第8話は、テラがヘスの父親であるコ・テソンの暗殺を命じられる過去の場面から始まる。しかし、実際に暗殺したのはピルスンだった。ソンドク院長は、妹であるテラを死から救うためにピルスンにそう命じたのだ。テラはピルスンを救出し逃走するが、ユテに追突され、ピルスンは轢かれ、テラは崖から転落してしまう。
現在に戻り、ピルスンはソンドク院長の指示に従ってきた経緯を説明する。ヘスの父親を殺したのもそのためだった。しかし、テラはピルスンを抱きしめ、コ・テソンの死の責任を自分が負おうとする。テラはピルスンに全てを捨てて一緒に来ないかと誘うが、ピルスンはジウとジェヒョンを捨てられるかと問い返す。テラが今の生活を捨てれば自分もそうすると言うピルスンだが、テラにはできない。ピルスンはテラに自分のことは構うなと言い、涙を流すテラを残して去っていく。
バイクで帰宅するピルスンは、テラがヘスとの大統領インタビューで、ヘスの父親を殺したのは自分だと明かさなかったことを思い出し、怒りを覚える。
一方、ジェヒョンはソンドク院長と共に、ソン・ジュマンが死亡したというニュースを見ていた。死因は急性心筋梗塞と推定されている。ソンドク院長は、105番は仕事ができるとジェヒョンを安心させ、これで忠誠心を示したとアピールする。また、ハン・ギョロクがソン・ジュマンから資金を受け取った証拠を検察に渡したため、簡単には逃げられないだろうと告げる。
ジェヒョンがピルスンを信用できるのかと尋ねると、ソンドク院長は15年間も指示に従うように仕込んできたから大丈夫だと答える。しかし、ジェヒョンはピルスンがテラの兄であるため、まだ疑念を抱いている。
ピルスンが帰宅すると、ソンドク院長が待っていた。ソン・ジュマンを殺害したことを褒め称え、何か情報はないかと尋ねる。ソンドク院長は、ジェヒョンの大統領選挙が終わるまでテラを生かしておく計画だと告げる。ピルスンはテラのその後について尋ね、ユラのような運命を辿るのかと問う。
ソンドク院長は杖でピルスンを打ち、隠し持っていた剣を取り出す。テラがプレゼントしたフード付きジャケットを投げ捨て、ジェヒョンの言う通り、ピルスンがまだテラに未練があることを悟る。ソンドク院長は、テラへの愛情を示せば殺すと警告する。
一方、ドジンはサンベからグムモがジェヒョンの父親を殺害するように命じたという話を聞き、まだ信じられないでいた。ドジンがサンベに理由を尋ねると、この情報が広まればクムジョに影響が出ると答える。
ソン・ジュマンの死は、ハン・ギョロクとその選挙活動に悪影響を及ぼす。ソン・ジュマンが死亡した夜に、ハン・ギョロクの車に現金を積み込む人物の写真が出回り、ハン・ギョロクは取り調べを受ける。しかし、ハン・ギョロクは無実を主張する。報道陣に囲まれたハン・ギョロクは、グムモ会長がジェヒョンの母親について記者会見を開くという知らせを受け、ソン・ジュマンの死に何か裏があるのではないかと疑念を抱く。グムモはジェヒョンの母親を暴露し、クムジョはハン・ギョロク側につくのではないかと考える。しかし、記者会見でグムモは、ハン・ギョロクが主張するキム・ソヘ(ジェヒョンの母親)が研究資金を横領したという話は嘘だと発表する。ヘスは衝撃を受けるが、ドジンは父親がジェヒョンの母親を殺したからだと知っていた。
グムモのオフィスに戻ったヘスは、ジェヒョンの母親に関する話を覆した理由をグムモに問い詰める。ジェヒョンが関与しているのかと尋ねるが、グムモは怒り、出て行くように言う。ヘスは、グムモに助けを求めたことを後悔する。
ヘスがオフィスを出た後、ドジンはグムモにジェヒョンの母親を殺したのは自分だと告げる。なぜそんなことをしたのかと尋ねると、クムジョを自分とドジンの名で守るためだと答える。グムモはドジンにクムジョを引き継ぎ、ジェヒョンを奪うように言う。また、ミン女史がギョジンの名義でクムジョの株を購入したことを知っているため、早急に行動する必要があると告げるが、ドジンは拒否する。
グムモはドジンに秘密会社であるジェイク社の書類を渡す。ギョジンの母親が何か企んでいることを知っていたため、この会社名義でクムジョを買収できるだけの資金を隠していると告げる。また、グムモはドジンにヘスと別れるように言うが、ドジンは拒否し、ヘスは自分が愛する女性であり、グムモの親友でもあるのに、なぜそこまで憎むのかと問う。ドジンは、何があってもヘスとは別れないと告げる。ドジンが去った後、グムモはヘスが日に日に父親に価ていくため、我慢できないと告白する。
一方、ジェヒョンは選挙対策本部長から、チャン・グムモ会長が母親の名誉を回復し、大統領選を支援してくれるかもしれないという電話を受ける。ジェヒョンはそれを喜ぶ。そこにピルスンがジウを連れてやってくる。ジウは、レオが前回怒鳴ったことを謝ると言う。ジェヒョンはジウがピルスンに懐いていることに気づく。テラがやってきて、ピルスンに昼食を一緒にどうかと誘い、ジウを連れて著替えに行く。ジェヒョンはピルスンに、ジウやテラに愛情を示すのをやめるように警告する。
テラとジウが戻ってくると、ピルスンがいないことに気づく。テラは何かあったのではないかと疑う。ソンチャンから、ジェヒョンと謎のバイク男が会っていたという連絡を受ける。また、バイク男の身元を調査していることも伝えられる。ソンチャンは、ジェヒョンとバイク男の写真をテラに送り、拡大してみると、そのバイク男がヘスに50番が父親の暗殺者であるという手がかりを残していた人物だと気づく。
各候補者が選挙集会を開く中、ジェヒョンは圧倒的な集会を開き、他を圧倒する。ドジンはグムモとのことで落ち込むヘスを慰めるが、ヘスはグムモにあまり期待していなかった、必要なのはドジンだけだと言う。ヘスはドジンに、ジュノがソンドク院長がヘスの父親の死の贈り物として贈られたサファイアのネックレスを購入した可能性のある人物のリストを見つけたと告げる。ドジンがリストを見ると、ジェイク社が記載されており、父親のグムモがこの名前の会社に資金を隠していると言っていたことを思い出す。
一方、グムモはギョジンがいるはずの場所に行くが、見つからない。そこにミン女史が現れ、ギョジンをそこに置いていけると思うかとグムモに尋ねる。2人は口論になり、ミン女史は立ち去る。グムモはギョジンがどこにいるのか、ミン女史が誰かに助けられてギョジンを移動させたのではないかと疑念を抱く。
テラはハッチでソンチャンに会い、謎のバイク男の身元調査の進捗状況を聞く。また、グムモが脳卒中を起こすまでのジェヒョンの動きについて報告を受ける。テラはジェヒョンがサンベを「叔父」という名前で電話帳に登録していることをソンチャンに伝え、ソンチャンはサンベについても調査すると言う。
話していると、ジェヒョンが特別な研究室に入ってくるのが見え、テラは身を隠す。ジェヒョンはソンチャンにギョジンの進捗状況を尋ね、ギョジンに会いに行く。そして、スマートパッチの人間実験発表のためにギョジンが必要だと話し、早く目覚めるように促す。ギョジンはテラが隠れている場所に何か気配を感じる。ギョジンの脳神経活動は正常だった。
ソンチャンはなんとかジェヒョンを連れ出すことに成功し、テラは姿を現す。テラはギョジンに会いに行き、立ち去ろうとすると、ギョジンが目を覚ましてテラを呼び止める!ギョジンはテラに、ドジン、ジェヒョン、ソンチャンにも自分が目を覚ましたことを言わないでほしいと頼む。そして、母親に電話してほしいと頼む。
同時刻、ドジンはヘスのリストにあったジェイク社が父親のものかどうか考えていた。グムモから電話があり、ギョジンの母親がギョジンを別の場所に移動させたことを伝えられ、ギョジンがどこにいるのか探すように言われる。ドジンはジェヒョンとソンチャンがジェヒョンの家に到著するのを目撃し、ギョジンがハッチにいるのか、スマートパッチの実験をしているのかと尋ねる。驚いたことに、ドジンはギョジンがハッチにいることを知らなかった。ジェヒョンは当然否定する。
ジェヒョンの家では、ソンチャンがドジンにスマートパッチの実験をギョジンに行っていることがバレるのを恐れている。ジェヒョンは急いでギョジンを目覚めさせろと言う。ジェヒョンは大統領になったらハッチをソンチャンに引き継がせると提案する。
テラはミン女史に会い、ギョジンが目を覚ましたことを伝える。ミン女史はギョジンが目を覚まして元気な姿を見て感動の再会を果たす。ミン女史はギョジンを別の場所に移して療養させようとするが、ギョジンはハッチの技術が一番優れていると信じている。
第8話の感想
『パンドラ 偽りの楽園』第8話は、過去の因縁と現在の陰謀が複雑に絡み合い、息もつかせぬ展開でした。特に、コ・テソンの暗殺の真相が明らかになり、テラとピルスンの関係が大きく変化したことが印象的でした。
テラは、過去の自分の行動に苦悩しながらも、愛する人たちを守ろうと必死に生きています。しかし、ピルスンとの再会によって、過去の罪が再び彼女を苦しめることになります。ピルスンは、テラへの愛情と、ソンドク院長への忠誠心の間で葛藤し、苦悩する姿が痛々しいです。
また、ジェヒョンの野望、そしてグムモの陰謀もさらに深まり、物語はますます予測不可能な展開を見せています。ドジンが父親の罪を知り苦悩する姿、そしてソンチャンの裏切りなど、登場人物それぞれの思惑が複雑に絡み合い、目が離せません。
つづく