夜陰に包まれたある夜、暗行御史が普通の役人の扮装で守令の屋敷を訪れた。守令は屋敷から出て、黄金に加工できる石材を満載した荷車を見て、目を輝かせていた。その時、遠くから鉦や太鼓の音が響き渡り、「暗行御史だ!」という叫び声が上がった。守令が振り返ると、暗行御史が令牌を掲げているのが見えた。暗行御史は部下の助けを借りて守令一行を捕らえ、以前鋳造した金塊の行方を問い詰めた。その時、黒装束の一団が突如現れ、暗行御史に矢を放った。暗行御史は黒装束の頭領の顔を見て驚き、二人は激しい戦いを繰り広げたが、暗行御史は頭領に殺されてしまった。

一方、都で有名な妓生、ホンランの元に役人が訪れ、ホンランへの愛を誓っていた。役人はその証として匕首を取り出し、自分の体に突き立てようとした。ホンランは役人の偽りをすぐに見抜き、止めようとはせず、ただ役人が自分を傷つけるのを待っていた。ホンランが止めないのを見て、役人は戸惑い、ホンランに挑発されると、叫び声を上げながら匕首を自分の体に突き刺そうとした。その様子を見ていたソン・イギョムは、跳び上がり役人を蹴り倒し、自殺を阻止した。

新しい暗行御史を選定することになった都承旨チャン・テスンは、ソン・イギョムに目をつけ、牢獄から彼を呼び出し、暗行御史に任命した。暗行御史になったソン・イギョムは、有頂天になり、チュンサムと共に街を練り歩き、皆に自分が暗行御史だと知らしめようとした。

ソン・イギョムの軽率な行動を見た都承旨は激怒し、ソン・イギョムとチュンサムを軟禁した。黒い袋を頭から被せられた二人は、協力して扉に体当たりし、なんとか扉を壊して外に出た。ちょうどそこに都承旨が現れ、ソン・イギョムとチュンサムは土下座して謝罪した。チュンサムはソン・イギョムのために弁解し、都承旨は軟禁の理由を説明した。暗行御史になったばかりのソン・イギョムが街中で身份を誇示していたため、暗行御史としてあるべき慎重さを欠いていると判断し、反省を促すために軟禁したのだと。

出発の日、都承旨はソン・イギョムを呼び出し、街を出たらホン・ダインという人物と合流し、共に捜査を行うように指示した。チュンサムと共に城門まで来たソン・イギョムは、ホン・ダインを待っていた。その時、ホンランが勢いよくソン・イギョムの前に現れた。振り返ったソン・イギョムはホンランだと気づき、驚愕した。なんとホン・ダインとはホンランのことだったのだ。ソン・イギョムは信じられないという表情でホン・ダインを見つめ、呆然としていた。ホン・ダインもまた、合流相手がソン・イギョムだとは思っておらず、驚きのあまり立ち尽くしていた。その時、遠くから多くの兵士がホン・ダインを追いかけてきた。

第1話の感想

『暗行御史』第1話は、ミステリーとコメディが絶妙に絡み合い、今後の展開に期待を抱かせる始まりだった。冒頭、暗行御史が殺害される緊迫したシーンから一転、ソン・イギョムと妓生のホンランとのコミカルな出会いが描かれ、物語の緩急が心地よい。

ソン・イギョムは、一見軽薄で頼りなさそうに見えるが、自殺しようとする役人を咄嗟に救う機転の良さを見せる。都承旨に見出され暗行御史に任命されるも、その立場を理解せず街中で騒ぎ立てるなど、未熟さも露呈する。しかし、その未熟さゆえの明るさと素直さが、物語に軽妙な雰囲気を加えている。

一方、ホンランは、妓生としての妖艶さと、鋭い洞察力、そして芯の強さを併せ持つ魅力的な女性として描かれている。ソン・イギョムとの再会、そして彼女が実は“ホン・ダイン”という暗行御史のパートナーであるという意外な展開は、今後の二人の関係性をより一層興味深いものにしている。

最後に官兵に追われるホンランの姿は、彼女が何らかの事件に巻き込まれていることを暗示し、物語に緊張感を与えている。ソン・イギョムが暗行御史としてどのように成長していくのか、そしてホンランとの関係、彼女が抱える謎など、様々な伏線が散りばめられた第1話は、視聴者の心を掴んで離さない魅力に溢れている。今後の展開から目が離せない。

つづく