一面、花畑が広がる場所で、少女たちが鮮やかな赤い花を摘んでいる。その花は美しいが、猛毒を持つケシであった。少女たちはその花で丸薬を作っていた。その背後には、朝鮮王朝建国以来、影で権力を握ってきた秘密結社「辺首会」が存在していた。辺首会の首領であるテモクは、錦齢大君イ・ユンに対し、辺首会への入会の条件として、毎月満月の夜にケシで作った薬を飲むことを強要する。さもなければ、激しい苦痛に襲われ、死に至るという。イ・ユンは決意を固め、辺首会の掟に従うことを誓う。

十年後、宮廷では王妃が王子を身ごもり、重要な日を迎えていた。観象監の文書によれば、王子が亥の刻に生まれれば、民を救う明君になるという。王妃は全力を尽くし、亥の刻に王子を出産、イ・ソンと名付けられた。イ・ユンは息子を抱き、自分とは違う王に育てると決意する。しかし、辺首会のテモクは、朝鮮の水資源を支配下に置きたいという、とんでもない要求を突きつける。イ・ユンは息子の命を守るため、テモクの要求を呑まざるを得なかった。

時が経ち、イ・ソンは成長するが、常に仮面をつけ、その理由を知らずにいた。イ・ユンは病気で顔が崩れたためだと説明するが、イ・ソンは疑問を抱き、過去を調べ始める。そして、幼い頃、ウ・ボと御医のウチムが自分の治療に関わっていたことを知る。一方、イ・ユンはイ・ソンの妃を選ぶことになり、テモクの孫娘であるキム・ファグンも候補となる。しかし、キム・ファグンは王妃になることを望まず、宮中を自由に歩き回り、偶然イ・ソンの温室に入ってしまう。イ・ソンを雑用係と勘違いし、仕事を命じるキム・ファグン。イ・ソンは、キム・ファグンが素顔を見てしまい、命を狙われることを恐れ、彼女の口を塞ぎ、騒がないように言う。

キム・ファグンは、自分を救ったのが世子イ・ソンであることに気づき、その容姿に惹かれる。そして、テモクに世子嬪になりたいと告げるが、テモクは激怒する。テモクはキム・ファグンがイ・ソンの素顔を見たのではないかと疑い、殺し屋の坤にイ・ソンの身辺を探らせる。同時に、テモクはイ・ソンを捕らえ、辺首会に引き入れる計画を立てる。イ・ユンはイ・ソンを連れて雨乞いの儀式に向かうが、道中、民衆がイ・ソンの仮面について噂するのを聞き、イ・ソンは不快感を覚える。そこで、イ・ソンは付き人のチョンスと服と仮面を交換するが、この行動が思わぬ形で彼の命を救うことになる。

庶民の服を著たイ・ソンは、市場を歩き、一般の人々が味わうことのない自由を満喫する。しかし、高額な水を買うために苦労する人々の生活を目の当たりにし、衝撃を受ける。人々を助ける方法を考えていると、水を売っていた賤民が怒った民衆に打ちのめされる。混乱の中、イ・ソンは坤に追われ、逃げる途中でハン・カウンという美しい女性にぶつかる。この一連の出来事は、朝鮮社会の暗部を明らかにするだけでなく、イ・ソン自身の探求の旅の始まりを告げるものであった。

逃亡中、イ・ソンは多くの庶民と出会い、彼らの苦境を知る。真に事態を変えるためには、辺首会の秘密を暴き、水資源の独占を打ち砕かねばならないと悟る。物語が進むにつれ、イ・ソンとハン・カウンの絆も深まり、共に辺首会の脅威に立ち向かう。イ・ソンは真実を明らかにし、自らにかけられた呪いを解く方法を見つけることを決意し、同時に朝鮮に真の平和と繁栄をもたらすことを願う。これはイ・ソン個人の成長の物語であると同時に、朝鮮王国全体の運命の転換点でもある。

第1話の感想

「仮面の王 イ・ソン」第1話は、スピーディーな展開と、続きが気になる要素が満載で、一気に物語に引き込まれました。秘密結社「辺首会」の不気味さと、それに対抗する王と世子の苦悩が、緊迫感をもって描かれています。特に、世子がなぜ仮面をつけなければならないのか、その理由が徐々に明らかになる過程は、ミステリー要素もあって非常に興味深いです。

また、美しい映像と、登場人物たちの複雑な関係性も魅力的です。主人公のイ・ソンだけでなく、彼を取り巻く人々、特に、同じ名前を持つもう一人のイソンや、ヒロインのハン・カウン、そして謎めいたキム・ファグンなど、今後の展開に大きく関わってきそうなキャラクターたちが、物語をさらに盛り上げています。

時代劇ならではの、王宮内の権力争いや、民衆の苦しい生活なども描かれており、単なるロマンスにとどまらない、深みのあるストーリーが期待できそうです。

つづく