第10話では、ウヨンの幻想から現実へと物語が戻っていきます。中心となるのは、ホン・デヨンとチョン・ダジョンの恋の行方。高校時代、デヨンはダジョンと一緒に遅刻するために、いつも先生に罰で走らされていました。文句一つ言わず、「もう二度とダジョンを遅刻させない」と約束するデヨン。そんな初々しい二人の想いは、時を経て深まっていきます。
学園祭当日、デヨンはバスケットボールの3ポイントシュートを決めてダジョンに愛を告白するという、少し変わった方法を選びます。しかし、ダジョンはすぐにOKを出さず、デヨンは落胆します。ところが、夜のパーティーで、ダジョンから自分の気持ちが届いていないと言われたデヨンは、真摯に謝罪し、改めて気持ちを伝えます。そして、ダジョンは自らデヨンの手を取り、二人の関係は大きく進展します。
一方、ウヨンは、ある出来事をきっかけに一瞬だけホン・デヨンの姿に戻りますが、これは倒れた後に見た幻覚でした。この場面では、ダジョンやシア、シウなど、周りの人々がウヨンをどれだけ大切に思っているかが描かれています。特に、シアが危険な目に遭った時、ウヨンは身を挺して彼女を守り、勇敢な一面を見せます。
警察署での出来事は、女性に対する不良たちの迷惑行為という社会問題を浮き彫りにします。ダジョンと母親は不良たちに怒りを露わにし、シアを守ろうとします。このシーンは、登場人物たちの絆の強さを示すとともに、正義の大切さを訴えています。
また、イェ・ジフンはソヨンに近づこうとしますが、なかなかうまくいきません。偶然出会ったダジョンにアドバイスをもらったジフンは、ダジョンのような大人で優しい女性が理想だと気付きます。
トクジンの恋はさらに困難です。ヘインに告白しますが、漫画好きではないという理由で振られてしまいます。さらに、エリンに花を贈りますが、それは失敗した後の花束だと知り、落ち込みます。
学園祭では、シアの美しい変身ぶりが描かれ、ウヨンはたくさんの写真を撮ってダジョンに送ります。これは、二人の強い家族の繋がりを表しています。同時に、ジフンはダジョンのようにソヨンの世話をしようと努力し、ついに彼女を笑顔にします。
最後に、昔のラブソングが流れ、デヨンは一人でその曲を聴きながらダジョンへの想いを募らせます。そして、ダジョンとジフンが一緒にいる場面を目撃し、複雑な表情を浮かべます。テレビでジフンの理想像についての報道が流れるのも、今後の三角関係を暗示しているようで、視聴者に続きへの期待を抱かせます。
第10話の感想
第10話は、ホン・デヨンとチョン・ダジョンの再会と新たなスタート、そして周囲の人間関係の複雑な変化が描かれた、感動とサスペンスが入り混じる回でした。高校時代の回想シーンは、二人の初々しい恋模様を鮮やかに蘇らせ、現在の複雑な状況との対比がより一層胸を締め付けます。バスケットボールの告白シーンは、デヨンの不器用ながらも真っ直ぐな愛情表現が印象的で、ダジョンの戸惑いもまたリアルに感じられました。
一方、ウヨンの幻覚シーンは、彼が抱える葛藤や周囲の人々からの愛情を改めて浮き彫りにしました。シアを守る姿は、父親としての責任感と愛情の深さを物語っています。また、チョン・ダジョンと母親がシアを守るシーンは、女性同士の連帯感と正義感を描いており、社会問題へのメッセージ性も感じられました。
イェ・ジフンとソヨン、トクジンとヘイン、エリンのそれぞれの恋模様も、それぞれの個性と葛藤が描かれており、共感できる部分が多くありました。特に、イェ・ジフンがダジョンに惹かれていく様子は、今後の三角関係を予感させ、物語に更なる緊張感を与えています。
つづく