東宮（とうぐう）～永遠（とわ）の記憶に眠る愛～感想と評価

最近、話題のドラマ『東宮(とうぐう)～永遠(とわ)の記憶に眠る愛～』を観て、その奥深いストーリーと複雑な人間模様に魅了されました。特に、鳴玉坊(めいぎょくぼう)での刺殺事件は、物語の大きな転換点となり、登場人物たちの運命を大きく左右しました。

この事件の責任は、多くの人が顧剣(こけん)に帰していますが、私はそうとは思いません。確かに、顧剣(こけん)は命令に背いて明月(めいげつ)を逃がしましたが、それは彼なりの葛藤と愛ゆえの行動だったと考えるからです。

そもそも、鳴玉坊(めいぎょくぼう)での刺殺計画自体が、大きな欠陥を抱えていました。それは、人間の本質である愛や忠誠を軽視し、冷酷な策略に頼りすぎたことです。柴牧(しばまき)のような法家思想に囚われた人物は、人心を無視した策略を好みますが、それは必ずしも成功するとは限りません。

顧剣(こけん)は、明月(めいげつ)への愛と忠誠心の間で苦悩し、葛藤を抱えていました。彼は、李承鄞(りしょうぎん)の冷酷な策略に疑問を抱き、明月(めいげつ)を利用することに反対していました。そのため、鳴玉坊(めいぎょくぼう)での刺殺計画にも消極的だったのです。

しかし、柴牧(しばまき)は顧剣(こけん)の葛藤を利用し、彼に刺殺を実行させようとしました。柴牧(しばまき)は、顧剣(こけん)が明月(めいげつ)を愛していることを知っており、その愛を利用すれば、計画が成功すると考えたのです。

顧剣(こけん)は柴牧(しばまき)の思惑通りには動きませんでした。彼は、明月(めいげつ)を愛するあまり、彼女を殺すことができず、李承鄞(りしょうぎん)に反旗を翻しました。この事件は、李承鄞(りしょうぎん)の策略の失敗を象徴するものであり、愛と忠誠を軽視した結果、大きな代償を払うことになったのです。