ウ・ボ先生は世子に、朝鮮の全ての民の幸福を担う者だと諭す。世子も、自分が無事でこそ辺首会を倒し、王位を取り戻せると理解していた。しかし、最愛のハン・カウンが危険な場所に囚われており、放ってはおけない。世子は、テモクに会うため、一人でテモクの陣営へ向かう。テモクは、苦労して捕らえようとした世子が、女のために自ら罠にかかったと嘲笑う。テモクはカウンを解放せず、監禁を続ける。カウンは世子の深い愛情を感じ、心揺さぶられる。

テモクは世子に、素性を隠していた目的を尋ねる。世子は、辺首会を倒すことだと答える。テモクは、自分も同じ目的を持つと言い、朝鮮は良い国ではなく、このままでは貧しい民は生きていけないと主張する。テモクは世子に、共に手を組み、強国を築こうと持ちかける。しかし世子は、テモクは人の命を軽んじる黒幕であり、新しい時代を語る資格はないと仮論する。テモクは、世子は王家に生まれた幸運があるだけだと、資格を否定する。そして、イ・ユンがかつてテモクと手を組み、先王を殺して王位についたという過去を明かす。世子は、父の非情な行いに衝撃を受ける。

その頃、キム・ファグンは世子が捕らえられたと知り、テモクに世子を傷つけないよう泣いて懇願する。テモクが去った後、キム・ファグンは世子に、辺首会は莫大な財を持ち、国を変え、王になる手助けができると説得する。そして、自分も世子のそばで力になりたいと告げる。世子は、既に愛する女性がいると謝る。キム・ファグンは涙を流し、王妃になりたいのではなく、世子の無事を願っているだけだと、たとえ心が手に入らなくても構わないと告げる。

キム・ファグンは怒ってカウンを訪ね、平手打ちをして世子を苦しめていると責める。カウンは、世子が父の仇ではないと知る。チョンウンが危険を冒して現れ、世子の仮面をつけてカウンの父を殺したのは自分だと告白する。チョンウンは捕らえられ、既に失明していた。ハン・カウンは悲しみに暮れ、世子を誤解していたことを悟る。テモクは世子を入会させようとし、キム・ファグンの父は娘に、世子の解毒を手伝うと告げる。一方、偽の王もカウンが捕らえられたことを知り、テモクにカウンの解放を求めるが、テモクはもはや偽の王を駒として使うつもりがなかった。キム・ファグンを王妃にし、世子を王位につけ、自分が朝廷を操るつもりだった。

テモクは世子に入会を強要し、アヘンを服用させる。さらにハン・カウンの命を盾に脅し、世子はやむなく飲み幹す。世子は苦しみ、血を吐く。テモクは通常の三倍の量を飲ませ、世子を殺そうとしたのだ。世子はハン・カウンの腕の中で目を閉じ、カウンは悲痛な叫びをあげる。テモクは世子を外に捨てるよう命じる。

偽の王と大妃は王妃を決め、宮中で大臣たちを招いて宴を開く。ウ・ボ先生は異変を察知し、わざと殿前で狂ったふりをして追い出される。案の定、偽の王は大妃と、辺首会を裏切った一部の大臣たちの酒にアヘンの汁を盛っていた。これにより、朝廷全体がテモクの手に落ちることになる。これが、偽の王とテモクの取引だった。この条件で、テモクはカウンを解放することにした。偽の王は造幣権を揚水庁に渡そうとするが、ウ・ボ先生ら生き残った臣下たちは強く仮対するも、無駄に終わる。

第15話の感想

第15話は、愛と陰謀、そして真実が交錯する回でした。世子が愛するハン・カウンのために自ら危険に飛び込む姿は、彼の人間性と王としての責任感の葛藤を強く印象付けました。テモクとの対峙では、互いの正義がぶつかり合い、物語の緊張感を高めています。特に、世子の父の過去が明らかになる場面は衝撃的で、今後の展開に大きな影響を与えるでしょう。

キム・ファグンの世子への献身的な愛、そしてカウンが真実を知り、誤解が解ける場面は、それぞれのキャラクターの感情が繊細に描かれていて、心を打ちました。偽の王の策略と、朝廷が辺首会に支配されていく様子は、今後の波乱を予感させ、目が離せません。世子が毒により倒れるシーンは、この話のクライマックスであり、視聴者に強い衝撃と悲しみを与えました。

つづく