『わずか1000ウォンの弁護士』は、全14話予定だったが、12話に短縮された。視聴率は好調であるにもかかわらずエピソードが削減されるのは異例。制作側は物語をより良くまとめるためと説明しているが、裏事情があるのではないかとの憶測も呼んでいる。

第9話では、悲劇的な過去のエピソードから一転、最初の5話のようなコミカルな雰囲気に戻る。

検事のナ・イェジンはチョン・ジフンの話をまとめ、ペク・マリはそれを聞いて酔っ払い、号泣する。マリは「1000ウォン弁護士」の事務所の背景にある物語を知り、感傷的な眼差しでジフンを見つめる。しかし、翌日しらふに戻ったマリは、ジフンに優しく接し、コーヒーを淹れようとするなど、普段とは違う態度を見せる。ジフンはマリが何か隠していると感じるが、マリは全てを打ち明けない。

一方、事務員の事務長は、愛車が故障し、代わりの車を探す羽目に。ネットで見つけた中古車を販売店に見に行くが、これが今回の事件の発端となる。このエピソードでは、『ザ・ベール』からのカメオ出演が多く、見どころの一つとなっている。

事件は、事務長が詐欺に遭い、それを知ったジフンが、独自のやり方で解決に乗り出すというもの。ジフンはマリを「いとこ」として、販売店に潜入捜査を行う。

偶然にも、検事のナ・イェジンとソン・ミンヒョクもこの事件を捜査しており、最終的にジフンと協力し、巨大な詐欺組織を摘発する。

事件そのものは特筆すべき点はないが、コメディ要素が満載で、笑いを誘うシーンが多い。しかし、エピソードの終わりには、物語の進展はほとんどなく、本筋から外れた展開に不満を感じる視聴者もいるかもしれない。

検事ナ・イェジンの娘のエピソードは、今後何らかの役割を果たすのか、単なる楽しいディテールなのかは不明だが、ミンヒョクが彼女の前でメロメロになり、子守りをするシーンは、ジフンとの奇妙なシーンと並んで、このエピソードのハイライトの一つと言える。

視聴率は依然として高い(約15%)ものの、物語の展開については疑問が残る。これまでのエピソードで築き上げてきた、現在の陽気さと解決を必要とする悲劇的な過去を、うまく融合させたストーリーを期待したい。

エピソードの最後には、マリと事務長が新たな謎めいた依頼人をもてなす。そこにジフンが現れ、依頼人と対峙する。ジフンはかろうじて平静を装っているが、握りしめた拳が彼の感情を物語っている。

つづく