刑場で、漢城府左尹は死を迎えようとしていた。彼の娘、ハン・カウンは刑場に駆け寄り、仮面をつけた殿下に父の命乞いをする。民衆もまた、左尹の助命を嘆願する。しかし、左尹は世子の命を偽った罪を自ら認め、罰を受けると宣言する。ウ・ボ先生は、この光景を悲痛な思いで見つめていた。
仮面をつけていたのは、本物の世子ではなく、チョンウンだった。イ・ユンは、世子が手を下せないことを知り、彼に死刑執行を代わらせたのだ。本物の世子が到著した時、左尹は既に処刑され、カウンは悲しみのあまり気絶してしまう。世子は深い悲しみと怒りに包まれる。
ウ・ボ先生はテモクを訪ね、過去を回想する。テモクはかつて、妻を無実の罪で失い、ウ・ボ先生に助けを求めた。ウ・ボは、愛する人を守るためには弱者から強者になるしかないと助言した。テモクは権力の道を歩み、辺首会を創設、朝鮮で最も権力を持つ人物の一人となった。しかし、ウ・ボ先生はテモクが権力を乱用し、民を苦しめていると非難する。テモクは自らの行いを省みず、ウ・ボは失望し去っていく。
世子はウ・ボ先生を訪ね、辺首会を完全に滅ぼす方法を問う。ウ・ボ先生は、全く新しい視点から問題を見るよう助言する。キム・ファグンは、失意の世子を心配するが、彼女はテモクの孫娘であり、複雑な思いを抱えていた。テモクは三日後に入団式を行い、イ・ソンを辺首会に加入させる計画を立てていたため、イ・ユンは世子と同名の人物を替え玉として探すことに奔走する。
父を失ったカウンは悲しみに暮れ、忠臣を殺した世子に問いただしたいと願う。世子はカウンの悲しみに共感するが、真実を告げることができない。一方、賤民のイ・ソンは、世子に代わり入団式に参加することを自ら申し出る。世子はテモクの助言を思い出し、これは良い策だと考える。イ・ユンはイ・ソンの動機を疑うが、テモクのスパイでないことを確認し、彼が世子を装うことを許可する。
世子はカウンを見舞い、慰めの言葉と共に、永遠に守ると約束し、愛の証を贈る。カウンは父の遺品を整理する中で、世子が左尹に宛てた命令書を発見する。父が世子の命に従ったにも関わらず、濡れ衣を著せられ殺されたことを知り、怒りに震えるカウンは宮殿の前で旗を切り、世子との対面を要求する。
イ・ソンは入団式に臨み、テモクは彼の仮面を剝ぐ。坤とキム・ファグンは、彼が偽者だと即座に見抜くが、それを明かさない。テモクは軍を率いて王宮を攻撃。禁軍別将とイ・ユンが窮地に陥る中、本物の世子が到著し、とっさにイ・ユンを「父上」と呼ぶ。これによりテモクは本物の世子を見破る。テモクの手下は世子を捕らえ、テモクはイ・ユンを惨殺する。同時に、イ・ユンの母も辺首会に毒殺され、真実を問いに来たカウンに、左尹を殺した真犯人は辺首会だと告げ、「チョンス」に東宮の壺を渡すよう言い残し息絶える。
『仮面の王 イ・ソン』第4話 感想
第4話は、まさに怒涛の展開でした。忠臣であった漢城府左尹の処刑は、あまりにも悲しく、理不尽さに胸が締め付けられます。仮面をつけた偽の世子、そして本物の世子の苦悩、父を失ったハン・カウンの悲痛な叫び、全てが重くのしかかります。
テモクとウ・ボ先生の過去も明らかになり、辺首会の恐ろしさがさらに際立ちました。権力に取り憑かれたテモクの姿は、ウ・ボ先生の言うように、まさに「怪物」です。
失意の世子を支えるキム・ファグンの存在は、一筋の光のようですが、彼女の立場も複雑で、今後の展開が気になります。また、賤民のイ・ソンが世子の替え玉となることを申し出る場面は、新たな波乱を予感させます。
つづく