チ・スホンはソク・ジェボムを追跡するが、思わぬ展開で、チェ・ウスンに背後から襲われ気を失ってしまう。目を覚ましたチ・スホンは、襲撃したのはソク・ジェボムだと勘違いし、オク・チャンミに伝える。二人はソク・ジェボムの行方を捜すが、彼は姿を消しており、警察に通報すべきか悩む。
一方、チン警備員は体育公園の監視カメラ映像を入手し、ジョングクと共に映像を確認する。そこに映っていた二人の人物があまりにも価ていることに気づき、事態は複雑化する。チン警備員はチ・スホンを呼び出し、不利な状況にあることを伝え、ソク・ジェボムを見つけ出すよう促す。オク・チャンミは証拠を得るため、チェ・ウスンに会い謝罪を装いながら密かに録音を試みるが、チェ・ウスンに見破られ殺すと脅される。
危険な状況の中、チ・スホンはクク・ジヒョンに助けを求め、チェ・ウスンのかばんにGPS発信器を仕込む計画を立てる。チェ・ウスンがソク・ジェボムの隠れ場所へ向かうと推測したのだ。そして、再び警察に連行されたチェ・ウスン。チン警備員は事件の真相を解明しようと奔走し、彼を法廷に送る準備を進める。しかし、オク・チャンミはクク・ジヒョンが兄であるチェ・ウスンを助けるのではないかと不安を抱く。
そんな中、テ・ソヨンが姿を消し、ホン・アジョンが連絡を取ると、彼女は埠頭でソク・ジェボムを見かけたという。アメリカから帰国したクォン・セジンは、皆がソク・ジェボムを探していることを知り、パク・ウォンソクがチェ・ウスンに利用されていた事実を明かす。事態はますます混迷を極めていく。
オク・チャンミはついにソク・ジェボムを見つけ、彼が二重人格であることを知る。彼は自分がパク・ウォンソクを突き落としたことを告白するが、その時の記憶がなく、後になって思い出したという。オク・チャンミがもう一つの人格、ソク・ジェジュンを呼び覚ますと、激しい攻撃を受ける。それでも彼女はソク・ジェジュンに説得を続け、自殺を図ろうとする彼を止める。
一方、クク・ジヒョンが仕掛けた発信器はチェ・ウスンに見つかってしまう。彼はクク・ジヒョンを拘束し、チ・スホンを脅迫、激しい争いの末、チェ・ウスンは屋上から転落する。一命は取り留めたものの、病院に搬送される。学校ではチ・スホンが犯人だと噂されるが、ミン・ソンハが真実を語り、真犯人はチェ・ウスンだと明らかになる。
そして、ヨンタン高校には平穏が戻り、クク・ジヒョンたちは無事に卒業を迎える。チ・スホンは自主退学を選び残りの時間を自由に過ごし、オク・チャンミは念願の陸軍士官学校へ進学、二人は手を取り合い未来へと歩み出す。
第12話の感想
「代理リベンジ」最終話となる第12話は、息詰まる展開と感動的な結末で幕を閉じました。これまでの伏線が回収され、それぞれのキャラクターの行く末が描かれる中、特に印象的だったのは、チ・スホンとオク・チャンミ、そしてチェ・ウスンの三人の姿でした。
チ・スホンは、一連の事件を通して大きく成長しました。復讐という負の感情に囚われながらも、最終的には自ら道を切り開き、未来へと歩み出す姿は、希望を感じさせます。また、オク・チャンミの芯の強さと正義感も際立っていました。危険を顧みず真実を追求し、ソク・ジェボムの救済にも尽力する彼女の姿は、まさにヒロインと呼ぶにふさわしいものでした。
一方、チェ・ウスンは、物語のキーパーソンでありながら、最後まで悲劇的な人物でした。歪んだ愛情表現と孤独感に苛まれ、破滅へと向かう彼の姿は、見ていて辛いものがありました。しかし、彼の存在があったからこそ、他のキャラクターたちの成長がより鮮明に描かれたとも言えます。
最終話全体を通して、緊張感と感動が絶妙なバランスで描かれており、最後まで目が離せない展開でした。それぞれのキャラクターの葛藤や成長、そして彼らが織りなす人間ドラマは、視聴者の心に深く刻まれることでしょう。