監視カメラの映像で、イチャンを連れ去ったのがアン・ジヨンだと知ったヨウルは、激しい動揺に襲われます。直後、見知らぬ番号から電話がかかってきて、相手はアン・ジヨンでした。泣きながら彼と話すヨウルは、電話を切ると怒りに任せて携帯を投げつけます。ヨウルのオフィスに集まった皆で対策を練る中、再びアン・ジヨンから電話があり、済州島のテーマパークに一人で来るよう要求されます。パク・イルスンはすぐに警護をつけるよう手配し、オ・サンスンとナユンも同行を申し出ます。

一方、ナム・ジソンは夫の告白録音を聞き、過去の罪を認め、外出中は秘書に会わないよう指示します。チャ・ドヨンはチョン・ミドがレストランに飽きていることを知り、違約金への協力に感謝し、彼に迷惑をかけないよう離婚を発表する記者会見を開くことを決意します。チョン・ミドはやり直したいと引き止めますが、チャ・ドヨンは意誌を曲げません。

遊園地に到著後、一行は別行動を取ります。ヨウルは指示通り書類をチケット売り場に置き、その後、人形に導かれて観覧車に乗ります。観覧車に乗っていると、人形の中身がアン・ジヨンだと分かり、下から電話がかかってきます。ヨウルは子供を利用するアン・ジヨンを責めますが、イチャンの居場所は次回連絡時まで教えないと言われ、観覧車の中で泣き崩れます。

書類を手に入れたアン・ジヨンは普段著に著替え立ち去ろうとしますが、ナユンに阻まれます。ナユンは子供のことや二人の関係について問い詰めますが、アン・ジヨンの冷淡な態度に絶望し、ナイフで襲いかかります。しかし、逆にアン・ジヨンに捕まってしまいます。駆けつけたパク・イルスンは銃でアン・ジヨンを脅しナユンを解放させますが、イチャンの居場所を教えないと脅すアン・ジヨンは逃走し、パク・イルスンは追跡を開始します。

ヨウルとオ・サンスンは遊園地でイチャンを探し続け、希望を捨てません。しかし、逃走中のアン・ジヨンはチェン会長の手下に銃撃され、命を落とします。絶望の淵に立たされたヨウルでしたが、イチャンに持たせた笛の音が聞こえてきます。音のする方へ向かうと、回転木馬の操作盤の中にイチャンを見つけ、再会の喜びに浸ります。

その後、パク・イルスンたちはアン・ジヨンの死を確認し、チャ・ドヨンは離婚を発表します。ヨウルは入院したイチャンに付き添い、パク・イルスンはアン・ジヨンの死をヨウルに謝罪しますが、ヨウルは自業自得だと受け止めます。ナユンとジェインがお見舞いに来ると、父親が「悪い人」なのかと尋ねるジェインに、ヨウルは誰にでも良い面と悪い面があると優しく諭し、ジェインにとってアン・ジヨンは良いお父さんだったと伝えます。

物語はそれぞれの転換点を迎えます。ヨウルはソウルに戻らず、自分の法律事務所を開設します。ナム・ジソンは死体遺棄罪で実刑判決を受けます。チャ・ドヨンは芸能界を引退し、ヨガ講師になります。ヨウルはサーフィンを始め、上達は遅いものの、オ・サンスンの支えもあり、孤独ではありません。そして海辺で、ヨウルとナユンは過去の辛い思い出が詰まった指輪を海に投げ入れ、過去を断ち切り、新たな人生へと歩み始めます。一年後のある午後、二人は偶然再会し、笑顔でグラスを交わし、それぞれの平穏と幸せを見つけたことを暗示して物語は幕を閉じます。

第16話の感想

「ハイクラス~偽りの楽園~」第16話は、息詰まる展開から感動の再会、そしてそれぞれの新たな人生の始まりへと続く、まさにクライマックスにふさわしいエピソードでした。

アン・ジヨンの身勝手な行動によって、ヨウルは精神的に追い詰められます。イチャンを人質に取られ、済州島の遊園地まで呼び出されるシーンは、見ているこちらも胸が締め付けられる思いでした。観覧車での対峙は、ヨウルの母としての強さと、アン・ジヨンの冷酷さを際立たせていました。

しかし、絶望的な状況の中でも、ヨウルは希望を捨てませんでした。オ・サンスンと共にイチャンを探し続ける姿、そして笛の音を聞きつけた時の安堵感は、視聴者にも大きな感動を与えたことでしょう。イチャンとの再会シーンは、涙なしでは見られませんでした。

アン・ジヨンの最期は、ある意味当然の結末と言えるかもしれません。彼の犯した罪の重さ、そして人間の弱さが、その死によって象徴されているように感じました。

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