テラは、野犬に噛まれ耳を失った過去を思い出す。弟と共に逃げているところをユテに捕まり、キム・ソンドク院長に引き合わされた。弟に会うためには、院長の指示に従い厳しい訓練に耐えなければならないと告げられる。
テラは50番となり、弟との再会を願い過酷な訓練に励む。しかし、再会した時に、院長に騙されていたこと、弟は暗殺者として育てられていたことを知る。
現在に戻り、ジェヒョンの大統領選出馬発表の場で、テラと院長は再会する。テラは夫と娘に近づかないよう警告するが、院長はテラの過去がジェヒョンの夢を壊すことになれば悲劇だと皮肉る。
テラがジウの様子を見に行く間、ジェヒョンはテラを妻として紹介し、メディアの注目が集まる。ジェヒョンはテラの首の傷に気づき尋ねるが、テラは軽い事故だとごまかし、ジェヒョンの出馬について相談がなかったことに不満を漏らす。ジェヒョンはテラが自分の決断を信じてくれると思っていたと言い、テラは娘を連れて帰宅する。
ジェヒョンはドジンとソンチャンと共に祝杯を挙げ、ハッチの事を頼む。ドジンはテラを説得するようジェヒョンに助言する。帰宅したジェヒョンはテラと話そうとするが、テラは自分の過去がジェヒョンに影響することを心配している。
ジェヒョンはテラが良い女性であり、最後まで守ると約束する。娘が会話に割り込み、テラは思わず院長について尋ねてしまう。ジェヒョンは院長が会社を助けていると説明し、娘を寝かしつける。テラはユテと争った際に車を置いてきたことを思い出し、現場に戻る。
一方、ヘスはジュノと電話で、拉緻された情報提供者チョン氏について話している。ヘスはチョン氏に何かが起こったと感じている。電話の後、ドジンはヘスに謝罪し、イヤリングの件は誤解だと嘘をつく。ヘスはドジンに、もし何かあれば離婚届を父親の職場に送ると警告する。
ヘスは携帯にメッセージを受け取り、テラの放置された車にたどり著く。そこでテラと出会い、事故にあったのではないかと心配する。二人が話していると、テラはバイクに乗った男に気づき、車に爆弾が仕掛けられていることに気づく。テラはヘスをかばい爆発から守る。
ヘスはテラを家まで送り、命を救ってくれたことに感謝し、秘密を持たないように頼む。テラは罪悪感を抱き、この運命を誰がもたらしたのかを知りたいと願う。院長に電話し、病院で対峙する。
院長はテラの生存とジェヒョンとの結婚を祝い、ヘスを守っている理由を尋ねる。テラは院長が自分とヘスを殺そうとしたと非難する。院長は、テラがヘスを連れて病院に来たのは攻撃するためだと主張する。
テラは15年前の記憶を失っており、誰から新しい身分をもらったのか分からないと説明する。院長はテラの言葉を信じない。テラは再び家族に近づかないよう警告し、弟への仕打ちを許していないと伝える。
回想シーンで、幼いテラが弟とバイクで逃げ、ユテが追いかける様子が描かれる。事故が起こり、ユテはテラの弟をひき殺す。テラは弟を助けようとして車に跳ねられ、崖から水中に落ちる。
この記憶を取り戻したテラは院長を殺したい衝動に駆られるが、ヘスの父親襲撃の黒幕を突き止めるため、情報料としてダイヤのネックレスを渡し調査を依頼する。その後、院長は誰かに電話し、ヘスに連絡を取るよう指示する。
翌日、ヘスはジェヒョンに会い、テラの身の安全を心配し、ボディーガードをつけることを提案する。ジェヒョンはテラの車の爆発と不審者の侵入を知り驚く。ジェヒョンはドジンとソンチャンと登山に出かける。そこで、院長が研究の人体実験段階に協力してくれるという朗報を伝える。
ドジンの両親は、母親とギョジンの会話で口論になる。ギョジンはシミュレーションのように存在しており、父親は母親がギョジンを苦しめていると考えている。
ヘスは院長に会い、チョン氏について尋ねる。院長はチョン氏が精神疾患の患者だと告げ、ヘスをチョン氏の病室に連れて行く。チョン氏は薬で朦朧としており、ヘスの質問に答えることができない。ヘスが去った後、院長はチョン氏を事務所に連れて行き尋問する。チョン氏はオム・サンベにヘスに連絡するよう指示されたと自白する。
オム・サンベはドジンの父親の腹心であり、チャン・グムモの命令でジェヒョンを監視し、ユテを探す任務を遂行している。彼はジェヒョンの週末の行動と、放蕩息子のドジンを製御しようとしている。
テラはユラの店を訪れ、オム・サンベの名刺を見つける。その後、カン医師を訪ねると、医師が辞職したことを知る。個人情報を聞こうとするが、受付は拒否する。車の警報音が鳴り、テラはバイクに乗った男が警報を鳴らして走り去るのを見る。
放送局で、ヘスはジュノにチョン氏が偽の情報提供者だったことへの落胆を伝える。ジュノは院長が嘘をついていないことを確認する。上司が二人の会話を遮り、トップニュースがテラに変わったことを伝える。メディアと市民はテラの正体を知りたがっている。
テラは自宅の門に到著すると、記者たちに囲まれる。バイクに乗った男がテラを助け、家まで送る。ジェヒョンは、その男が新しいボディーガードのチャ・ピルスンだと伝える。
ジェヒョンはソンチャンとドジンの家に行き、二人は選挙対策チームを雇う前にハッチの広報チームを貸すと申し出る。また、テラに関するネット上の投稿を監視することも申し出る。何かが落ちる音がするが、彼らは気にせず会話を続ける。実はユラが家にいたのだ。
ドジンとジェヒョンがソンチャンの家を去ると、ユラはドジンに姿を現す。ドジンはユラに電話番号を変えた理由を問い、わざとイヤリングを家に残したことに腹を立てる。ドジンは関係は終わったと言い、ジェヒョンは大統領選に出馬するのでテラに気を付けるように忠告する。ユラはもうテラの世話をするのは終わりだと言い、自分の人生を歩みたいと語る。ドジンは関係は終わったと主張し、ヘスにちょっかいを出すなと警告する。
ユラは家に戻り、実はソンチャンとも密かに会っていたことが明らかになる。ソンチャンは二人の関係を公表し、結婚したいと考えている。ユラは選挙後に公表できると言う。その後、ソンチャンが寝ている間に、ユラは家で何かを探している。
夜遅く、ヘスは車の中で小包を受け取る。中には、テラとユラ、そしてもう一人の女性が写った写真が入っていた。フランスに住む本物のテラの友人ソフィーに連絡するようにとのメモも添えられていた。メモにはソフィーの電話番号も書かれていた。ヘスはテラが偽物かもしれないことを知り驚く。
第3話の感想
「パンドラ 偽りの楽園」第3話は、テラの過去と現在の苦悩が深く描かれ、物語の核心へと迫る重要なエピソードでした。記憶を失っていたテラが過去の断片を思い出し、弟との悲しい別れ、そしてキム・ソンドク院長との因縁が明らかになるにつれ、彼女の復讐心が燃え上がっていく様子が手に取るように伝わってきました。
特に、ジェヒョンへの愛と、過去が彼に及ぼす影響への恐怖との間で揺れ動くテラの心情は、見ている側も胸が締め付けられるようでした。ジェヒョンはテラを守ると誓いますが、果たして偽りの楽園で築かれた二人の幸せは守られるのでしょうか。
一方、ヘスは情報提供者の件で翻弄されながらも、テラとの絆を深めていきます。爆弾事件でのテラの行動は、二人の友情の強さを改めて示すと共に、テラの隠された過去への疑問をさらに深めることになりました。
そして、物語の鍵を握るキム・ソンドク院長の存在感も際立っていました。冷酷な表情の裏に隠された真意、そしてテラ、ヘス、そしてジェヒョンとの関係性が、今後の展開を大きく左右していくことは間違いありません。
つづく