11号は警察から希望福祉院に戻され、希望福祉院の倉庫(事実上の刑場)で酷い暴行を受ける。しかし、ちょうど施設長の妻が妊娠中で、縁起を担ぎ11号は解放される。11号は他の子供たちに警察がグルだと告げるが、既に脱走計画を立てており、皆で逃げ出す約束をする。

一方、リュ・ソンジュンは目を覚ますが、家族は彼に警察を辞めるよう説得する。ナ・グッキの証言が上手くいったという家族の明るい会話とは裏腹に、ソンジュンの心は沈んでいた。

チョ・ウンギは病院でリュ・ソンフンと出会い、ソンジュンが彼の弟だと知る。そして、チョン・マンチュンに襲われた件でソンフンが自分を責める必要はないと伝える。ウンギはソンジュンの病室にあった果物ナイフを見て恐怖を覚え、ソンジュンは彼女にトラウマ治療を勧める。前回の事件でペク・ムンガンに脅されたチョン・マンチュンは、黒幕がチョン・ユンジェだと自白し、ペク・ムンガンは地下鉄のロッカーからチョン・マンチュンとユンジェの通話記録が入ったUSBを発見する。自宅に戻ったウンギは依然として恐怖に怯え、母親は仕事を休むよう勧めるが、ウンギはユナをはじめとする子供たちのことが心配で、仕事に戻る決意をする。過去の自分とユナを重ね合わせていた。

ペク・ムンガンはヨム署長にチョン・ユンジェを探すよう依頼し、過去に署長が別荘で少女に手をかけた事実を盾に脅迫する。その頃、犯人は署長の孫にパンとヤクルトを与え、署長を恐怖に陥れる。リュ・ソンフンは4月14日の夜に返信がなかったヨム・ヘジンに電話をかけるが、既に何者かに追われており、連絡が取れなくなる。程なくして、ヘジンの遺体が発見される。警察は、彼女のSNS最後の投稿に「ピエロ殺人事件 陪審員」というタグが付いていたことを確認する。リュ・ソンジュンはチョン・マンチュンから、自分がヘジン殺害の犯人ではない証拠として、チョ・ウンギ監禁事件を挙げる。4月14日の夜11時50分頃から翌朝5時までウンギを監禁していたため、ヘジン殺害は不可能だという。しかし、チョン・マンチュンは何やら心に抱えている様子だった。

リュ・ソンジュンは、ペク・ジウン事件の内容を知っていて、ヘジンに最後に接触した可能性のある陪審員たちに疑いの目を向ける。警察は陪審員たちの当日の行動を調査する。リュ・ソンジュンがクォン・ギョンジャに話を聞くと、彼女はまるで何かに取り憑かれたように、ソンジュンの知らない一面を語り始める。チョ・ウンギは、ヘジンと帰宅途中、暴走バイクの若者と遭遇したことを思い出す。その若者は「夜中に肌を露出して歩く女は消すべきだ」と恐ろしい表情で言い放っていた。二人は恐怖を感じ、ヘジンは先にタクシーを降りた。

リュ・ソンジュンは運転手、チェ・スンギルの車のトランクから黒い羽織を発見するが、ドライブレコーダーは盗まれたという。チェ運転手は無実を訴え、ヘジンが公園で誰かに会う約束をしていたため、そこで降ろしたと証言する。ソンジュンは運転手の手に大きな蜘蛛の刺青があることに気づく。ナ・グッキは「あの子」を見る度に「あの場所」を思い出し、自分が「彼」を連れ帰ったことが正しかったのかと自問する。リュ・ソンフンは警察の捜査から模倣犯の可能性を指摘されるが、彼はチョン・マンチュンがペク・ジウンを殺していない可能性を考え始める。そして、チョン・マンチュンに真犯人を捕まえるため、もし本当に彼が犯人でないなら判決を無効にすると言明する。

追い詰められたチョン・マンチュンは、犯人を見たが顔は分からず、チョン・ユンジェという人物と取引していたことを隠していたと告白する。そして、リュ・ソンフンに真犯人を見つけるよう促す。リュ・ソンフンはソンジュンを疑い始め、彼の車を調べると、ヘジンのイヤリングが見つかる。ソンジュンは動じることなく、血の付いたヘジンの付け爪を手に持っていた。

第3話の感想

「ブラインド」第3話は、息詰まる展開で視聴者を釘付けにしました。前回からの謎が深まる一方で、新たな謎も提示され、ますます物語の核心に迫る緊張感が高まっています。

特に印象的なのは、11号の脱走劇と、リュ・ソンジュンを取り巻く状況の変化です。虐待を受けながらも生き延びようとする11号の姿は痛々しく、彼の必死の抵抗が今後の展開にどう影響するのかが気になります。また、家族から警察を辞めるよう説得されるリュ・ソンジュンの苦悩も胸を締め付けます。真実を追い求める彼の正義感と、家族の幸せを願う気持ちの板挟みになる姿は、彼の葛藤をより深く描き出しています。

そして、事件の真相に少しずつ近づきつつあるペク・ムンガンの捜査も目が離せません。チョン・ユンジェという新たな人物の登場により、事件はさらに複雑化し、誰が真犯人なのかますます分からなくなってきました。

また、各キャラクターの心理描写も秀逸です。トラウマに苦しむチョ・ウンギ、娘を心配する母親、そして真犯人を追うリュ・ソンフン。それぞれのキャラクターが抱える葛藤や苦悩が丁寧に描かれており、感情移入せずにはいられません。

つづく