リュ・ソンフンは行動を起こし、リュ・イルホに電話をかけ、その会話をリュ・ソンジュンに聞かせました。電話で、リュ・ソンフンは別荘の写真と希望福祉院事件について単刀直入に尋ねました。リュ・イルホは写真を確かに受け取ったことを認め、事件への関与を語り始めました。希望福祉院の事件後、院長から緊急の呼び出しを受け、別荘へ行ったこと、そこで院長とヨム署長から、もし自分たちに何かあれば、ナ・グッキを巻き込むと脅されたことを明かしました。虐待事件を知ったナ・グッキは証拠隠滅を指示し、口外を禁じ、ペ・チョルホの告発番組も阻止しました。リュ・ソンフンがリュ・イルホの性接待について言及すると、リュ・イルホは否定せず、20年間リュ・ソンフンを育てたことが償いだと主張し、激怒したリュ・ソンフンはリュ・イルホに発砲(未遂)。これは、リュ・ソンフンがリュ・イルホを法で裁くため、そしてリュ・ソンジュンを呼び寄せるための行動でした。

その後、リュ・ソンフンは警察署に連行され、ウンギはリュ・ソンジュンに、ペ・チョルホがナ・グッキとヨム署長に唆されて殺害されたことを示す動画を見せ、リュ・ソンジュンに衝撃を与えました。ウンギは事件の真相を公表するよう提案。翌日、ウンギは動画を公開し、リュ・ソンジュンは手がかりからヨム署長が雇った殺し屋を見つけ、ペク・ムンガンの手下だと判明。携帯の録音はヨム署長の殺人教唆の証拠となりました。ナ・グッキはリュ・ソンジュンに隠蔽を依頼しますが、リュ・ソンジュンは他人を踏み躙って得た成功は間違いだと諭し、逮捕しました。

ウンギは拘置所でリュ・ソンフンに、なぜ自分を殺さなかったのか、ユナを殺害した理由など、彼の殺人の基準を問いました。リュ・ソンフンは、アン・テホが死亡した日、ユンジェが計画の場所を勝手に変更したせいでアン・テホが死んだこと、ユンジェが面白半分でやったことに不満だったと説明。ユナの死も含め、自分の製御を超えた出来事を悔やんでいました。しかし、ウンギは何があっても殺人は許されないと言い切ります。一方、リュ・ソンジュンは仕事に没頭し、チャールズはユンジェがペク・ムンガンと心中しようとしていることに不安を感じていました。そして、二人は激しい衝突の末、共に命を落とします。

知らせを受けたリュ・ソンフンは悲嘆に暮れ、ユンジェとの兄弟愛を思い出し、自殺を図りますが、一命を取り留めます。リュ・ソンジュンは病院で兄の自傷痕を見て、彼の心の苦しみを知ります。それでも、罪を償うために生きてほしいと願いました。チャールズも店で服毒自殺をし、ユンジェとの写真を持っていました。ウンギは福祉院の被害者だった子供に会い、彼は真相解明への協力を申し出ます。被害者が声を上げなければ、加害者を助けることになるからです。リュ・ソンジュンは事件が陪審製で審理されることを知らされます。

パク弁護士はリュ・ソンフンの弁護人となり、福祉院の虐待の実態を明らかにしました。リュ・ソンフンはチョ・インスクからユンジョンの死を知らされて復讐を決意したと告白。ウンギの母は希望福祉院が少女を性接待に利用していたことを証言しますが、チョ・インスクは恐怖から当時真実を明かせなかったと語り、彼女自身も強姦の被害者でした。証人として出廷したリュ・ソンジュンは事件の経緯と両親の関与を説明し、被害者は復讐したくもなるが、殺人は許されないと述べました。

最終弁論で、リュ・ソンフンは陪審製を申請したのは復讐の正当化や減刑のためではなく、罪を告白し希望福祉院の真実を明らかにする最後の手段だと述べ、関係者に謝罪しました。リュ・ソンフンは無期懲役の判決を受けます。記者会見でウンギは被害者遺族を代表し、加害者の処罰より、隠れた被害者の発見と支援、そして国家賠償の必要性を訴えました。国賠にはリュ・ソンジュンがナ・グッキの公権力乱用を証明する必要があります。リュ・ソンジュンは刑務所のリュ・ソンフンに面会し、過去を乗り越え、心の自由を得て生きてほしいと伝えました。ウンギは弱者支援を続け、リュ・ソンジュンは20年前にウンギのような大人がいれば、子供たちの運命は変わっていたかもしれないと考えます。

最終回 第16話の感想

「ブラインド」最終回は、重く、そして考えさせられる結末でした。すべての真相が明らかになり、それぞれのキャラクターの運命が決定づけられる中、正義とは何か、復讐とは何かを深く問いかけるような余韻を残しました。

リュ・ソンフンの取った行動は、復讐という名の私刑であり、決して許されるものではありません。しかし、彼が背負ってきた過去、そして希望福祉院で行われてきた非人道的な行為の数々を知ると、彼の苦悩と絶望に胸が締め付けられます。彼が法廷で語った言葉は、単なる自己弁護ではなく、真実を明らかにしたいという切実な願いであり、その叫びは視聴者の心に深く突き刺さりました。

一方、リュ・ソンジュンは兄の罪を憎みながらも、心のどこかで救いを求めているようにも見えました。事件の真相を追う中で、彼自身もまた、過去の傷と向き合うことになり、その葛藤は見ていて辛いものがありました。

ウンギの存在は、この暗い物語の中で一筋の光のようでした。彼女は最後まで正義を貫き、弱者のために戦い続けました。彼女の強い意誌と行動力は、希望を失いかけた人々に勇気を与え、未来への希望を繋ぐ役割を果たしたと言えるでしょう。

最終的に、リュ・ソンフンは無期懲役という判決を受けますが、真の救済は彼自身の中にあるのではないでしょうか。過去を乗り越え、心の自由を得ることができるのか、それは今後の彼自身にかかっています。

このドラマは、単なるサスペンスドラマではなく、社会の闇を浮き彫りにし、人間の弱さと強さを描いた秀作でした。視聴後も様々な感情が渦巻き、考えさせられる、そんな重厚な作品でした。

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