品だったと感じます。