大妃は、チェ・ホン将軍が辺首会を討伐するために出兵する準備をしているという知らせを受け、非常に喜び、勝利を確信します。しかし、世子は、辺首会の実態を完全に把握できていない現状では、辺境の兵を動かしてもテモクの勢力を倒すことは難しいと判断します。また、内戦は外敵の侵入を招き、国を危機に陥れる可能性があるため、民を犠牲にして王位に戻ることはできないと考え、時期を待つことにします。
大妃はチェ・ホンが出兵しないことを知り激怒しますが、チェ・ホンは世子の命令に従ったのだと明かし、大妃は本物の世子が生きていることに衝撃を受けます。
世子は大妃に呼ばれて宮殿に行き、そこでハン・カウンに会います。カウンは「チョンス」への想いを抱きつつも、父の仇を討つために冷たい態度を取ります。カウンが世子にお茶を出すと、毒が盛られていることに気づき、急いで世子を探しに戻ります。すると、黒装束の男たちが世子を運び出し、手足を縛って深い淵に投げ込むのを目撃します。カウンは危険を顧みず水中に飛び込み、縄を切り世子を岸へ引き上げようとしますが、力尽きて意識を失います。二人は水に流され、岸辺に打ち上げられて一命を取り留め、抱きしめ合います。
世子はカウンを宮殿に送り届けますが、侍衛に見つかり、偽の王の前に連行されます。侍衛は、宮女が外部の男と密会していたため斬首すべきだと報告しますが、カウンと世子は罪を自分一人で負うと懇願します。偽の王は二人を見逃すことにします。
世子は、チェ・ホンが大妃に唆され、自分の命令を無視して辺首会討伐の準備を進めていることを知ります。戦乱を避けるため、世子はチェ・ホンと対立し、出兵を阻止しようとします。そして、キム・ファグンに協力を求め、辺首会を倒したいが民の命を犠牲にはしないと訴えます。
世子は今回の危機はテモクによるものだと考えますが、実は大妃がチェ・ホンの軍隊を手に入れるために仕組んだことでした。キム・ファグンはチェ・ホンの進軍計画をテモクに報告し、テモクは孫娘の言葉を信じて警戒を強めます。
偽の王は世子の正体を暴かず、安全のため温室で話をします。偽の王は、幼い頃からカウンを知っているのに、仮面をつけて会話をし、父の仇だと誤解されていることを世子に訴え、いつかこの状況を必ず取り戻すと決意します。
大妃の誕生日、テモクは脅迫として虎の血を贈り、これ以上つけあがるなと警告します。世子が贈り物を手に現れると、大妃とチェ・ホンは驚愕します。
第11話の感想
「仮面の王 イ・ソン」第11話は、様々な思惑が交錯し、緊張感が高まる回でした。世子イ・ソンは、民を犠牲にすることなく辺首会を倒すという難しい決断を迫られます。彼の苦悩と、それでも民を第一に考える姿勢に心を打たれました。
一方、大妃の策略によって命の危機に瀕する世子と、彼を救おうとするカウンの姿は、ハラハラドキドキの連続でした。二人が水中で助け合い、抱き合うシーンは美しく、感動的です。
偽の王イソンは、カウンへの想いと世子への嫉妬心を露わにし、今後の波乱を予感させます。また、大妃とチェ・ホン、キム・ファグンとテモク、それぞれの関係性も複雑に絡み合い、物語から目が離せません。世子が大妃の誕生日に現れたシーンで終わったため、次回の展開が非常に気になります。
つづく