ソウルの大峙チェイスの喧騒の中にある大手塾「大峙追逐学院」。優秀な講師陣の中でも、ソ・ヘジンはスター講師として、生徒たちの成績向上に情熱を注ぎ、親身な指導で彼らを支えていた。この学院は、確かな実績から多くの保護者の信頼を集めていたが、一方で学校側との微妙な関係も抱えていた。

ある日、いつもの会議中、ソ・ヘジンは生徒のハヌルからの中間テストに関する質問で呼び出される。貧しい農夫が牛を売って喜んでいるという問題文に対し、ハヌルはそれが仮語表現だと考えたが、正解からは外されていた。納得いかないハヌルは涙を流し、学校に異議を申し立てたいと訴える。ソ・ヘジンもハヌルの解釈に同意し、彼女の勇気を後押しする。ハヌルの母親は成績への影響を心配するも、ソ・ヘジンの説得もあり、娘の挑戦を認める。

しかし、学校側の表先生はハヌルの意見を一蹴。論理的におかしいと取り合ってくれない。ソ・ヘジンは教科委員会への申し立てを提案し、ハヌルの母親は不安ながらも行動を起こす。ソ・ヘジンもピョ先生に連絡を取り、話し合いで解決しようと試みるが、学校へ来るよう要求される。

学校で、ソ・ヘジンとピョ先生は激しい議論を交わす。塾講師という立場から、学校の先生達からの偏見を感じながらも、ソ・ヘジンは生徒のために毅然と仮論する。面談は不穏な空気に包まれ、一触即発の状態に。その後、校長から叱責を受けたピョ先生はソ・ヘジンに謝罪するものの、塾講師への対抗心はより強くなる。

この一件で、ソ・ヘジンは複雑な思いを抱き、自身の仕事に疑問を感じ始める。しかし、そんな彼女に嬉しい出来事が訪れる。かつてソ・ヘジンが指導し、名門大学に進学したイ・ジュノが、「大峙追逐学院」の採用試験に現れたのだ。驚きと喜びの中、イ・ジュノは大企業を辞めて塾講師の道を選んだ理由を語る。それは、新たな可能性に挑戦するため、そしてソ・ヘジンのように生徒たちの夢を応援したいという思いからだった。

新たな季節の始まりと共に、ソ・ヘジンの物語は続く。既存の教育システムとの葛藤、そしてイ・ジュノのような新しい力の台頭。困難な道であっても、彼女は初心を忘れず、自らの価値を証明し、子供たちの明るい未来のために尽力していく。様々な壁にぶつかりながらも、教育の力への信念をさらに強くし、彼女の物語はより感動的なものへと紡がれていく。

第1話の感想

「卒業」第1話は、教育の理想と現実のギャップを鋭く描いた、見応えのあるスタートだった。塾講師・ソ・ヘジンの生徒への情熱的な指導と、生徒のハヌルの純粋な疑問、そして学校側の冷淡な対応という対比が印象的だ。特に、ハヌルが感じた「貧しい農夫が牛を売って喜んでいる」という表現への違和感、そしてそれを「正解」として押し付ける教育現場の現状は、多くの視聴者の共感を呼ぶだろう。

ソ・ヘジンは、生徒のために学校側と対峙する中で、塾講師という立場ゆえの壁に直面する。しかし、彼女は決して諦めず、生徒の疑問を解決しようと奔走する姿は、真の教育者としての矜持を感じさせる。同時に、ピョ先生をはじめとする学校側の対応は、硬直化した教育システムの問題点を浮き彫りにしている。

物語終盤、かつての教え子・イ・ジュノの登場は、ソ・ヘジンにとって大きな希望の光となる。彼の「新たな可能性に挑戦したい」という言葉は、閉塞感漂う教育現場に風穴を開ける可能性を感じさせる。今後の展開において、イ・ジュノがどのような役割を果たしていくのか、期待が高まる。

つづく