暗い田舎道を、5人の子供が恐怖に追われながら逃げ 惑っていた。地元で「狂犬」と呼ばれる危険な存在から逃げるため、必死に走っていたが、1人の子供が車道に飛び出し、車にはねられ命を落としてしまう。残りの子供たちは、1人は逃げ続け、2人は草むらに隠れて難を逃れた。

2022年1月5日、ペク・ジウンの20歳の誕生日。両親が祝いの準備をしていたが、帰宅途中のペク・ジウンは黒服の男に拉緻され、殺害されてしまう。父親は「遅くなる」というメッセージを受け取ったきり、連絡が取れなくなった。

10日後の1月15日、ペク・ジウンの遺体は河原のゴミ袋の中から発見された。担当刑事のリュ・ソンジュンは、監視カメラのない場所で犯行が行われたこと、遺体が丁寧に置かれていたことに疑問を抱く。検死の結果、滑らかな棒で縛られた痕跡があり、外傷はなかったが、顔には鋭利な刃物で傷つけられていた。ペク・ジウンが最後にメッセージを送信した場所は自宅近くだったが、付近の監視カメラは壊されていた。リュ・ソンジュンは配達員のドライブレコーダーの映像を入手し、ペク・ジウンの友人から、事件当夜、ナイトクラブでパーティーをしていたが、22時過ぎにVIP客に絡まれ、刃物で脅されたため、早めに解散したことを知る。

リュ・ソンジュンはナイトクラブへ行き、VIP客の情報を探る。もう1人の友人、クォン・ユナは無事だったが、リュ・ソンジュンは保護者のチョ・ウンギに注意を促す。逮捕されたVIP客にはアリバイがあり、麻薬所持で逮捕されるにとどまった。事件は兄のリュ・ソンフン判事が担当することになり、被告側の弁護士である前部長判事は個人的な関係を使って判決に影響を与えようとするが、リュ・ソンフンは応じない。このことがきっかけで、リュ・ソンジュンは暴力行為の疑いで訴えられる。

家族の集まりで、リュ・ソンジュンは家族の心配をよそに上の空だった。家族との間に距離を感じているようだった。母親がリュ・ソンフンの手を握る姿を見て、リュ・ソンジュンは嫉妬心を覚える。家族はリュ・ソンジュンに、保健福祉部長官候補のナ・グッキに迷惑をかけないようにと釘を刺す。リュ・ソンフンは弟に、かつては暴力的な性格が心配だったが、警察官になったのは運命なのかもしれないと語る。翌日、リュ・ソンジュンはペク・ジウンの母親から、「チョンさん」という刃物を使うのが得意な人物がいることを聞くが、父親のペク・ムンガンは詳細を語ろうとしない。ペク・ムンガンは特殊部隊出身で、「希望食品」という会社を経営しており、その場所はペク・ジウンの遺体発見現場の近くにあった。

リュ・ソンジュンは希望食品へ行き、「チョンさん」について尋ねる。従業員たちは緊張した様子を見せる。退社後、ある従業員がチョンさんにリュ・ソンジュンの訪問を伝える。リュ・ソンジュンはチョン・マンチュンが捜していた人物だと確信し、ドライブレコーダーの映像を証拠として入手する。チョン・マンチュンは取調べで犯行を否認し、国民参与裁判を申請する。武英警察署の同僚たちは、チョン・マンチュンが有罪になると考えているが、チョン・マンチュンは何かを企んでいる様子だった。食堂のおばさんが裁判所から陪審員候補の通知を受け取る。他の候補者たちにも通知が届き始める。

裁判当日、9人の陪審員が選出される。チョン・マンチュンは、ペク・ムンガンから賃金を支払われず、不当な扱いを受けていたため、ペク・ジウンを脅迫したと主張する。陪審員たちはペク・ジウンの母親の悲しみに同情する。チョン・マンチュンは、事件当時、他に人がいて、ペク・ジウンは車の中に侵入したと主張する。その車はリュ・ソンジュンが運転していたという。この発言にペク・ムンガンは動揺する。物語はここから、更なる展開を迎える。

第1話の感想

韓国ドラマ「ブラインド」第1話は、息つく暇もない緊張感と謎めいた展開で、視聴者を一気に物語の世界へと引き込みました。冒頭の子供たちの逃走シーンは、これから始まる物語の不穏さを予感させ、強い印象を残します。ペク・ジウンの無残な死は悲劇的であり、犯人への怒りと事件の真相への渇望を掻き立てます。

リュ・ソンジュンという刑事は、正義感に燃える一方で、どこか粗暴な面も持ち合わせている複雑なキャラクターとして描かれています。兄のリュ・ソンフンとの関係性も、今後の物語の重要な鍵となりそうです。事件の背後には、様々な思惑が絡み合い、単純な復讐劇では終わらない予感が漂います。「チョンさん」と呼ばれる謎の人物、そしてペク・ジウンの父親の不可解な言動など、散りばめられた伏線が今後の展開への期待を高めます。

特に印象的なのは、事件現場の状況と犯人の行動です。監視カメラのない場所を選んで犯行を行い、遺体を丁寧に置くという犯人の行動は、単なる衝動的な犯行ではないことを示唆しています。そして、チョン・マンチュンが国民参与裁判を申請するなど、法廷劇としての要素も加わり、物語はますます複雑さを増していきます。

つづく