チ・ソンイは、元夫を殺してほしいと便利屋に依頼するシーンから物語が始まります。ソンイは本気ではなく、58日間の結婚生活の後、離婚というレッテルを貼られ、慰謝料として「新婚の家」とそれに伴う全ての借金を受け取ったことに傷つき、怒りに満ちているのです。浮気現場をソンイに目撃された夫からの贈り物とは、なんとも皮肉なものです。ソンイは怒りを爆発させ、夫に汚れた下著を投げつけます。
ソンイは両親に電話で婚姻の無効を申し立てようとするが、穏やかで優しい性格のため、本当の理由を打ち明けられず、ただやり直したいとだけ伝える。ソンイの妹、チ・ウンジが精子バンクで子供を産むと決めた時、両親は大激怒したため、ソンイが真実を隠したのも無理はありません。ウンジも電話で両親に報告したのも頷けます。
ソンイは弁護士に相談しますが、「新婚の家」のためにローンを組んだ以上、離婚手続きが必要だと告げられます。ソンイは弁護士に「あなたは傷ついたことがないのか」と感情を露わにしますが、「これはビジネスだ、感情的になるな」と冷たく突き放されます。
次にソンイに降りかかる試練は、妹ウンジと、その可愛い幼児ジェイです。アメリカに住んでいたウンジとジェイは、ソンイの家に引っ越してきます。ウンジは、育児を手伝う代わりに金銭的な援助を申し出ます。
ソンイはジェイを幼稚園に送迎することになりますが、人見知りで質問攻めにされると固まってしまうため、ジェイの母親だと勘違いされてしまいます。ジェイが英語ペラペラなので、周りの母親たちはソンイに親しくしようとしますが、ソンイは沈黙で誤解を生んでしまいます。
さらに、ソンイの元親友チェ・ハナがジェイの幼稚園の母親の一人だったため、誤解はさらに深まります。ソンイの沈黙により、ジェイの母親ではないのに母親だと勘違いされてしまいます。
ジェイもこの噂に拍車をかけ、ソンイとジェイは嘘をつかない、情報を隠さない約束をします。「お手本を示す」ことへのソンイの葛藤はコミカルです。賢い子供に間違ったことを言うのが怖いのは誰しも経験があるでしょう。「目を閉じてじっとしているゲーム」はソンイの機転でした。二人の絆は見ていて微笑ましく、今後の展開が楽しみです。
最後に、トイレが水浸しになったソンイは、原因を作ったと思われる上の階の住人にトイレブラシを持って文句を言いに行きます。その隣人は、ソンイが「暗い過去」を持つ元彼でした。
初回は軽快で、心温まるストーリーでした。ソンイが人生を取り戻し、立ち直っていく姿を見たいものです。二人の姉妹と両親の家族関係も気になります。ジェイは賢い子供で、ウンジには秘密があります。誰が最初にその秘密に気づくのでしょうか?
第1話 感想
「結婚はしていませんがバツイチです」の第1話は、軽快なコメディタッチで描かれながらも、現代社会における女性の複雑な状況を巧みに映し出していました。主人公チ・ソンイの、わずか58日で結婚生活が破綻し、慰謝料として借金付きの家を押し付けられるという理不尽な境遇には、思わず同情してしまいます。怒りと悲しみに暮れるソンイの姿は、多くの女性の共感を呼ぶのではないでしょうか。
しかし、ソンイはただ悲しみにくれるだけでなく、ユーモアを交えて強く生きていこうとする姿が印象的です。元夫に下著を投げつけるシーンや、弁護士に食ってかかるシーンは、彼女の内に秘めた強さを垣間見せてくれます。また、甥のジェイとの心温まる交流は、このドラマの大きな魅力の一つと言えるでしょう。ジェイの純粋な心に触れることで、ソンイ自身も少しずつ癒されていく様子が丁寧に描かれています。
一方で、妹のウンジや両親との関係性、元親友ハナとの再会など、今後の展開を予感させる伏線も散りばめられていました。特に、ラストシーンで登場した元彼との再会は、今後のストーリーに大きな波乱を巻き起こしそうです。ソンイの過去に一体何があったのか、そして彼女を取り巻く人間関係はどのように変化していくのか、今後の展開に期待が高まります。全体を通して、テンポの良いストーリー展開と個性豊かなキャラクター、そしてソンイのコミカルな演技が光る、見応えのある第1話でした。
つづく