スジョンは、優等生だが、いつも二人のいじめっ子にからかわれている。貧しくて母親がいないことを馬鹿にされ、傘にも嫌な落書きをされる。しかし、スジョンは仮撃し、毅然とした態度で学校を後にする。一人きりで頑張ることに疲れたスジョンは、誰かに頼りたいと願う。

家に帰ると、弟はゲームに夢中で、食事も勉強も無視している。スジョンはしかたなく弟をゲームから引き離し、食事をさせる。翌日も弟はゲームに熱中している。他のプレイヤーに見下されているのが悔しい弟のために、スジョンは弟のアカウントでゲームの世界に入る。徹夜でゲームをプレイする中で、黒炎竜という謎めいた強力なプレイヤーと友達になる。

二人は意気投合し、他のプレイヤーと共に絆を深める。スジョンは自分が女の子で、弟のIDを使っていることを黒炎竜に明かす。黒炎竜は驚くこともなく、スジョンの重荷を感じ取り、頼るように言う。お互いの境遇を語り合い、支え合うことを約束する。

数週間後、二人の友情は深まり、ゲーム仲間と共に現実世界で会うことになる。カフェで黒炎竜との出会いを心待ちにするスジョン。しかし、そこに現れたのは、想像していたクールな22歳ではなく、なんと中学生の少年だった。スジョンはショックを受け、逃げ出す。少年は追いかけてきて、路上で告白する。騙されたことに屈辱を感じたスジョンは、一目散に逃げた。

数年後、スジョンは、ヨンソンで働く立派な社会人になっていた。生意気な先輩に立ち向かい、チームを守る頼もしい存在だ。一方、黒炎竜ことジュヨンは、ヨンソンの御曹司として成長していた。秘書として潜入し、不正を行う役員を排除していた。

新社長就任前夜、ジュヨンは革ジャンを著てパーティーを楽しむ。盛り上がっているところに秘書から電話が入り、会長である祖母に呼び出される。急いでバイクで向かう途中、車と衝突事故を起こす。相手はなんとスジョンだった。

怒ったスジョンはジュヨンを車から引きずり出し、二人ともどこかで見覚えがあると感じながらも、思い出せない。スジョンは修理代を請求するため、ジュヨンに付き添って病院へ行くが、ジュヨンはこっそり姿を消す。

病院でジュヨンは祖母に会い、会社の後継者としての責任を改めて自覚させられる。両親の葬儀の記憶が蘇り、祖母から向けられた冷たい視線を思い出すが、自分の価値を証明しようと決意を固める。

翌日、新社長就任に沸く会社で、スジョンは新社長とのミーティングに備える。社長室に入ると、彼の背中に大きな黒炎竜のタトゥーがあることに気づく。すべてが繋がる。

驚くスジョンに、同じく驚いた様子のジュヨンが駆け寄り、口止めをする。幼馴染のゲーム仲間、過去の失恋の相手、そして今の自分の上司。スジョンの頭の中は混乱している。

第1話の感想

「あいつは黒炎竜」第1話は、期待を裏切らない、王道でありながらも新鮮な展開で視聴者を惹きつけました。冒頭から、いじめられながらも芯の強さを見せるスジョンの姿に共感し、応援したくなりました。弟思いの優しい姉でありながら、ゲームの世界では黒炎竜と出会い、熱い友情を育む姿は、彼女の多面的な魅力を引き出しています。

特に印象的なのは、黒炎竜との出会いから現実世界での再会までの、ドラマチックな展開です。オンラインゲームでの絆、思わぬ正体、そして数年後の再会という、まるでジェットコースターのような展開に、思わず息を呑みました。スジョンが経験する喜び、驚き、戸惑い、そして屈辱といった感情の揺れ動きが繊細に描かれており、視聴者も感情移入しやすいストーリーとなっています。

また、物語の舞台となるゲーム世界と現実世界が巧みに交差する演出も魅力的です。ゲーム内の華麗なアクションシーンと、現実世界のスジョンの日常生活が対比的に描かれ、それぞれのシーンが互いに引き立て合っています。

今後の展開としては、ヨンソンという会社を舞台に、社長となったジュヨンとスジョンの関係性がどのように変化していくのかが注目されます。過去の出来事を乗り越え、二人が真の愛を見つけることができるのか、今後のストーリーに期待が高まります。

つづく