ジェイのモノローグから物語は始まる。社会はなぜ男女の欲望を異なる目で見るのか?彼女は問いかける。歴史的に男性は妾を持ち、若くして父親になることも珍しくなかった。しかし、女性の性欲は未だタブーとされている。

チェ・ギョンは、幼い頃から常に早熟で、表現できない思いを抱えていた。幼少期から、常に一番であることに執著していた。学校のトップの生徒をやっと追い抜いたと思った矢先、ジェイが現れた。ジェイは頭が良いだけでなく、人気者だった。皆が彼女を好きだった。小学校時代、ギョンは初めて好きな男の子に出会った。一緒にいるのが楽しいと思える男の子だった。特別な感情を抱いていた。しかしある日、彼はジェイに電話番号を尋ねた。その瞬間、ギョンの心は砕けた。彼女は過激なコンテンツを消費し始め、個人情報を使って製限サイトにアクセスするようになった。それは現実逃避だった。しかし、ある時から、見ているコンテンツではなく、ジェイを想像するようになった。怒りがこみ上げてきた。彼女は心の中で、ジェイの首を絞めている自分の姿を想像した。

一方、スルギは衝撃的な発見をする。ジェイが寝ている間に、彼女の携帯電話をチェックしたのだ。そこで見たものは、彼女を言葉を失わせるものだった。ジェイはスルギの個人情報を集めていたのだ。誰も知りえないような詳細な情報まで。スルギの父親が教師であること。彼女が子供の頃に失踪した時のポスターまで。ジェイは一体どこまで彼女の過去を掘り下げたのだろうか?同時に、チェ・ギョンは別の秘密を調べていた。ジェイの父親が関わった医療訴訟について。医師の殺人事件。医療過誤スキャンダル。

しかし、ジェイは既に数歩先を行っていた。彼女はスルギの携帯電話にGPS発信機を仕掛けていた。スルギがトイレに入った瞬間、ジェイは彼女の居場所を正確に把握していた。学校に著いたジェイはすぐに異変に気付いた。スルギが彼女を避けている。いつもの温かさが消え、冷たく、距離を置いている。その日、キム・ナリという転校生がやってきた。ジェイはスルギに話しかけようとしたが、スルギは気づかないふりをして無視した。代わりに、ナリに一緒に挨拶をしようと提案した。ジェイは同意した。

授業中、ジェイとチェ・ギョンは同じ点数を取った。しかし、スルギは二人よりも良い点数だった。彼女の点数は素晴らしく、先生は彼女の自叙伝を絶賛した。しかし、そこで事件が起こる。スルギの答案用紙が盗まれたのだ。彼女は探したが、どこにも見つからない。そして、さらに悪いことが起こった。誰かが彼女の自叙伝をコピーし、教室の全ての機の上に置いていたのだ。ジェイは激怒し、教室中を駆け回り、コピーを全て回収した。スルギは彼女をじっと見ていた。そして、ジェイを脇に連れて行った。「なぜそんなに怒っているの?」と彼女は尋ねた。「私は怒ってさえいないのに。」

スルギはジェイに、彼女が過去について情報を集めていた証拠となる写真を見せた。そして、動画が再生された。ジェイがナリを殴り、その様子を録画している動画だった。彼女はナリを脅し、ナリが麻薬を使っていたこと、いつでも暴露できると言った。ナリは恐怖でひざまずいた。スルギはショックでジェイを見つめた。「あなたは全て知っていたのね」とジェイは言った。「そして、私を試したかった。」「私に怒らないで。私はあなたのためにやったのよ。」彼女は、ナリがかつてスルギをいじめていたことを説明した。スルギの声は落ち著いていたが、彼女の目は怒りに燃えていた。「じゃあ、なぜ私の過去の情報があなたの携帯にあったの?」

第5話 感想

「善意の競争」第5話は、息詰まるような展開で、視聴者を画面に釘付けにした。スルギがジェイの秘密を探り始めることで、二人の間の緊張感が最高潮に達する。ジェイの完璧な仮面の下に隠された冷酷な一面が明らかになり、物語は新たな局面を迎える。

ジェイが集めた個人情報は、彼女の支配欲と他人を操る狡猾さを示している。スルギの過去だけでなく、ナリへの脅迫動画は、ジェイの恐ろしい本性を浮き彫りにする。善意の仮面を被りながら、周到に準備された罠で相手を追い詰めるジェイの姿は、まさに悪女と言えるだろう。

対照的に、スルギは冷静さを保ちながらも、内に秘めた怒りを静かに燃やす。ジェイの行動の真意を問いただす彼女の強い眼差しは、今後の対決を予感させる。

つづく