辺首会は朝廷を掌握し、ウ・ボに世子とチョンウンが死んだと告げる。ウ・ボは辺首会の悪行に天罰が下ると叫び、怒りを露わにする。一方、世子は郊外で意識を取り戻し、辛うじて生き延びていた。
テモクは、大妃を西宮へ追いやった上、側近たちを遠ざけ、自分の息のかかった者たちを代わりに配置した。大妃は激怒するが、なす術がない。テモクは偽の王の家族を宮中に迎え入れ、偽の王は母親との再会に感動し、仮面を外して抱き合う。
その後、偽の王は母親をハン・カウンに会わせる。二人は偽の王の正体が露見することを恐れるが、偽の王は過去の生活に戻る気はなく、父の仇である揚水庁の庁長を捕らえ、密かに拷問し復讐を果たす。
キム・ファグンは世子を失い、生きる意味を見失っていた。大辺首の職務に就くも、以前の明るさは消え失せている。テモクは孫娘の変化を喜び、世子を殺したことをまだ責めているのかと尋ねる。キム・ファグンはテモクに、かつて大切な人を失ったことがあるかと問い返す。テモクは愛する人を失った後、冷酷になり辺首会を創設したと明かす。キム・ファグンは意味深な笑みを浮かべ、何かを企んでいる様子を見せる。
世子は辛くも生き延び、ケシの花の丸薬を製造する秘密の場所に潜入する。そこで子供たちが毒に直接触れ、中毒で死ぬと運び出される光景を目撃し、衝撃を受ける。世子は危険を冒して侵入するが、見つかってしまい、顔を見られる前に逃走する。テモクは侵入者があったことを知り激怒し、捕縛を命じる。一方、ウ・ボもケシ畑を探しており、都からそう遠くない場所にあると推測する。彼は、解毒剤を作って家臣たちを救い、辺首会の悪事を阻止しようとする。
キム・ファグンはケシ畑で、コンに自分の目的を明かす。キム・ファグンは、世子の願いを葉え、テモクから最も大切なものを奪うため、ケシ畑に火を放つことを決意していた。
偽の王はハン・カウンを後宮に入れることを強行する。幼い頃からカウンを慕っていた偽の王は、望みが葉い、誰も自分からカウンを奪えないと信じている。しかし、ハン・カウンの心は世子だけのものであり、他の誰かを愛することはできなかった。
チョンウンもケシ畑に監禁されていた。キム・ファグンは坤と共に救出に向かう途中、世子と遭遇する。キム・ファグンは生きていた世子を見て涙を流し、抱きしめる。チョンウンは片目を失明していたが、命に別状はなかった。世子は子供たちを救出し、ケシ畑を焼き払う計画を立てる。世子とチョンウンは子供たちを解放するが、辺首会の者に妨害される。キム・ファグンが現れ、手下たちを製止し、世子を逃がす。キム・ファグンは、たとえ自分が犠牲になっても、世子の味方になることを決意していた。キム・ファグンは坤に世子を護衛させ、自分はケシ畑に火を放つために戻る。
第16話の感想
第16話は、激動の展開で息つく暇もありませんでした。世子が生きていると知った時の安堵感と、偽の王が完全に悪に染まっていく姿の対比が印象的です。特に、偽の王が父の仇を拷問するシーンは、彼の心の闇を如実に表していました。
キム・ファグンが世子のためにケシ畑を燃やす決意をする場面は、彼女の愛と覚悟が感じられ、胸が熱くなりました。犠牲を覚悟で行動する彼女の姿は、この物語の大きな転換点になったと思います。
また、子供たちが毒に侵され死んでいく様子は、辺首会の非道さを改めて浮き彫りにし、世子が彼らと戦う理由を強く印象付けました。ウ・ボが解毒剤を作るために奔走する姿も、希望を繋ぐ重要な要素でした。
つづく