舞台は朝鮮王朝時代。 戦乱が続き、民の暮らしは不安定。そんな世の中で横行するのが「ポッサム」と呼ばれる、いわば訳ありの女性を誘拐まがいに連れ去り、再婚させる裏稼業。我らが主人公バウと相棒のチュンベは、このポッサムで日銭を稼ぐアウトローコンビです。
冒頭から、バウが壁に張り付いてターゲットを物色中。一方、その頃、お屋敷の中では王女スギョン(ファイン翁主)が絵を描いています。そばにいるチョ尚宮が覗き込むと、なんと王女様、男がポッサムしている絵を描いてるじゃありませんか! どうやらこの「ポッサム」に興味津々の様子。でも、チョ尚宮にはその好奇心が理解できないみたいですね。
さて、バウとチュンベは早速ポッサムを実行。依頼された女性を連れ出します。この女性、どうやら覚悟の上だったみたい。帰り道、役人に見つかりそうになりますが、バウが囮になってチュンベを逃がします。チュンベは依頼主から12両受け取ったのに、バウにはたったの5両しか渡さない! バウは気づいてるけど、まあ、いつものことかとスルー。チュンベは「ちゃんとあの女の人を大事にするように言っといたからな!」と恩着せがましい(笑)。
その後、二人は賭場で一儲けしようとするも、イカサマがバレて大乱闘! バウも怪我しちゃいます。バウって、お節介で正義感が強い(?)ところがあって、別の場所で貴族同士の喧嘩が起こってると聞くと、最初は「貴族は無理!」って言ってたのに、結局、立派な服に着替えて乗り込んじゃうんです。
そこでバウ、なんと詩を詠んで場を収めようとする! 大抵の人は「おぉ…」ってなるんだけど、一人だけ、鋭い目つきの男がバウのハッタリを見抜きます。バウはさらに、特製の「混沌酒」(たぶん、すぐ酔っぱらうヤバい酒)を振る舞い、笛まで吹いて場を盛り上げ(?)ます。
一曲終わると、みーんな酔いつぶれてる! バウの策略を見抜いた男だけが拍手喝采。この男こそ、イ・デヨプ。バウはとっさに「キム・デソク」と名乗ります。デヨプは「こいつ、ただ者じゃないな」と興味津々で友達になろうとしますが、バウは警戒して距離を置きます。この出会いが後々どう影響するのか…?
家に帰ったデヨプは、チョ尚宮から、義理の姉である王女スギョンが自分の帰りを心配して眠れずにいたことを聞かされます。そう、この二人、幼なじみだったのに、運命のいたずらで小舅(こじゅうと)と兄嫁という関係になっちゃったんです。デヨプはさっき出会った「キム・デソク」(=バウ)との面白い出来事をスギョンに話します。そこへ母親のイ氏夫人が登場。デヨプの素行の悪さを叱り、スギョンにもチクリ。デヨプは母親の矛先を自分に向けさせてスギョンをかばいます。
この日は、デヨプの亡くなった兄(つまりスギョンの夫)の命日。スギョンはお寺へ供養に向かいます。
一方、政治の場面では、デヨプの父であり朝廷の重鎮、左議政(チャイジョン)イ・イチョムが息子たちに新しい税法(宣恵法)について意見を求めます。デヨプは「民には良いことだが、地主には…」と真っ当な意見を言いますが、父イ・イチョムは「世の中に当たり前のことなどない」と、なにやら含みのある様子。権力者の冷徹さが垣間見えますね。
バウが家に帰ると、息子のチャドルにお説教されます。「父さん、またポッサムなんかして危ないよ!」って。しっかり者の息子です。バウは息子の心配を素直に受け止め、「もうしない」と約束します。息子が彼の生きる希望なんですね。
その後、市場でスギョンとチョ尚宮は、バウが子供たちのために借金取りと一悶着起こしている場面に遭遇。チョ尚宮は「あの人、素敵!」と目を輝かせますが、見ていた僧侶は「無鉄砲すぎる」と苦言。
バウがチュンベと飯を食っていると、またチュンベがポッサムの話を持ちかけます。バウは息子との約束があるから断るんですが、「奥さんのこと、まだ引きずってるのか?」なんてチュンベに言われてカチン! 結局、チュンベのしつこい頼みに負けて、「30両なら」と、今回限り(のつもり)で引き受けてしまうんです…。ああ、バウ…。
デヨプは剣術の腕も一流。父イ・イチョムはデヨプの才能を高く評価し、「お前ならすぐにでも朝廷で活躍できる」と言い、何やら重要な任務を与えます。これもまた、後々の伏線になりそうですね。
バウは息子チャドルを連れてお寺へ。例の市場での一件で、知り合いの老僧侶からお仕置き(藤の鞭!)を受けます。「お前の父親に恥をかかせるな」と言われますが、バウは「俺は悪くない」と反発。
ちょうどその頃、お寺に来ていたスギョン。亡き夫の供養を終え、空を飛ぶ鳥を見て、自分の不自由な身の上を嘆きます。ふと、物思いにふけるバウの姿が目に入り、彼にも自分と同じような悲しみがあるように感じます。チョ尚宮にからかわれながら、二人はお寺を後に。この瞬間、二人の間に何か通じるものがあったのかもしれません。
そして、運命の夜。
バウとチュンベは約束のポッサムへ。ところが、チュンベが酒を飲みすぎて、なんとターゲットの家を間違えるという大失態! しかも、間違えて連れ去ったのは…まさかの王女スギョン!!
さらに悪いことに、本来の依頼主が家で何者かに殺害されていたことが判明! ポッサムするはずだった相手(依頼主)がいなくなってしまったのです。バウは、まだ布に包まれたままのスギョン(とは知らずに)を、仕方なく自分の家に連れ帰ります。
家では、息子のチャドルが「父さんがお母さんを連れて帰ってきた!」と、その「包み」に興味津々。
翌朝、バウがチュンベと対策を練ろうとした矢先、依頼主が殺されたことを知ります。連れてきた「包み」は、行き場のない「無主の物」になってしまった…。
そして、チャドルが好奇心からその包みを開けてみると…
中から出てきたのは、なんと王女様ご本人!!
事態を把握したバウ、顔面蒼白! そりゃそうだ! 王女様を誘拐しちゃったんだから!
さあ、どうするバウ!? 第1話からとんでもない展開です!
つづく