二人の対立はついに頂点に達し、激しい口論へと発展します。ユン・ヒジュが過去にチャン・グムジャの金を騙し取り、間接的に彼女の息子、チャ・ヨンナムの死に関わっていたことが明らかになります。チョン・ソヨンは、その金を奪還しようと必死になり、自らの命も顧みません。しかし、チャン・グムジャはその金は元々チョン・ソヨンのものだと考えており、事態はさらに混迷を深めます。
一方、キム・ドハクは倉庫で金を燃やすよう指示を受けます。この情報を得たユン・ヒジュはすぐにチョン・ソヨンに連絡。カン・テウもペク・スンジェから情報を得て、現場へ向かいます。危険を察知したオ・デヨンはカン・テウに銃を渡します。ホン・インピョはチョン・ソヨンがカン・テウに電話するのを気にしない素振りを見せますが、実際にはチョン・ソヨンはペク・スンジェに別れを告げるために電話をしていたのでした。
自宅で不安に駆られるユン・ヒジュを、イ・ジェフンは慰めようとします。チョン・ソヨンが死ねば金も消え、問題は解決すると。しかし、事態はそう単純ではありません。倉庫に到著したキム・ドハクは、同行していたソ・ミンギュが姿を消していることに気づきます。その後、様々な人物が現場に集結し、キム・ドハクが金を燃やすのを目撃します。その瞬間、レオンの指示でペク・スンジェがキム・ドハクを撃ちます。続いて、ユン・ヒジュが送り込んだ室長とペク・スンジェの手下が銃撃戦を繰り広げます。
カン・テウはペク・スンジェを逮捕。ペク・スンジェは、全てはレオンが仕組んだ罠で、金に群がる者たちを排除するのが目的だと明かします。燃やされた金は偽物だと告げ、チョン・ソヨンを助けるため本物の金の在り処を探すようカン・テウに頼みます。彼はチョン・ソヨンを海外に逃亡させ、資金洗浄を手伝ってくれる人物の名刺をカン・テウに渡します。そして、ペク・スンジェ自身はレオンを殺す計画を立てます。
カン・テウは金を見つけ、チョン・ソヨンに渡します。そして、イ・ジェフンに自首を勧めて、これ以上チョン・ソヨンの人生に関わらないと約束します。ペク・スンジェはレオンのもとへ向かいますが、重傷を負います。カン・テウが駆けつけ、彼を病院へ搬送します。負傷したキム・ドハクはチョン・ソヨンの金を奪って逃走しますが、タイヤがパンクし事故を起こします。証拠隠滅を図るレオンが現れますが、ホン・インピョに撃たれます。ホン・インピョは金を奪い逃走。レオンは死んだ部下に指輪をはめ、被害者を装います。
事故現場を通りかかったチョン・ソヨンは、被害者のように見えるレオンを病院へ運びます。病院でカン・テウと会い、兄の重傷を知ります。ペク・スンジェは重傷により死亡。レオンは病院をこっそり抜け出し、物語は更なる展開を予感させます。
第11話の感想
第11話は、息もつかせぬ展開で、まさに手に汗握る回でした。特に、倉庫での銃撃戦は緊迫感に満ち溢れ、誰が生き残り、誰が死ぬのか全く予想がつきませんでした。キム・ドハクが燃やしていたのは偽札だったという衝撃の真実は、レオンの狡猾さを改めて印象付けます。彼は、金に目がくらんだ人々を利用し、自らの手を汚さずに排除しようとしていたのです。
ペク・スンジェの最期は悲劇的でした。彼は利用されながらも、最愛のチョン・ソヨンを救おうと必死に足掻き、真実を明らかにしようとしました。カン・テウに託した名刺と、レオンへの復讐心は、彼の強い意誌を感じさせます。皮肉にも、チョン・ソヨンを救おうとした行動が、彼自身の命を縮める結果となってしまったのです。
ホン・インピョの行動も注目に値します。彼はこれまで何を考えているのか掴みづらい人物でしたが、今回、レオンを撃ち、金を奪うという大胆な行動に出ました。彼の真の目的は何なのか、今後の展開が非常に気になります。
つづく