ハン・カウンは後宮に選ばれましたが、大妃との約束は二次揀択まででした。大妃が自分の利益のために動いていることを悟ります。辺首会もこの事態を憂慮し、テモクは自分の息のかかった者を王妃にしようとしていましたが、大妃の計画が先行しました。世子はカウンを救うため、ウ・ボ先生が調合したケシの丸薬の解毒剤を使い、カウンの自由と交換しようとします。

世子は使者に解毒剤を託し、仮の王に届けさせます。しかし、仮の王は毒を疑い、宮女に試させたところ、宮女はその場で死亡。仮の王は世子に恨みを抱き、より大きな陰謀を企てます。彼はテモクに、自分が真の王になりたいという願望を伝え、真の世子が包袱商の頭領であると明かし、共に世子を倒そうと提案します。真実を知ったテモクは、孫娘のキム・ファグンが自分を欺き、世子を守っていたことに気づきます。怒ったテモクは、キム・ファグンの腹心である坤をひどく傷つけ、キム・ファグンに坤を殺すよう強要します。祖父の強硬な態度に、キム・ファグンは自害を試みますが失敗し、厳重に監視されることになります。

一方、世子はハン・カウンに手紙を送り、その夜に宮殿から連れ出す計画を伝えます。夜になり、カウンは変装して宮殿の門を抜け出そうとしますが、守衛に見つかり、仮の王にも知られてしまいます。仮の王はカウンを隠し場所に連れて行き、仮面を外して自分の正体が賤民のイ・ソンであることを明かします。旧友との再会にカウンは喜びますが、なぜイ・ソンが王宮にいるのか混乱します。仮の王は、5年前に真の世子が濡れ衣を著せて逃げたため、自分が長年辺首会に操られてきたと説明します。さらに、真の世子は冷酷な人物であり、包袱商の頭領こそが真の世子だとカウンに告げます。

カウンは「チョンス」公子が世子であるという事実を受け入れられず、苦しみ、迷います。世子との面会では冷たい態度を取り、直接世子を問い詰めます。世子は弁解の余地もなく、窮地に立たされます。カウンはこれが悪夢であってほしいと願いながらも、現実に向き合い、悲痛な涙を流し、世子もまた心を痛めます。

その後、世子は一人で王宮を離れ、仮の王はその隙にカウンに近づき、慰めと支えを与えます。一方、テモクは仮の王と世子の両方がカウンを愛していることが、二人の対立の原因の一つだと知ります。同時に、世子が送った解毒剤は、正常な人には緻命的だが、中毒者には効果があることを突き止めます。世子に仮の王を殺す意図はなかったものの、仮の王の狭量な考えが事態をさらに複雑にします。

世子は怒って仮の王に詰め寄りますが、仮の王は、カウンへの愛慕、真実を知らなかったこと、そしてテモクからの圧力により、理性を失い、世子を殺したいだけだと正直に告白します。仮の王は王位を諦めないと明言し、侍衛を派遣して世子を包囲します。グァンヨルの助けで世子は辛うじて逃れます。世子が逃げたことを知ったテモクは、カウンを誘拐し、世子に姿を現すよう強要します。カウンを救うため、世子は自身の危険を顧みず、単身で救出に向かう決意をします。この回では、愛憎、権力闘争が絡み合い、今後のさらなる激しい衝突を予感させます。

第14話の感想

『仮面の王 イ・ソン』第14話は、登場人物たちの感情が激しく揺れ動く、非常に見ごたえのある回でした。特に、仮の王であるイ・ソンがカウンに正体を明かすシーンは、衝撃的であると同時に、彼の苦悩と孤独が伝わってきて胸が痛みました。世子とイ・ソン、二人の間で揺れ動くカウンの心情も丁寧に描かれており、彼女の涙には共感せずにはいられません。

また、テモクの孫娘であるキム・ファグンが、祖父に逆らい世子を守ろうとする姿も印象的でした。彼女の行動は、単なる恋愛感情だけでなく、正義感や人間としての葛藤を感じさせます。

つづく