チョン・ソヨンがメモリーカードを盗もうとするところをレオンに見つかり、二人は話し合うことに。レオンはホン・インピョから奪い返した金を見せ、99億ウォンが再び揃ったことを告げます。そして、チョン・ソヨンが自分に従うなら、全額彼女に渡すと持ちかけます。しかし、チョン・ソヨンはレオンの脅迫にも誘惑にも屈せず、金もレオン自身も拒絶します。
一方、ホン・インピョが手製の爆弾を持って現れた時、カン・テウは彼に金とチョン・ソヨンを連れて逃げるように言います。自身は残って時間を稼ぐつもりでした。しかし、チョン・ソヨンは資金洗浄専門家の名刺をホン・インピョに渡し、金を持って逃げるよう促し、自身はカン・テウを助けるために戻ります。結果、カン・テウは無事に脱出し、チョン・ソヨンと共にその場を離れます。
カン・テウは、弟が事件の捜査で危険な状況に陥っていることに気づき、チョン・ソヨンの助けがなかったとしても弟は助からなかっただろうと考え、彼女を許します。以前、弟が怪我をした際にチョン・ソヨンが救急車を呼ばなかったことを、ようやく理解したのです。同時に、レオンはユリの命を盾にユン・ヒジュを脅迫し、VIP投資クラブへの出席を強要します。ユン・ヒジュは仕方なく従いますが、心の中ではレオンを殺すことを誓います。
ホン・インピョは資金洗浄後、大金を持って国外逃亡を図りますが、土壇場で考えを変え、チョン・ソヨンの元に戻ります。投資家たちの前で、ユン・ヒジュはレオンが3年前に起こした投資詐欺事件を暴露し、レオンの計画は完全に失敗に終わります。カン・テウとチョン・ソヨンの助けもあり、ユン・ヒジュも無事に逃げ延びます。
その後、カン・テウとチョン・ソヨンは協力してレオンを追い詰めます。二人は巧妙にレオンを誘導し、自ら銀行口座のパスワードを入力させます。そしてキム・ソクがその資金を遮断し、レオンの全財産は消えてなくなります。騙されたと知ったレオンは激怒し、チョン・ソヨンとカン・テウを銃で撃ちます。その時、チョン・ソヨンを探しに来たホン・インピョがレオンと相打ちになり、共に命を落とします。
事件後、カン・テウは警察官に復職し、汚名を晴らします。チョン・ソヨンはチャン・グムジャに別れを告げ、タヒチで新しい人生を始めるため旅立ちます。出発前、彼女は銀行口座の情報が入ったUSBをユン・ヒジュに送り、一部をユ・ミラの息子に、残りは恵まれない子供たちに寄付するよう頼みます。
最後に、カン・テウは空港でチョン・ソヨンを見送ります。二人は別れを惜しみ、チョン・ソヨンはカン・テウが来るのを待つと約束します。カン・テウは彼女が外国で幸せに暮らすことを願います。
第16話の感想
「99億の女」第16話は、息詰まるような展開と感動的な結末で、視聴者を最後まで釘付けにしました。これまでの伏線が回収され、それぞれのキャラクターの運命が交錯する様は圧巻でした。
特に印象的だったのは、チョン・ソヨンの揺るぎない強さです。巨額の金を前にしながらも、自分の信念を曲げず、正義のために戦う姿は、まさにヒロインと呼ぶにふさわしいものでした。レオンの執拗な脅迫にも屈せず、最後まで希望を捨てなかった彼女の勇気には、心を打たれました。
また、カン・テウの成長も注目すべき点です。弟の死の真相を知り、苦悩しながらも、最終的にはチョン・ソヨンと共に正義を貫く決断をします。復讐ではなく、真実を明らかにすることを選んだ彼の姿は、真のヒーローと言えるでしょう。
そして、ホン・インピョの最期も忘れられません。悪役でありながらも、チョン・ソヨンへの一途な想いを貫き、最後は彼女を守るために命を落とします。彼の複雑な心情が、物語に深みを与えていました。
つづく