チョン・ソヨンはチャン・グムジャの治療費と移植手術費用を賄うのに十分な約2億の借金回収に成功しました。一方、カン・テウはユン・ホソンに対するレオンの仕打ちをユン・ヒジュに伝え、ユン・ヒジュはカン・テウをボディーガードとして雇い、自身を囮にしてレオンを捕らえる計画を立てます。夫の仮対を押し切り、ユン・ヒジュはチョン・ソヨンからの借金を拒否します。

レオンはソ・ミンギュに自分を脅かす人物を探るよう命じますが、ソ・ミンギュは盗聴されていることに気づき、仮撃のため罠を仕掛けます。カン・テウはオ・デヨンにソ・ミンギュの監視を指示し、ハッカーのキム・ソクをユン・ヒジュの財閥に潜入させます。資金繰りに困ったイ・ジェフンは、ダニエル・キムと名乗るレオンに接触し、土下座してまで援助を請います。レオンは仕方なくDK投資会社の名で50億の資金をイ・ジェフンに提供しますが、ユン・ヒジュはその出所不明の金を使うことを拒否し、イ・ジェフンと激しく対立します。

ユン・ヒジュはカン・テウと共に手術費用を工面するため奔走する中、チョン・ソヨンは仲介人を 통해 匿名でユン・ヒジュに金を貸します。ユン・ヒジュとカン・テウが行動を共にしているのを見たチョン・ソヨンは、心中穏やかではありません。彼女はレオンの正体に疑念を抱きますが、レオンは直接答えず、VIP投資クラブへの加入を望む彼女を嘲笑します。ホン・インピョはソ・ミンギュに殺されそうになりますが、カン・テウの到著によって命拾いします。しかし、ホン・インピョはそれでもレオンの正体を明かそうとしません。

ホン・インピョは張家を訪れ、チョン・ソヨンとの復縁を望みますが、冷たく追い返されます。カン・テウはさらにユン・ヒジュの部下を助け、病院へ搬送します。カン・テウはその部下がレオンの素顔を知っていると考え、ユン・ヒジュの秘密を漏らしたのではないかと疑います。家を出たイ・ジェフンはレオンのもとへ向かい、VIP投資クラブの運営を任されます。

チャン・グムジャの移植手術中、カン・テウはチョン・ソヨンと短い会話を交わし、レオンは生きており、二人を見張っている可能性があると告げます。手術中、チャン・グムジャは突然レオンの顔を思い出します。チョン・ソヨンはユン・ヒジュに対し、東洋投資から借りた金は実は自分の金だとわざと明かします。ユン・ヒジュは自分が策略にはまったことに気づきますが、どうすることもできません。

レオンはチョン・ソヨンとイ・ジェフンに協力をさせ、ソ・ミンギュにカン・テウとホン・インピョを殺すよう命じ、失敗すればソ・ミンギュを殺すように指示します。イ・ジェフンは偶然レオンの正体を知り、カン・テウに密かに警告しようとしますが、レオンに気づかれてしまいます。これらの出来事が事態をさらに緊迫させ、登場人物それぞれの運命は風前の灯火となり、物語はクライマックスへと向かいます。

第27話の感想

第27話は、息詰まる展開で、各キャラクターの運命が大きく揺れ動く、まさに嵐の前の静けさを感じさせる回でした。チョン・ソヨンの機転と行動力によってチャン・グムジャの手術費用は確保されますが、その裏でレオンの陰謀は著実に進行し、物語はさらに複雑な様相を呈していきます。

特に印象的なのは、ユン・ヒジュの苦悩と決断です。愛する夫のため、どんな犠牲も払う覚悟で奔走する姿は胸を打ちますが、皮肉にもそれがレオンの罠にはまっていく要因となります。チョン・ソヨンからの借金を拒否するプライドと、夫の命を救いたい一心での葛藤は、彼女の置かれた状況の過酷さを物語っています。

カン・テウは、レオンの正体に迫りつつも、常に一歩及ばないもどかしさを感じさせます。ホン・インピョの救出劇やユン・ヒジュの部下の保護など、活躍の場面も多いものの、レオンの巧妙な策略によって翻弄される様子は、今後の展開への不安を掻き立てます。

レオンの冷酷さと狡猾さは、このエピソードでも遺憾なく発揮されています。イ・ジェフンを利用し、ユン・ヒジュを追い詰めていく様は、まさに悪の権化と言えるでしょう。ソ・ミンギュへの非情な命令からも、彼の目的達成のためには手段を選ばない残忍さが見て取れます。

つづく