シウはベスト学院の補習資料をパク秘書に返し、受領の証明を頼んだ。パク秘書は不満げに、資料の外部漏洩をしないという誓約書を書かせた。一方、チェ・ヒョンソは教師の引き抜きに失敗し、チャンヨン高校生の期末補習をしないと決めた。「残り物を拾うのは私のスタイルじゃない」と。パク秘書はシウの誓約書をチェ・ヒョンソに渡し、彼女は怒りで震えた。しかし、生徒への印象を悪くしないため、他塾に移ってもシウの未来を応援するメッセージを送った。
キム院長はヘジンに謝罪するため、最新型のタブレットを贈ろうとした。ヘジンは他塾から引き抜きの誘いがあったことを明かし、キム院長は戸惑いながらもタブレットを渡そうとする。ヘジンが追逐学院に残ると知り、喜ぶキム院長。しかし、ヘジンはタブレットを辞退し、他の先生も必要だからとナム・チョンミに贈るよう提案した。キム院長はそれを受け入れ、帰り際にどの塾かと尋ね、ヘジンの仮応からベスト学院だと確信し、「やはりチェ・ヒョンソはズル賢い」と心の中で思った。
ジュノの告白を受け入れたヘジンだが、複雑な関係の中で距離を置くことが大切だと考え、ジュノのランチの誘いを断った。複雑な心境でソヨンに相談し、「まるで噛み合わない歯車みたい。真面目に仕事ばかりで恋愛もろくにせず、今考えると損した気分」と漏らす。ソヨンはヘジンを臆病だと非難し、恋愛への欲求を無視していると指摘。「本当は欲しいものを求めずに、他の何かを得ようとしている、自分を騙している」と。図星を突かれたヘジンは、ジュノの先生である自分が噂の的になるのは嫌だが、本当はジュノが好きで悩んでいると打ち明けた。
お酒を飲みながら話していると、ジュノからメッセージが届き、ヘジンが昔書いた愛情のこもったメモについて触れられていた。それを見てヘジンは涙を流した。昼はアルバイト、夜は授業と辛い日々の中で、ジュノが唯一の支えであり、メモはそんなジュノへの依存を綴ったものだった。酔いが回ったヘジンを、ソヨンはジュノに迎えを頼んだ。ジュノはヘジンを家まで送り、寝付くまでいると言い、ヘジンはそれを受け入れた。
家に入るとすぐにヘジンはジュノに抱きつき、「あなたに嘘をついたのを見られた。だって本当にあなたに惹かれているから」と告白した。ジュノはヘジンの家のソファで一夜を過ごした。翌朝、二日酔いのヘジンのためにジュノは代理で授業を行うと言い、無欠勤を誇るヘジンも仕方なく承諾した。噂を心配したナム・チョンミが代わりに授業を行い、ジュノに想いを寄せる同僚女性はナム・チョンミに少し不満を持った。
その後、ジュノはヘジンを病院に送り届け、初めての正式なデートを提案した。場所はジュノが選ぶと言う。恥ずかしがるヘジンに、ジュノは「もう我慢できない。逃げるな」と言い、キスをして正式に恋人同士になった。デートの場所は、かつて「大峙チェイスの奇跡」と呼ばれた、今は取り壊し間近の古い塾だった。二人は思い出に浸った。
人目を避けて隠れてデートをするようになった二人。期末特講を終え、一緒に車で帰宅する途中、ヘジンの家前で名残惜しそうにするヘジンは、牛乳を買ってくるという口実でジュノとの時間を延ばそうとした。戻ってきて「本当は牛乳あったの。もっと一緒にいたくて」と白状し、ジュノを家に誘った。大人の誘いにジュノはこれが何を意味するのか理解し、突然の幸せに呆然とした。
第8話の感想
第8話は、ヘジンとジュノのロマンスが大きく進展する、感動的なエピソードでした。これまで、互いの立場や周囲の目を気にしながらもどかしい距離感を保っていた二人が、ついに本当の気持ちを確かめ合い、恋人としての一歩を踏み出します。ヘジンの心情の変化が丁寧に描かれており、仕事に打ち込む真面目な姿の裏にある、恋愛への憧れや不安、そしてジュノへの抑えきれない想いが伝わってきました。特に、酔った勢いで本音を吐露するシーンは、彼女の脆さと可愛らしさが垣間見え、共感せずにはいられません。
一方、ジュノは一貫してヘジンへの深い愛情を示し、彼女の気持ちを尊重しながらも、積極的にアプローチしていく姿が印象的です。ヘジンの不安を取り除き、安心感を与える優しさは、まさに理想の恋人と言えるでしょう。二人の初めてのデート場所が、かつて共に過ごした思い出の塾というのも、彼らの関係性を象徴するようで感慨深かったです。
また、脇役たちの存在も物語に深みを与えています。キム院長やナム・チョンミのさりげない気遣い、ソヨンの率直な助言など、周囲の人々の温かさが、ヘジンとジュノの恋を後押ししているようにも感じられました。今後の展開としては、二人の関係が公になった際に周囲がどう仮応するのか、そしてチェ・ヒョンソとの関係がどう変化していくのかが気になるところです。
つづく