賤民の身でありながら王の替え玉となったイ・ソンは、ハン・カウンを宮中に呼び、生活の困窮を尋ね、多くの金銀財宝を与えようとする。しかし、ハン・カウンは涙を浮かべ、父の無実を晴らすことだけを願う。イ・ソンは、想い人に寄り添うつもりが、彼女の辛い過去を思い出させてしまい、苦悩する。宮門を出たハン・カウンは世子と出会い、世子はカウンを心配して来たことを明かす。二人は言葉を交わすうちに、互いに好感を抱く。
大妃は、王がハン・カウンに目をかけていることを知り、裏があると疑う。辺首会の首領であるテモクもその情報を掴み、部下にハン・カウンの周りに王と同年代の少年がいないか調べるよう命じる。大辺首が銅を失ったことを父に告げると、テモクは奪還を命じ、再び失敗すれば大辺首の地位を剝奪すると厳しく言い渡す。大妃は、包袱商の頭領が気骨のある若者だと知り、興味を持つ。
ハン・カウンが宮中に薬草を届けに行くと、イ・ソンは辺首会がカウンを苦しめるのではないかと心配する。カウンは父の無実を晴らしたいと強く願うが、傀儡であるイ・ソンにはその力がない。大妃はハン・カウンを四品淑媛にし、亡き京兆府左尹の復讐を助けると約束する。この知らせにイ・ソンは驚き、自分はカウンに相応しくないと感じる。
辺首会は造幣権を掌握しようとし、大妃はハン・カウンを人質に、イ・ソンに造幣権の許可を出さないよう脅す。イ・ソンは病と偽り朝廷を欠席するが、テモクはイ・ソンの本心を見抜き、命令に従わなければケシ花丸を与えないと脅迫する。世子はウ・ボに朝廷で発言するよう頼み、ウ・ボは渋々承諾する。ウ・ボは朝廷で、銅を密輸したのは海賊ではなく邪悪な者たちだと王に報告する。大辺首は銅を取り戻せず、造幣権も得られなかったため、テモクは激怒し、息子の地位を剝奪し仮省を促す。
世子は大妃に謁見する。以前は仮面をつけていたため、大妃を含め誰も彼を知らないが、大妃は目の前の包袱商の頭領が先王に酷価していることに驚愕する。世子はウ・ボとパク・ムハを推薦し、辺首会と対決する決意を示し、大妃の好感を得る。パク・ムハは吏曹正郎となり、世子に感謝し、忠誠を誓う。大妃がハン・カウンの父の無実を晴らすと約束したため、カウンは感謝の叩頭をする。大妃はカウンの聡明さを気に入り、宮女として自分の密偵にし、イ・ソンを監視させようとする。カウンは世子の装身具がチョンスのものと同じであることに気づき、包袱商の頭領の正体を疑い始める。彼女が世子に問い詰めようとしたその時、二人を黒装束の者たちが襲撃する。世子は重傷を負い、カウンは頭領がチョンスであることを確信し、彼を抱きしめる。
第8話の感想
第8話は、それぞれの思惑が交錯し、物語が大きく動き出す回でした。
まず、仮面の王イ・ソンは、愛するハン・カウンのために何かをしたいと願いながらも、彼女の父の無実を晴らすことができず、無力感に苛まれます。一方、世子イ・ソンは、ハン・カウンとの距離を縮めつつも、彼女が抱える悲しみに寄り添えないもどかしさを感じています。
大妃とテモクは、それぞれハン・カウンを利用しようと画策し、宮廷内の権力争いは激化。特に、大妃がハン・カウンを宮女にし、イ・ソンを監視させようとする展開は、今後の波乱を予感させます。
また、大辺首の失態と、それに対するテモクの怒りは、辺首会内部の亀裂を浮き彫りにしました。世子がウ・ボとパク・ムハを朝廷に送り込み、辺首会との対決姿勢を明確にしたことで、物語は新たな局面を迎えます。
つづく