感想·評価一覧
甄嬛(しんけい)は、最初は純粋で善良な少女でしたが、後宮での様々な経験を経て、次第に冷酷で強かな女性へと変貌していきます。彼女は、後宮での権力闘争に巻き込まれ、様々な苦難を経験します。しかし、その中でたくましく成長し、最終的には皇后の座に上り詰めます。
安陵容(あん・りょうよう)は、甄嬛(しんけい)とは対照的に、小心で卑屈な性格です。彼女は、後宮での地位を確立するために、様々な策略を巡らせます。しかし、その策略は裏目に出て、最終的には悲劇的な結末を迎えます。
甄嬛と安陵容は、愛と憎しみの狭間で揺れる女たちです。彼女たちは、それぞれに異なる境遇と性格を持っていますが、どちらも後宮という特殊な環境の中で、自分の生き方を模索しています。
雍正帝(ようせいてい)・胤禛(いんしん)は、一見すると尊大で冷酷な皇帝のように見えます。しかし、その内面は矛盾と葛藤に満ちています。プライドが高く、自分の非を認めようとしない一方で、愛する女性の苦しみには心を痛める。また、真摯な愛情を求めながらも、相手への要求は厳しく、結果的に関係を破綻させてしまいます。
このような雍正帝(ようせいてい)の行動は、男性が感情においても脆弱で複雑な存在であることを示しています。彼は、理想的な恋人像とは程遠い人物ですが、だからこそ人間味があり、共感できる部分もあります。
ドラマは、原作の背景を架空の大周王朝から雍正時代に改変し、より歴史に沿ったものとなりました。これは、原作の膨大な情報をドラマに収めるための巧妙な変更だったと思います。また、甄嬛(しんけい)には鈕祜禄氏(じょころくし)という身分が与えられ、四阿哥(皇子)弘暦を息子とするなど、歴史に沿った設定が加えられ、よりリアリティが増しました。
ドラマを見ていて、特に印象に残ったのは、温実初(おん・じつしょ)と果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)の二人の男性キャラクターです。温実初(おん・じつしょ)は、甄嬛(しんけい)のために尽くし、自分の性格を変えるほどの努力をしました。果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)もまた、甄嬛(しんけい)を落ち着かせるために雪の中で体を冷やし、看病するなど、印象的なシーンが多くありました。
沈眉庄と安陵容(あん・りょうよう)も、それぞれ魅力的なキャラクターでした。眉庄は古典的な美しさを持つ女性で、安陵容(あん・りょうよう)は憎らしいほどの悪女でした。皇后と皇太后も、それぞれ存在感のあるキャラクターでした。皇后は冷酷な一面を持ちながらも、皇太后は皇后の行動をすべて見抜きながらも庇護するなど、複雑な関係が描かれていました。
甄嬛(しんけい)は、後宮に入ってから徐々に力をつけ、皇后の勢力を駆逐していきます。甄嬛(しんけい)の侍女である槿汐(きんせき)は、賢く美しい女性で、浣碧(かんぺき)は不幸な境遇を背負いながらも健気に生きる女性でした。流朱(ちょうしゅ)は純粋で可愛らしい少女でしたが、残念ながら若くして亡くなってしまいました。
甄嬛(しんけい)と皇帝の愛については、ここでは多くを語りません。孫儷(スン・リー)が演じる甄嬛(しんけい)は、原作のイメージにぴったりでした。ドラマ全体としては、原作を上手く再現しており、制作も丁寧で、私と姉はどちらもとても気に入りました。このドラマを、より多くの方に楽しんでいただければと思います。