スヒョンの裁判から物語は始まる。検察側は10年の懲役を求刑し、弁護側は情状酌量を求めた。しかし、スヒョンは最終陳述で、ジウンを殺したことを後悔しておらず、機会があればまた同じことをすると主張し、情状酌量を拒否した。

判決は懲役7年。ニュースキャスターとなったスホは、このニュースを伝える際に生放送で涙を流し、視聴者にスヒョンと家族の状況への共感を訴えた。刑務所に入ったスヒョンは、事故前のスホとの生活やゴヌのことを思い出す日々を送る。

一方、スホはジウンの事故直前の足取りを追うため、情報網を駆使してホテルの防犯カメラ映像を入手。ジウンがキム・ジュンと飲酒していたことを知る。刑務所でゴヌを思いながら落ち込んでいたスヒョンは、作業中のミシンで怪我をしてしまう。

大量の出血で病院に運ばれたスヒョンは、刑務作業員のソンニュルに見守られる。意識を失ったスヒョンは、森の中でスホとゴヌを探し求める幻覚を見る。そして、事故の夜、家の門に鍵をかけたことを思い出す。医師はゴウンに、スヒョンがショック状態にあり、抑うつ状態から自殺願望を抱いていると告げる。ゴウンはスヒョンに声をかけるが、彼女は門に鍵をかけたことについて取り乱し続ける。

自宅で調査を進めていたスホは、ジウンの事件の判事がキム・ジュンの友人であり、弁護士もキム・ジュンと繋がっていることを突き止める。スホはキム・ジュンと会い、ジウンの飲酒運転や判事、弁護士への指示について問い詰める。そして、全てがスホが過去に追及しようとしていた「2012年 プヨンドン汚職事件」と関連しているのではないかと疑念をぶつける。

スホの追及に、キム・ジュンはスホの恐れを知らない態度に驚く。スホは、息子を失い妻も服役中で、何も失うものはないとキム・ジュンに言い放つ。去り際に、キム・ジュンはカン家の門の写真を見せ、スヒョンが門に鍵をかけていた事実を突きつける。弁護側の主張とは異なり、ゴヌの事故に対するスヒョンの罪悪感をさらに煽るための脅しだった。

スホは刑務官を通じてスヒョンに面会を申し込む手紙を送るが、スヒョンは無視する。同房のチャン・ヒョンジャは、怪我をしたスヒョンのために洗濯など身の回りの世話を焼く。時が経ち、二人は親しくなる。スヒョンはヒョンジャの優しさに疑問を抱くが、ヒョンジャは過去の辛い記憶を持つスヒョンに昔の自分を重ねているのだと語る。

さらに時が流れ、二人の絆は深まる。クリスマスに子供たちのキャロルを聴いていたスヒョンは、ゴヌと歌った記憶を思い出し、涙する。キム・ジュンの脅しに不安を感じたスホは、アメリカへの転職を決意する。スホの母、ミョンヒはゴウンとユリに息子の渡米を伝える。ユリはスヒョンとの結婚生活を心配するが、ミョンヒはスホはまだ若く、自分の人生を選択する権利があると主張する。

ユリとゴウンからスホの渡米を聞かされたスヒョンは、動揺を見せない。ユリはスホを引き留めるようスヒョンに勧める。面会に来たスヒョンは、スホにアメリカ行きを祝福し、もう面会に来ないでほしいと伝える。殺人犯である自分はニュースキャスターの妻にはふさわしくないと語る。スヒョンは冷たくスホに別れを告げる。スホの渡米の話にも動揺しないスヒョンだったが、夜、独房で涙を流す。数日後、ヒョンジャは刑務所内のイベントで歌を披露する。同時に、スホはアメリカへと旅立つ。

5年後、2020年。出所を控えたヒョンジャは、願いを葉える木がある山に行きたいとスヒョンに語る。ヒョンジャは、自分のせいで苦しんだ人々の幸せを願うと言う。スヒョンは一緒に行こうと約束するが、ヒョンジャは余命いくばくもない病を患っており、刑務所内で死ぬだろうと告白する。スヒョンにこれ以上の辛い別れを経験させたくないため、覚悟しておいてほしいと伝える。ヒョンジャはスヒョンに自分の罪について書かれた本と手紙を託す。放火で夫を罰しようとしたが、火は燃え広がり多くの人が巻き込まれたこと、そして生き残った少年に手紙を渡してほしいと頼む。スヒョンは出所したら渡すと約束する。

時が流れ、ヒョンジャは亡くなり、2022年、スヒョンは出所する。誰も迎えに来ない中、一人で家路につく。スヒョンが乗るバスの横を、バイクに乗ったソンニュルが走り去る。

スヒョンはゴヌの墓参りに行き、ソンニュルも両親の墓参りに来ていた。二人は同じ納骨堂で、雨の中、それぞれの故人を偲ぶ。ソンニュルはスヒョンに傘を差し出すが、スヒョンは無視して去っていく。ソンニュルはスヒョンを追いかけ、傘を渡すところで物語は幕を閉じる。

第2話 ワンダフルワールド 感想

スヒョンの絶望と孤独が胸を締め付ける第2話。7年の刑期を言い渡され、愛する息子ゴヌを失った悲しみと罪悪感に苛まれる彼女の姿は、見ているこちらも苦しくなるほどでした。法廷でのスヒョンの強気な態度は、絶望の裏返しであり、自分自身を守るための精一杯の抵抗のように感じられました。

スホの慟哭も印象的でした。ニュースキャスターとしてではなく、一人の父親、そして夫として、愛する家族を守れなかった無念さを爆発させるシーンは、彼の深い苦悩を物語っています。真実を追い求める中で、キム・ジュンとの対峙は緊張感に満ちていましたが、同時にスホの覚悟も感じられました。全てを失った男の悲壮な決意が、今後の展開を大きく左右しそうです。

刑務所内でのスヒョンとヒョンジャの交流は、この重苦しい物語の中で唯一の温かさを感じさせるものでした。互いの痛みを共有し、支え合う二人の姿は、人間の繋がり、そして再生の可能性を感じさせます。特に、クリスマスのキャロルのシーンは、スヒョンの抑えきれない悲しみと、過去の幸せな記憶が鮮明に描かれており、涙を誘われました。

そして、5年の月日が流れ、出所したスヒョン。変わってしまった世界、そしてゴヌのいない現実に、彼女はどのように向き合っていくのでしょうか。ラストシーンでスヒョンとソンニュルが再会した意味とは?今後の展開に期待が高まります。

つづく